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カッコいい日本の女性プレゼンターたち

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日本ではプレゼンテーションの世界は未だ男性が牛耳っています。私は東京で多数のイベントに出席しますが、国際的なビジネスの場であっても、多くの場合、参加者の男性と女性の割合は7対3です。そしてこのうち女性プレゼンターの割合は約5%~10%です。きわめて国内向けの日本語によるイベントになると、女性の参加者の割合はおよそ1%~2%で、プレゼンターの割合となるとたいていゼロか小数点の1桁か2桁以下です。

 
​どんなプレゼンターであっても、聞き手を理解することはプレゼンテーションと話し方において重要な要素です。ここ日本ではまだまだ女性は男性より3歩下がって歩いていますが、女性でかつビジネスマンを相手にスピーチをするという貴重で最も成功している人たちの間には2、3の共通点があることに気づきました。今回は、日​本で公の場でスピーチを行うビジネスウーマンたちに役立つヒントをいくつかご紹介します。
 
自信は圧倒的に好意的な第一印象を生み出します。これはさまざまな形で伝えることができます。まず、強くはっきりと発声すること。今のマイクの技術を使えば、比較​的柔らかい女性の声であっても十分力強く聞こえますから、弱々しい声のせいでプレゼンテーションの質が下がることがないようにしましょう。
 
面白いことに、男気の強いビジネスマンの多くはマイクの使い方をよく分かっていません。実際、マイク嫌いなのか怖​いのか、マイクを払いのける人たちをみなさんも見たことがあると思います。あなたの声が大きく手、会場が洞穴のようでなければ、それでもまったく構いません。そうではない場合、または心配であれば、参加者が到着する前に実際にマイクを使って正しい使い方を理解する時間を設けるようにしましょう。
 
プレゼンテーションの冒頭でマイクをポンポンと叩いて、後ろにいる聞き手に向かって聞こえるかどうか尋ねるなどは素人がすることです。プレゼンテーション中に動き回りやすいように、ハンドマイクか襟などに付けるラペルマイクを使うことも検討してみてください。ただし、ハンド​マイクを使う場合に緊張でマイクを持つ手が大きく震えるのであれば胸の上に付けて飛ばないようにします。
 
アイ・コンタクトも熟練の女性スピーカーの強力な武器です。聞き手を観ることで彼らとのつながりを築くことができます。これは当たり前のように聞こ​えるかもしれませんが、時折、聞き手の中で物足りなさそうに見つめ返す人がたくさんいるのに気付くと、突然緊張して自信がなくなることがあります。私がこれまで見てきた上手な女性スピーカーは聞き手の中から何人かの人を選び、彼らを見つめて直接話しかけるようにしていました。そしてプレゼンテーションの間中、ずっとこ​れをしていたのです。距離がある時は、その人の周りに座っている約20人の人たち全員がそのスピーカーが自分と直接アイ・コンタクトを取っていると感じたことでしょう。大切なことは、短すぎず、かつ押し付けがましくならないように約6秒間だけ見るようにすることです。
 
日本はアイ・コンタクトを極力避けるという文化的な傾向があるため、多くの人が通常の会話の役割とスピーカーとしての役割の違いを誤解しています。これらを混同して、聞き手とアイ・コンタクトを取ることを心配しているようです。かわりに、全員を見ていながら実際は誰も見ていないのです。 これは非効果的であり、スピーカーは自分たちが話すことについて聞き手に同意してもらえるようにする義務があります。女性であれ男性であれ、アイ・コンタクトによって聞き手はスピーカーに直接話しかけられていると感じるため、非常に大きなつながりを築くことができます。良いアイ・コンタクトによってスピーチが1対多数ではなく、1​対1の経験へと導くことができるのです。私たちはスピーカーに直接見つめられると、自分たちと個人的なつながりを築こうとしているのを感じるため、アイ・コンタクトはとても強力な武器となります。
 
ラップトップの画面や後ろの大きな画面を見たり、メモを​読んだりして聞き手から目を離す人がいますが、これはNGです。聞き手を見て、こちらが伝えようとしていることに彼らが同意しているかどうか確認する必要があります。彼らに対して効果的なプレゼンテーションを行っているかどうか、彼らのボディ・ランゲージや顔から読み取るのです。話を理解しているか、退屈していないか​、大きく意義を唱えていないか。これらを把握することで、それに応じてプレゼンテーションを調整できます。会場スタッフが気を利かせて照明を落として部屋が暗くなるような事態は必ず防がねばなりません。
 
これはよくあることなのです。私自身の経験では、​最近ベトナムから訪問している潤滑油販売業の代表団に対してスピーチをしたのですが、予想したとおりホテルのスタッフが画面を見やすいようにとすべての照明を切ってしまったのです。あー、だめ、だめ!私たちは聞き手に見てもらいたいし、私たちも彼らを見たいのです。こんにちのプロジェクター技術は非常に優秀なので、会​場の照明を付けたままでも全員、画面を見ることができます。誰かが突然照明を消してしまった後、上手な女性スピーカーが突然話すのを止め、また照明を付けて欲しいと丁寧に頼んでいるのを見たことがあります。彼女はアイ・コンタクトの力を知っているのです。
 
優秀なプレゼンターはコミュニケーションを効果的なものにするためにあらゆるボディ・ランゲージを使おうとするので、演説台の後ろにつっ立ったままではありません。特に背が低い女性の場合、演説台の高さが問題となることがあります。丁寧に整えた髪が演説台に置いてあるコップの上から首振り人形のようにゆらゆらと揺​れている姿を何度も見たことがありますが、これは魅力的には見えませんでした。
 
演説台が高すぎるのなら、足元に台を置いてその上に立ち上半身が台の上から見えるようにします。これも、会場に早めに着いて仕組みや配置をすべて確認しなければならない理由​の1つです。演説台にしがみつくという悪い癖は止めましょう。緊張しているように見えるし、重要なポイントを強調するためのジェスチャーが使えなくなります。
 
演説台の横か、あるいは前に立って演説台から離れるようにすると非常に効果的です。また、単に​演説台を90度回転させれば、ラップトップの後ろに立たなくてもラップトップの画面を見てボタンを押せます。こうすれば自分は必要なものが見え、聞き手もあなたを見ることができます。
 
上手で力強い女性プレゼンターたちは演説台から離れて立ちますが、ス​テージ上を左右に行ったり来たりはしません。これはストレスや緊張を感じているように見えるからです。たいてい画面の左側に立ち、聞き手から顔が見え、声が聞こえ、同時に右側の画面を読めるようにします。「まず私を見てください。次にこの画面上の情報を見てください」というメッセージを出して、画面に支配されずに画面​を支配できるのです。
 
画面に映す内容は「シンプル・イズ・ベストの精神」に従って、とてもすっきりしています。タイムズ・スクエアのネオン天国ではなく、日本の禅寺のお庭を想像してください。彼女たちは文字よりも図を多く入れることの価値を認識してい​るようです。1画面に4つのグラフよりも1つのグラフの方が良く、色も2色ぐらいに抑えてあって目がチカチカしません。
 
プレゼンテーションの主役は彼女たちプレゼンター自身であって、画面の内容ではありません。これに反して、日本の男性CEOたちのプ​レゼンテーションのスライドはたいてい悲惨です。ごちゃごちゃしてシャープさに欠け、見にくくて不可解で派手。日本の「侍」ビジネスマンなのかもしれませんが、明らかにここでは禅の精神はまったく生かされていないようです。
 
説得力のある女性は、健康状​態、緊張の度合い、準備不足、時差ぼけといった言い訳をして謝ることなど決してせず、自信を見せます。プレゼンターの健康状態などの言い訳など気にする男性はほとんどいないと思います。優秀な女性プレゼンターはこういった点は上手く対処し、自分の健康状態を他人に明らかにせず、真のプロフェッショナルとして振る舞いま​す。
 
「すみません、本日は風邪を引いておりまして」とか「準備する時間があまりありませんでした」などと言って同情を買おうなどとはしません。私の経験では、男性はこういった細かいことはそれほど気にせず、このような言い訳に対して特に同情することも​ありません。
 
こうした優秀な女性プレゼンターたちは緊張することがあっても、それを決して見せないようにします。その結果、男性の聞き手から見えるがままを受け入れ、この専門分野のビジネスエキスパートとして完全に信用してもらえるのです。
 
最近出席したプレゼンテーションで見た女性ゲスト・スピーカーの例をお話ししましょう。滑り出しは好調だったのですが、5分ぐらいしてから雲行きが怪しくなってきました。平静を失い、おろおろとし始めたのです。とても驚いたことに、私たち聞き手に向かい、緊張し​てしまっていて深呼吸が必要であると言ったのです。「ごめんなさい」を2回ほど繰り返した後、ようやく平静を取り戻しました。
 
始めは自分の成功とそれをどうやって収めたかについて話し、なかなかうまく話していました。でも、主要なトピックを話し始めた​時にこのようにおろおろし始めため、彼女の信用は一気に失墜してしまったのです。個人のブランドは永遠に修復不可能なほどに傷ついてしまったわけです。
 
ただ興味深いことに、もし彼女が言い訳さえしなければ恐らく私たちは彼女がそんなにも緊張しているこ​となど気づかなかったことでしょう。ですからどんなことであれ、すべて計画の一部であるかのように話し続けるべきです。一般的に、私たち男性はそんなに賢くなく敏感でもないので、言われるまでまるで気づきません。
 
日本にはプロフェッショナルで有能な女​性のスピーカーがたくさんいます。ですから女性のみなさん、彼女たちのプレゼンテーションから効果的なテクニックを学び、彼女たちの仲間入りができるように目指しましょう!
 
実行ステップ
 
1. 聞き手が誰であるかを把握し、それに合わせて準備する
2. 聞き手が到着する前にマイクに慣れておく
3. 聞き手を見てアイ・コンタクトを取り、彼らに話しかけるようにする
4. 演説台から離れて立ち、演説台の罠から逃れる
5. 画面に支配されるのではなく、画面を支配する
6. 画面の内容を作る際は「シンプル・イズ・ベスト」の精神を忘れない
7. プレゼンテーションで言い訳は絶対にしない
8. 緊張していることを決して見せては​いけない
 

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