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危険な人たち

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危険な人を雇わないことは当たり前のことです。でも問題は、履歴書が素晴らしく面接でハキハキと明瞭に答えるような人がいると、つい私たちは騙されて信用してしまいます。 このような人たちはエネルギーに満ち溢れ、かなり率直で社交的であり、自分に対して自信満々です。表面的にはまったく非がないように見えますが、問題はちらほら出てきます。

このような人たちは口から発することが頭で考えていることと一致していません。勢いよく矢継ぎ早にまくしたて、周囲の​人たちを簡単に圧倒してしまいます。このまくしたてた内容こそ、組織にとって大きな悩みの種となる可能性があるのです。彼らの口は早くまわり過ぎて頭が付いていっていません。流れるような意識的な思考の連続は文学の世界では歓迎されるかもしれませんが、ビジネスの世界ではそれほどでもありません。
 
私はあるブレーンストーミング・セッションの進行役を務めていた時、1つのつらい現実に直面しました。それは、声が大きくて攻撃的、かつ頭の回転があまり早くない人は企業に大きなダメージをもたらしかねないということです。彼らは威圧感を与え、声高に話し、攻撃的になるこ​とで知的劣等感を補おうとしているのです。思慮深く、安定していて賢明な人は礼儀正しく公正であるため、全員が貢献することを望み、様々なアイデアを聞こうとするため、この危険な空気を受け入れてしまいます。
 
これはアイデアの創出段階、つまり私たちが​呼ぶ「青信号思考」の段階であれば問題ありません。この段階ではこれこそが必要なことだからです。ブレーンストーミングをする時は、アイデアの創出とアイデアの評価を同時に混同せず、区別しなければなりません。しかし問題となるのは、アイデアを解析する段階、つまり「赤信号思考」の段階に達したときです。
 
ここではこのような危険な人たちの間で主導権を握らなければならないという気持ちが強まります。彼らは自分たちのアイデアを、その貢献度の高さではなく自分たちの個性の強さで押そうとします。外部からファシリテーターを招いた方が上手く行くことが多い理由はこれで​す。組織内の政治など気にかけずに、声量が大きく攻撃的で周りを混乱する人だけでなく、必ず全員から意見を聞くからです。このような人たちはたいてい思慮深くなく、反省する人たちではないため、アイデアを出すことだけに頼り切っています。それでも構いませんが、このように出されたアイデアをさらに固めるか、または実現​可能なものにすべくハイレベルで豊かなものにするのが最高のアイデア創出者です。
 
もう1つの危険な従業員のタイプは、一見すると頭が良い人たちです。このような人たちの話は大部分が理にかなっているように聞こえますが、分析能力は劣っています。彼らは​見逃すことが多く、貢献しないため、組織により大きなダメージを与えがちです。カモフラージュが得意なため、そういった人を見つけ出すのは困難で、物事が終わった後で初めてダメージが明らかになることもあります。これは機会の損失、つまりチャンスを逃した、情報を提供されなかった、関係を築けなかった、そして付加価値​を与えることができなかった、ということなのです。
 
これは企業のブランド・キラーです。顧客はあとになって、自分たちがこのような危険な人たちに騙されたことに気づきます。ビジネス強化をするチャンスがあったのに、そのことについて何の提案も出されな​かったからです。せっかくの絶好の機会を生かさないまま終わってしまったのです。
 
顧客としては問題点を提起しても、「あぁ、そうですね。そうすべきでしたね」、などと役に立たない発言をされたら気分を害します。 すぐに「では一体なんで言ってくれなかったんだ」と掴みかかりたくなってしまいます。
 
お金と時間をかけたのに結局は部分的な価値しか得られず、 今まさにこの瞬間、輝かしい機会が実現されないまま過ぎ去ってしまったことに気づくのです。ビジネスで成功するには、どの部分も勝利に導かなければならず、機会の損失など許されることではありません。売り手側の組織の評価とブランドは、このような危険な人たちの行動、いえ、実際には「非行動」によって今にもズタズタに切り裂かれかねません。
 
では、このようなブランド・キラーはどうして生き残​ってしまっているのでしょうか。原因は上司にあります。このような人たちの教育や指導、管理が十分に行われていないからです。上司たちは忙し過ぎるか、他のことに気を取られているか、あるいは信用し過ぎているのです。そもそも上司自体が冴えないのかもしれません。そうであれば問題は一気に倍増です。もしくは組織内に分​析能力を養うメカニズムが存在しないのかもしれません。意思決定、問題解決および状況分析という課題を学歴だけで簡単に片付けてしまってきたのかもしれません。
 
危険な人たちはこの記事を読んでも自分たちのことであるとは気づかないでしょう。彼らは特に​何かあるわけではないのに単純に自信があり過ぎるのです。自己認識に欠けている、いえ、ほとんどないに等しいと言ってもよいでしょう。このような危険な人たちを放っておくと、そのうちこちらが傷づくことになってしまいます。一刻も早く彼らを見つけ出して問題を正すか、または顧客と関わる時にこれ以上傷つけることができ​ないように彼らに別の場所を提供するなどしましょう。

 

 

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