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アイデア創出のスイート・スポット

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より多く、より早く、より少ないコストで・・・それは革新への叫び声。これは限界レベルでの話しになりますが、継続的な改善を行うカイゼン手法となるのか、あるいは新たなビジネスを形作るブレークスルーが飛び出してくるのかもしれません。いずれに​しても、このプロセスと人間との間に成功には欠かせない原動力があります。創造的なプロセスという時にどれだけの幅が許容されうるのでしょうか。実務的な観点でいえば、アイデアが浮かんでくるまでにどれだけ多くの、どれだけ大きな失敗を許容するのかがまさに問われているのです。

管理者はプロセスを管理します。リーダーもまたプロセスを管理しますが、さらにもうひとつ部下の人たちにアイデアを出させるという重要な役割を持っています。どこの職場でも法令・規則・安全管理等​にかかる一定のコンプライアンスが存在します。それがきわめて厳格である場合は失敗の許容範囲は通常あまり大きくない範囲で収まります。一方規制も何もない完全に自由放任主義の場合は、行き着く先は裁判所、場合によっては監獄となります。コンプライアンスとカオスのどこか中間に部下の人たちが本当に創造的になるような​最適な環境のスイート・スポットがあるはずです。

 変革を行う場合には、我々は古いことを​やるにしても新手法で着手するか、あるいは何か完全に新しいことをやろうとしているのですから、いかなる変革においても、本質的には自分の快適領域から抜け出すことが求められます。部下の人たちに自分の快適領域から抜け出させるのには困難を伴います。より創造的なアプローチを求めているか、何か完全に新しいものを創造​しようとしているときには、いっそう困難が増します。どうしたら部下の人たちを勇気付けて新たな創造的なアイデアを出させることができるのでしょうか。ホワイト・ボードの前に立ってフェルトペンを手に掲げながらアイデアはありませんかと部下の人たちを催促するように眺め回すはきわめて一般的なやり方ですが、それはまさ​に最悪のやり方です。さらにわざわざ時間の節約のつもりでアイデアが出てくる都度批評を加えるのはそれこそ間違いなく革新を台無しにしてしまいます。

自分のいる組織の中をじっくりと見回してみましょう。あなた自身アイデアが浮かんでくるのをいかに盛り立てているのか、ブレイン・ストーミングをどのように行っているのかチェックしてみましょう。あなたのやっていることが場合によってはアイデアを創出する環境を阻害しているのかも知れません。これが気にかかるのでしたら、​お知らせください。当社では、いつもうるさい決まった3人からではなく、チーム全体からアイデアを出させるすばらしい仕組みを用意しています。

混沌としてい​る革新のプロセスでは失敗が発生します。理屈で理解するのはいかにも簡単ですが、あなたが責任者の立場にいたとしたら実際にはどのように対応するでしょうか。失敗や問題が発生したときの報告体制はどうなっているでしょうか。上司は問題に気づくのはいつも最後になり、みんながすでにそれを上手に取り繕った後ということに​なります。当該の問題がもはや隠しきれなくなって初めて真実が表に出てくるのです。いったい何故でしょうか。

工程違反を数多く報告している職場で、一部門が​ほとんど報告していない場合、違った角度から報告書を調べることになります。数多くの問題箇所の発生はコンプライアンス環境(拡大解釈すればあなたのリーダーシップ)が不十分であるように見えます。しかし、事実それはまったく逆の可能性があります。報告がほとんどない職場は悪いところを魔術のように隠蔽しているのかも​しれません。一方、他の職場では失敗を学習過程の一環であるとしてむしろ奨励しているかもしれません。絶えずアイデアや試行を奨励し、また失敗もアイデア創出プロセスの一部として真摯に原因分析のために報告することは問題発生件数からだけで判定されるのであれば落第と見られるかもしれません。我々は数字を超えた先を見​る必要があります。どのようなアイデア創出環境をリーダーが作っているのかが大切です。

しくじりをどのように歓迎すればよいのか、それはコンプライアンスと​狂気との間に線を引いて区別することになります。そしてどのようにそのミスに対処するのか、この二つは注意深くチーム全体で監視しなければなりません。そこに信頼の環境が備わっていれば、ミスは創造へ向けての変化の過程の一部であると受け止めてもらえ、アイデアは出てきたところですぐに批判されることもないだろうし、​そのためチームメンバーは自分たちのアイデアを提案することに安心感を持ちます。このような環境を築くことができるリーダーはまさに宝物です。周りを見渡してみて目に入るものはみな非難を帯びているような文化を持ち、しくじりに対して直ちに罰を与えるような環境で仕事をしてる場合は、あなたは、あなたの競争相手がミス​と革新との間で必要なうまいバランスを取らないでほしいとひたすら祈るほかないでしょう。もし競争相手が一定の時間内にうまく切り抜けてしまえば彼らの勝ち、あなたの負けです。

 

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