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やる気にさせてください

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 「私をやる気にさせてください」と部下に言われるのはリーダーとして最も悲しい要求のひとつに違いありません。直裁に明示しているわけではありませんが、こういった要請は上司の存在は部下にやる気を出させるためにあるという考えが底流にあることを暗示しています。「良い上司さえいたら、私はもっと良くなっているのに・・・」、「この会社がみんなで力を合わせて​さえいれば、私も一緒になってやるのに・・」、「ほかの社員がここまで頼りない体たらくでなければ、私はもっと良くやれるのに・・あの人たちが私の足を引っ張っている・・」等々の不満を良く聞きます。すべて他人の責任にしてみずからの救いをそこに求めるは大きな間違いです。多くの宗教は救済の手を差し伸べてくれます。​しかし、いずれもその救済の責任は自らにあることを求めています。この世の世界でもなんら変わることはありません。

やる気、忠誠心、アカウンタビリティー(与えられた職務の遂行能力)、努力、責任感、エンゲージメント等々、おそらく上司の方々はこれらのことを部下たちから期待しているものと思います。これらはすべて回りから刺激を注入することによってもたらされるのです。上司から、そして部下の側の双方からその刺激を加えることができます。リーダーとして、望ましい部下のモチベーションレベルはどのようなものかは​よく知っているのですが、どうすればそれを達成することができるのでしょうか。 

好んで使われるリーダーの手法といえば、大声を上げる、脅す、失職を遠まわしに示唆する、辱める、屈辱を与える等々です。スティーブ・ジョブズは若いころにリーダーとしてこういった手法をよく使ったようです。彼は自らのリーダーシップを発揮してアップルを死の淵から救い出して見事に再生させた実績がありますので​、今では後光をまとった聖者のように崇められています。しかしながら彼は何度となくこの手法を取っていましたので、欠点を持ったリーダーであるといわざるを得ません。人生の後半で成功を収めてはいるものの、無法者まがいのこういったやり方は正当化できません。「ジョブズ氏には良かったのだから、自分の部下に厳しく愛の​鞭を当てるのも構わないだろうに」という意見がもしあったとしたら、それは違います。

あなたも私もスティーブ・ジョブズではないのですから、彼にあてはまるロジックをそのままあてはめるのは止めましょう。彼は他にたくさんの成功を導いたすばらしい特質を持っていたのです。彼が成功したのは彼の仕事の分野であって決して我々の分野ではないことを覚えておかなければなりません。そしてまた、もし​彼がより良いリーダーであったとしたら達成していたであろう機会費用についても注目する必要があります。ひたすら人の言うとおりにしていては十分な創造的革新は達成し得ないのです。上司があまりに怖いような場合には、何も恐れずに新しいアイデアや将来性のあるものを創造するなどということは困難です。<​br />

もしジョブズ氏が部下の弱点を非難するのではなく強みをみてうまく使っていれば、より多くのことをもっとたくさんやり遂げていたことでしょう。彼は才能のある人たちのお陰で光り輝くすばらしい成果を獲得できたのですが、彼らは元々有能だったのですからそれはおそらくそんなに難しいことではないのです。 今ここで問題なのは、どうやって普通の人からすばらしいものを取り出すかということです。これにはより多くの努力とスキルを必要とします。我々のほとんどが暮らしているのがこの環境なのです。才能のある人材は高価なので通常有能な人を多数確保する余裕はないのです。

これとは対照的ですが、クレイグ・ベラミー氏はメルボルン・ストームというオーストラリアのラグビー・リーグを率いる監督ですが、彼は二流・三流レベルの選手を集めては訓練して一流の人材に育て上げることで有名です。スター選手をたくさん雇うだけの資力を持ち合わせていなかったので潜在能力のある選手を集め彼らをスター選手に育て上げたのです。こちらの方が我々にとっては良い事例でしょう。我々はスターを揃えたチームを採用するのはまず難しいのですが、スターを作り上げることはできます。

力のあるリーダーたちにとってのもうひとつのチャレンジは、彼らはしばしば、これまで自分たちが成功してきたやり方こそが誰もが倣うべきお手本である、といった考えになりがちであるということです。それほど簡単であればいいのですが・・よく上司の人たちが集まると聞くあの嘆き節はこれが原因なのです。こういった上司の人たちは部下が上司の期待している水準での仕事ができないことに不満があるのです。我々が忘れがちなのは、我々にとっては今ではすでに​知っており普通のこととして当たり前に思うことでも、その当時の年齢、段階であれば我々だって学習しなければならなかったということです。

皆さんご存知であればよいのですが・・・、残念ながら、ほとんどの人はあなた方と同じようにはなりえないのです。いろいろなタイプの多くの人たちと対処して行く中で、このことを人生を重ねていくにつれて自覚していくのですが、不思議なことにいざ実際の現場でとなるとこのことを忘れてしまいがちなのです。人の対応振りの違いにはちゃんとした理由があります。人の性格は四つに分類されるといわれており、我々もそのどこかの分類に入ることになります。従って人口のうち四分の三は自動的に我々とは波長が違うということになるのです。

おそらくほとんどの部下の人がそうだと思いますが、自分と違うタイプの人にどうやってやる気を起こさせることができるのでしょうか。ところで、採用時に自分の好みの選択ばかり重ねた結果、自分の部下が皆同じパーソナリティーを持った人たちだったとしたら、将来の失敗に備える必要があります。自分の性格タイプばかりを固く信じて多様化が欠落していると、グループでの考えが沸き上がって自分の考えがすべて正しいと確信してしまい、盲従して​突っ走って崖から落ちることになります。

ここではそうではないケースを想定し、部下の人たちはそれぞれ様々なパーソナリティーのスタイルを持っているとしましょう。部下の人たちの希望通りにまずチームメンバーとの対話から始めてみましょう。これは所謂黄金律をさらに超えた白金律とでも言うべき法則、「自分がそうして欲しいと思うことをみんなにしてあげる」なのです。これで各人にとってのやる​気とは何かがわかってきます。そしてそれを直感に頼るのではない方法で組織の目標に合わせていくのであって、その逆ではないということです。強靭な成果を挙げるには何をしなければならないのかを考えて見ましょう。

ヒントをひとつ示しましょう。最も大切なソフト・スキルのひとつであるコミュニケーション・スキルが成功の鍵です。何を話すのか(内容描写の技術的な巧さ)は大切ですが、どのようにそれを表現するか(コミュニケーションの達人のやり方)はより大切です。実は多くの専門家はこのことに関しては完全に否定的です。専門家たちは、自らの有能な頭脳と有り余る知識を持ってすれば十分であると固く信じているのです。それは真実ではありません。

我々は気にいっていてかつ信頼がおける人と仕事をしたいと願うものです。専門家としてのスキルには信頼を置くかもしれませんが、好きでないのであれば、ほかに選択肢がない場合に限って致し方なく取引を行うことになります。この時代、専門性の高い分野でも人があふれていて厳しい競争があるので、選択肢が少ないことなどは極めてまれです。

日本の場合、歯医者と弁護士が良い例です。市場の需要の大きさからすると両者とも現在あまりに多く存在しているので競争は熾烈です。こういった状況では、クライアントとコミュニケーションが上手にできることはとても重要です。クライアントは、波長が合わないなと感じたらすぐに別のところへ行ってしまいます。

これは日本の中間管理層にとっても若い世代の人とのコミュニケーションをとろうとする場合、同じことが言えます。若者世代は嫌いとなれば辞めてしまいます。 若い大卒の従業員がコンスタントに少なくなっていってしまう恐怖に苛まれており、彼らはここで働くのに替わる別の選択肢をたくさん持っています。

ひとつはっきりしていることは、相手にやる気にさせることはできないが、自分自身をやる気にさせることはできるということです。しかし、上司としてはチーム全体がやる気を起こすように後押しするひとつのエコシステムを作り上げることはできます。部下の人たちの個性に応じて彼らにとって好ましいコミュニケーション方法を探っていけばよりよく理解することができるでしょう。​こちらのやり方ではなく、彼らの気に入ったやり方で話せばそれだけやる気を出してもらうことができるでしょう。

ここでの秘訣は、彼らの興味のあるものは何かを知るためにもチームの人たちと接する時間を持たなければならないということです。良いコミュニケーションを保つためのソフト・スキルの課題に戻ってきます。上司が大声で命じれば部下は大人しくついてくるものです。しかし、コミュニケーション・スキルを正しく使って、組織の戦略の方向に部下のやる気をうまく揃えれば部下たちをさらに前に進めることができるのです。これが望ましい目標です。白金律が自らのやる気に火をつけたということです.

部下の人たちはみずからやる気を出すべきものであり、上司はそれに対して部下のやる気を開花させるような環境を作ってあげるべきなのです。これによってより良い責任分担ができ、持続可能な状況となっていくでしょう。


行動ステップ


人の弱点に注目するのではなく、長所を伸ばすこと

スティーブ・ジョブズ氏ではないのですから、彼の間違った部分を真似ないこと

成功体験は自分だけのものであり、部下の人も同様にすると期待しないこと

自分と同じタイプの人を雇う場合は失敗の可能性を覚悟すること。多様性が必要である

白金律=「自分がそうして欲しいことをみんなにしてあげる」

何を言わなければならないかよりも、どのように話すのかの方が大切

自らやる気を出す環境をつくること。それが上司としての仕事

部下の人たちそれぞれのコミュニケーション・スタイルを真似ることによって、コミュニケーションで最も効果のある結果を出すことができる

 

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