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クライアント・ミーティングの準備をしっかりする秘訣

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営業マンは多忙を極めます。新規顧客・見込客の開拓、ネットワーキング・イベントへの参加、飛び込みの電話営業、顧客とのミーティング、提案書作成、約束の実行、と、さまざまな業務があります。これほど多忙にしていると、どこかで重要ないくつかの基本事項が欠落し始めてきます。​そのうちのひとつが顧客とのミーティングの準備です。
 
営業担当者はこれまでも決して顧客ミーティングの段取りトが上手であったとは言えないのです。
 
現在の世の中では、ちょっとクリック​するだけで多くの情報が入手可能です。上場企業であれば、便利なことに財務内容の詳細、会社の戦略、会社役員情報等々のレポートがウェブサイトに掲載されています。 そのレポートでは、きちっと着こなした会社の上級幹部が豪華なオフィスでポーズをとっている写真をよく見かけます。この広報部の写真の努力に加えて、数多くの記事や、CEOとのインタビュー記事等が入手でき、会社の向かうべき方向等について記載されています。重要な会社の目標やマイル・ストーンはすべての人が閲覧できるように表示されています。
 
ほんの数分かけてこの情報を見つけ、それを読めば、会社の​戦略における重要な要素は何かというアイデアが極めて明快に判明します。財務関連のセクションを読めば、会社の目標値に対してどのように数字上の実績があったのかがわかります。部門別、国別のブレークダウンを細かく示している場合もありますので、これからその会社の意思決定者との面談を控えている人にとってはまさに純​金に値する情報です。
 
こちらが売り込もうとしているものを、相手の会社が設定した目標に関連付けることができれば、すぐにでも話の内容が意味を持つものになり、打ち合わせをよい方向に向けることができます。相手の会社の投資回収率に対して我々が貢献で​きることがあると話すことになれば、社内で、上級幹部が設定した目標達成に責任を負っている人にとっては大変興味深いものになるはずです。こちらが何を望んでいるのか(例えば何かを売るとか)について話すよりは、相手の目標を達成するために、こちらがどれだけ支援できるのかに焦点を合わせたほうがよいでしょう。
 
しかし、どれだけの営業マンが顧客を訪問する前にこういった手間をかけるでしょうか。多くはないでしょう。顧客のオフィスを訪ねて「仕事の内容を教えていただけますか」などと言えば、事前にその会社に関する下調べをどれだけやっていないかが明らかになってし​まいます。その会社が社内で掲げている目標に関連する質問をするほうがはるかに優れています。会社の目標達成を妨げている個別の課題を解決するのに、手助けができる分野を常に探し続けるようにすべきです。
 
面談にあたっては、相手が直面している最も気に​かかる課題について話すようにすべきです。例えば、
 
「御社の社長様は、来年の売り上げを12%増にすると明快に表明していらっしゃいます。現在の市場環境を勘案しますと、かなり高い目標と思われます。これは日本でも達成しなければなら​ないコミットメントなのでしょうか」
 
 
これは良い質問です。事前に会社について調べ、目標についても知っており、共感もしていることが伝わります。同時に日本でも同じ課題を持っているのかについ​ての質問もしています。もし日本では30%の成長が必要だという答えであれば、いかにしてその目標を達成するのか、またなぜ日本だけがそれほど大きな目標となっているのかについて大変興味深い会話が行われることになるでしょう。
 
相手の今の業績と達成す​べき業績との間の乖離の幅、さらには独自にこの乖離を埋める機会はどれくらいあるのかを把握したいのです。もしもここでの事業環境が他と比較してきわめて良好で日本での30%の成長は簡単に達成できることが分かると、こちらが介在する余地を探すのは難しいことになるでしょう。
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一方で、これほど高い目標を掲げていることに本当に悩まされているのであれば、我々が解決できる可能性がでてくるので、先方はこちらの案に対して全身を耳にして聞くようになるでしょう。「ご商売はいかがですか」と聞くのは、当たり障りはないでしょう。それに対して本当のことが分かるように答え​てくれる場合もありますし、そうでない場合もあります。誰しも買うことは好んでも、売りつけられるのは好まない、ということを覚えておきましょう。営業担当者に話す内容が少なければ、それだけ売りつけられることも少なくなります。
 
会話の早い段階でより​詳しい内容に入って行くことができれば、それだけ新規顧客を見つけられるかの見極めをつけやすくなります。これが我々の目標であり、この目標を達成するために結集できるベストの能力を発揮しなければなりません。
 
会社の情報とは別に、面談相手についての​個人的な情報も見つけることができます。グーグル、ヤフー、フェイスブック、リンクトイン、ツイッター、インスタグラム、ユーチューブ等があります。名前をさっと検索すると有効な背景情報が得られ、何らかの共通のつながりが判明してくるかもしれません。同じ大学の卒業、過去に同じ業界での仕事の経験、同じ県・市の出身​、同じ趣味等々の情報はこれまでまったく見ず知らずであった二人を円滑につないでくれます。
 
営業では、相手にこちらのことを知ってもらい、好感を持ってもらい、信頼してもらうことが必要です。好感、信頼は、関係を構築する最初の段階では特に難しいもの​です。お互いに何か共通のものを持っていることは、信頼性をすばやく作り上げるよい方法です。
 
私を例に挙げて見ましょう。私はオーストラリアのクイーンズランド出身、ブリスベーン育ち、オリジン・ラグビーのブリスベーン・ブロンコス・チームのサポータ​ーであり、グリフィス大学で現代アジア研究を学び、空手をたしなみます。相手とすばやく結びつく豊富な材料がここにあります。5分もあればこれらすべての情報がオンラインで見つけることができます。 
 
クイーンズランドがオリジン・ラグビーで最近活躍し​ている話で面談を始めれば、お互い意持ちよいスタートが切れるのです。ということは、ラグビーであの過激なクイーンズランドとニューサウスウェールズ・ステートとのライバル関係をよく知っており、どれだけ私のような生粋のクイーンズランド出身者にとって勝利が大切かが分かります。
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日本では私は物品・サービスについては購入側です。過去25年間に渡り、いままで営業担当者は誰もお互いの共通のつながりの知識を利用して接触してきていません。今日公開されている情報が多岐に渡っていることを踏まえれば、特にこの10年の間に、こういった方法で私に会おうとしない営業担​当者には言い訳は許されません。
 
多くの人たちにとっても同様です。先方の重要な詳細を知ろうと時間をかけるのであれば、このリレーションを利用してすばやいスタートを切ることができます。みんな確かに忙しいのです。そのとおりです。しかしそれは十分な​言い訳にはなりません。我々営業担当者は、今日利用できる手段を有効に使って十分な仕事をしているとはまったく言えません。 こんなことを考えるなんて気は確かかと思われるかもしれません。しかし、新規顧客に最初に面会するときには、顧客と関係を構築し、最初の前向きな印象を得ることは営業担当者としての目標であると言えます。
 
確かに、非上場の会社もありますし、まださほど多くの日本の企業人がリンクトインを利用しているわけでもないでしょう。しかしながら、多くの企業が上場しており、多くの日本人がフェイスブック他のSNSを利用しています。それらを利用して面​談の前には事前の調査をする努力が必要です。今日のインターネット時代には言い訳などあり得ません。
 
日本で注意が必要なことは、物事を決めるにあたってのグループとしての動きです。ミーティングの参加者についてですが、事前に誰が出席するのかを正確に​把握できないことがあり、さらにしばしば追加の参加者がでます。その人たちについては事前に調べることができません。しかし、ミーティングの後に、彼らと関係を築くきっかけを見つけることはできます。例えば、ある特定の事案に関心を示すようであれば、その題目についての追加情報を後で送ることができます。
 
何かスポーツあるいは行事などが好みであればゲストとしてチケットを贈呈することができるかもしれません。しかしながら、私自身は日本で個人的な贈答をすることについてはやや保守的な考えです。接待・贈答についてしばしば会社のコンプライアンス上の制約があります​ので、そのことには十分了解しておかなければなりません。折角こちらが努力をしても、それが先方で厄介なことになり、問題を生じることがないようにしたいものです。一方で、社内チームの皆さんで召し上がっていただく食べ物を持参するのは通常喜ばれます。日本では幸いなことにそういった場合にぴったりの贈答品のセレクシ​ョンが驚くほど揃っています。
 
現代は容易に無料で情報が得られる時代です。ぜひ他の営業担当者との差別化を図りましょう。そこでひとつの簡単な手法は、会社および個人について少々時間をかけて調べることです。こういった情報が手元にあれば、しっかりと​準備した質問ができ、より多くの重要情報がより迅速に判明し、買い手側との会話にさらに有益な内容を提供することができます。
 
行動ステップ
 
1.  オンライン上で企業のアニュアル・レポートを参照する
2.  ソーシャルメディアを活用してミーティングに参加予定の人の情報を得る
3.  インターネットの検索機能を活用してミーティング前に知っておくべきことを調べる
4.  新たな人がミーティングの席に現れたら、その人と何らかコネクションをとる方法はないか調べる
 
 
 

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