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本社はいつも日本支社の扱いを間違える

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 日本で国際的なビジネスの運営に携わっていて煩わしく思うことのひとつは、母社あるいは地域本部からの干渉にどのように対処するかです。日本のことを知らない人に日本を説明しようとするのは骨の折れることで、お蔭様でこれまで大いに私の人格形成に役立ってきました。単調な会社勤めを離れて自分自身で仕事をするようになってから、こんな哀れで無意味なことからは​おさらばだと思ったのですが、残念ながらそうはいきませんでした。悲しいかな、日本の事情を無視し続ける魔の手がまたもや伸びてきて私に挑んできています。現在も私は日本にいる顧客のことを思うとフラストレーションを覚えます。彼らは日本以外に置かれている本部や地域本部が何も理解していないという塗炭の苦しみに相変​わらず直面しているのです。

ジョイント・ベンチャーやパートナーシップは楽しみの多い事業です。日本では提携先企業との契約関係を詳細に記述することは少ないです。日本での基本的考え方は弁護士が用意する長たらしい文章など不要、ジョイント・ベンチャーはいかにお互いを信頼するか、協力して仕事に当たるかによって成功もすれば失敗もするという考えなのです。もしもうまくいかなければ、袂を分ければよいのであって、裁判や紛争処理、クレーム、賠償等々などに煩わせられることはないのです。成功に向けてより大きなピク​チャーを描いて、どうやったら成就できるのかに焦点を当てるべきなのです。そのため握手があればそれで十分なのです。

最近アメリカに本拠のある会社からあるマーケティング関係のサービスを導入しようかと検討していた折にこのことを思い出しました。先方から丁寧に契約書が送られてきたのですが、いかにも弁護士が書いたようなページが続き、刺し子が通らないほど厚くびっしりと埋まっていて読み通すのに骨が折れました。日本では顧客と書面で契約を交わすことはほとんどありません。トレーニング内容について合意し、合意したとおり実行し、そして期待したとおりに一定期間内に対価をいただく、これらすべてを握手で済ませているのです。私は日本で52年間活動しておりますが一度も問題が発生したことはありません。た​とえ問題が発生したとしても、恐らく協議の上、双方が納得する形で合意することと思います。

従って、日本にいる子会社の代表は本社に対して合意内容が決まったときになぜ本社の流儀どおりに記録に残さないのかを説明するのが日課となっています。これは当社の顧客の例ですが、もともと期待していた目標に対してスキル面での準備が十分でなかった事例がありました。日本側ではマーケットを担当する営​業チームがいるのですが、実はマーケットを適切にカバーするにはエキスパティースが不足しており、売り上げ成績は当初の期待値と比べて不振な状況でした。

そのときの本社の解決策はどうであったか。本部からアメリカ人を派遣し、日本での販売実績の不振について役員会議の席で罵倒したのです。辱めて営業活動に駆り立てようとしたのです。日本支社の代表は役員会議で言われた時と同じやり方で下に圧力を加えるよう強要されました。「士気が向上するまで叱責し倒す」的なやり方です。アメリカ本社主導のこのやり方が日本のローカルのパートナーを貶めることになり、当然のことながら信頼と協力の気持ちが急速に崩壊してしまいました。

いまいる営業担当者の中から選抜してトレーニングをローカルで実行するのがよりよい解決策だったはずです。これは筋の通ったステップのように聞こえますが、本部をこれで説得するのは実に骨の折れることでした。本部の見解は地域本部からトレーナーを派遣して訓練を行うことでした。アジア・パシフィックの地域本部というと大概シンガポールか香港です。どんな人を選んで日本に送り込んでくるのでしょう。人事部の連中が好んでやるやり方は、通常、速射砲のように 早口の中国人チームメンバーであり来日して英語でトレーニングに当たります。

本部の人たちは言語上および文化上の課題が地域ごとに特徴があり異なっていると指摘されると、いつも「大丈夫、このチームは英語が話せる」との態度です。私の経験からすれば、英語能力が十分あるのかについては極端に楽観的です。皮肉をこめて言えば、こういった一連のアクションをやろうとする人たちは英語しか話せない連中で、パスポートを​持ったことすらない連中です。英語のマシンガン・トークに加えて慣れない中国語アクセントさらには文化的な感受性の皆無が相俟ったものが、なんと本社が、純真で非難すべきでない人たちに与える天才的ともいえる解決策なのです。

海外から英語のネイティブ・スピーカーが送られてきたとしても、極端に早くしゃべり、多くの慣用句を使い、込み入った冗談や単語の遊びで混乱させ、説明内容を略語や頭文字で表現するのです。そんなやり方では何を言っているのか皆目理解できず、そのクラスで何をやっているのかさえ訳がわからなくなるだけです。

顧客が日本人であるにもかかわらずロールプレイを英語で行うやり方は、本部主導によるこの時代の最も横着な解決策です。相手を説得するには、多様なニュアンスを織り交ぜた言葉を駆使して行う必要があり、それは当然のことながら相手方の言語でなければなりません。どのように話をするのかは何を話すのかよりもずっと重要です。営業担当が英語での話しぶりを練習してそれをインストラクターが理解できるなどということはばかげたことで何の意味もありません。

私は最近、リレーションシップ・セリングというクラスを英語で教えたのですが、クラスの中にとても国際的で有能な日本人の営業マンがいました。彼は、彼の顧客はすべて日本の企業なので彼にとって英語で文章構築練習をするのは意味がないと訴えましたが、まさにそのとおりです。そこで日本語に替えて彼の顧客に合わせて彼専用のセールス提案の改善に取り組みました。英語と日本語の両方の生徒が入り混じっているクラスを教えるにはバイリンガルのトレーナーが必須でしょう。代替案は日本語の生徒の時間を無駄にして英語​をしゃべる人だけを対象とすることですが、これでは19世紀の植民地時代の手法のように見えますね。

英語を理解する割合はおそらく最大で50~60%程度でしょう。それもお昼までの話で、その後はぐんぐんと低下していきます。これでは日本でのローカル・スタッフの効果的な訓練とは言えません。母国語でのトレーニングを実施し、必要な文化的な理解も配慮することが最低限の基準線でしょう。それに加えて、高い力量を持っているトレーナーがいることが実際に効果を上がるために必要です。

本部からのこういった奇妙なアイデアは少なくとも最初の15秒ほどは聞いていて面白いこともありますが、グローバルでのトレーニング手法としては失敗の危険をはらんでいます。「トレーニング終了、はい、完了ボックスをチェックしておしまい」は決して我々が求めている成果物ではないはずです。トレーニン​グを受け、より高い生産性に向けてそれを適用していくことが唯一満足できる成果物であるべきです。そもそも、そのトレーニングの内容を理解することができなければ難しいことになります。英語でグローバルにトレーニングを行うのは派遣先の企業にとって何ら価値のあるものを残さないのです。本部はなぜこんな間違いを繰り返​し犯すのかと思わざるを得ません。こんなことではいけません。組織にとって知恵を出し、日本では何が一番有効であるのかについて、今まさにローカルの代表の意見に耳を傾けるときですよ。


行動ステップ

日本では過度に法律に偏ったやり方を適用するのは難しいということを理解する。当地では本国と同じようには通用しない

営業成績について日本側の人たちを公衆の面前で罵倒するのは何らの改善にもならない

可能な限り現地の言語でトレーニングを行う

営業のトレーニングにおいてあまりに英語的な言い回しは日本で営業をしているチームには役に立たない

高い効果を挙げるのであれば高い能力のあるトレーナーを用いる

本部の人に対して:日本に関してのことはローカル・レプの言うことを聞き彼らのアドバイスに従う

 

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