従業員エンゲージメント:日本でビジネスをする

人は会社から去るのではなく、上司から去るのです

当社のグローバルリサーチによると、エンゲージメントのレベルを決定する3つの重要な問題と、エンゲージメントを得るための1つの重要なトリガーポイントがあります。 この調査は日本でも実施しましたが、同じ傾向が見られました。スタッフと上司やボスとの関係は、高いレベルのエンゲージメントを得るための明白なポイントとなります。 あなたとチームの関係はどうですか?

 

能力や頭の良さに基づいて昇進してもらえた後で、自分たちとは違う人たちを率いていかなければいけないことに気づくことがよくあります。頭が良ければ十分だと考えるかもしれませんが、チームを率いてエンゲージすることに関しては、実際は私たちの EQ(心の知能指数)の方が IQ よりもはるかに重要です。新しいビジネスを始めるときはプレッシャーがあまりにも大きく、時間の管理がきちんとできず、自分たちが周りにいる人たちに与える影響を忘れてしまいがちです。彼らに感謝し、励まし、そして指導することを忘れてしまいます。

 

名言にあるように、人は会社から去るのではなく、上司から去るのです。多くの場合、実際には辞めずにそのままそこに残りますが、完全にはエンゲージしません。給料をもらうためだけにそこにいて、トラブルを避けるためだけに必要な最低限の仕事しかしません。

 

2 つ目の重要なポイントは、上層部によって定められる会社の方向性とのチームの関わりに関する信頼レベルです。上層部が、自分たちがしているかことを自分で把握しているのだということを、組織の一番下にいる人たちが信じることができればできるほど、エンゲージメントに対する影響力は大きくなります。これは単純なことに聞こえるかもしれませんが、トップにいる人々から最下位にいる人々までの社内コミュニケーションが必ずしも正しく機能しているとは言えないことはよくあります。従業員が「理由」を理解できていなかったら、会社が進んでいく方方向についていくのは難しいでしょう。私たちはビジョンとのミッション(目標)について十分に説明し、チームは理解したと思うかもしれません。実際にはそのようなことは稀です。従業員は 1 回言われただけでは分からないので、これらの主要なメッセージを何度も何度も口酸っぱく言い続けます。ミドル・マネージャーたちがトップからの主要なメッセージを説明するべきなのですが、それが行われていないことはよくあります。

 

彼らは情報をすべて頭に入れてはいるのですが、それを部下に伝えていないのです。最下位にいる従業員は、決定や方向転換の理由について十分に説明されていないために、そのことについて明確に理解していません。もう 1 つの面は、社内におけるプライドです。有名企業や大企業に勤めていると、自分の仕事に対して簡単にプライドを感じられます。しかし、中小企業の場合は、頑張ってそのプライドを創り出さなければなりません。現代企業では、社内のサイロ間の軋轢はよくあることです。しかし、これは市場の競合と戦うためのエネルギーと集中を奪ってしまいます。サイロのリーダーたちは、組織の他の部分について不満をこぼしますが、これは、組織内で強いエンゲージメントの感覚を築く上では助けとなりません。これはリーダーシップの弱点であり、リーダーシップは全体的な視野でチームをエンゲージさせる方法が分からないのです。私はある顧客から、市場における主要な競合が組織の秩序が乱れたために、もはやライバルではなくなったのに対し、自分たちは変化し、向上していたため、強力勢力となりつつあるという話を聞きました。これは完璧です。これらのライバルに対して、チームをまとめ、彼らのエネルギーと注意を刺激することができるのです。オフサイト・ミーティングを設ける、仕事の後に一杯飲んだあとに夕食をする、など、外部の敵に対して社内の人間同士の絆を深めるのを助けることなら何でもするとよいでしょう。

 

エンゲージメントを引きだすトリガー・ポイントは、尊重されていると感じることでした。誰しも自分の役割はせっせとこなしますが、全体像を見たときに自分たちがどこに位置するのかについては理解しているでしょうか。彼らの小さな仕事が違いを生むところこそ、彼らが違いを生むところなのです。事務的業務の多くは、自分たちがしていることは意味があるのだということをなかなか感じることはできません。私たちは、彼らがしていることが大切であり、彼らが大切であるということを全員に伝えて安心させるために、このような会話をする必要があります。問題の 1 つは、彼らがすでに知っているか、あるいは知る必要はないと考えるために、彼らに伝えることを忘れてしまう点です。自分でなんとかしろ、と考えるわけです。でも、彼らはできません。リーダーのコミュニケーション・スキルを通じて、彼らの大切さ、組織に対する彼らの価値を常に彼らに伝えて安心させなければなりません。時間がない環境で、私たちは 1 つのミーティングから次のミーティングへと移動する途中で、指示を矢継ぎ早に出していたりします。これでは誰ともエンゲージできません。尊重されているという感覚を与える話など、どこに行ってしまったのでしょう。あなたはすでにそうしていると思うかもしれませんが、それはまやかしです。簡単なセルフ・チェックを行い、あなたはこの組織で尊重されているべきチーム・メンバーとのコミュニケーションにどれだけの時間を費やしているか確認してみてください。

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