ビジネス達人の教え

#104:その“いい話”、もっと響かせられます

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その“いい話”、もっと響かせられます先日、あるピッチコンテストで数々のプレゼンをお聴きしました。
登壇された皆さんは、自社の取り組みについて情熱的に語られており、「伝えたい想い」が明確にあることがひしひしと伝わってきました。コンテストだけあってそのエネルギーには心を動かされるものがありました。
懇親会でピッチをされた方々に沢山練習されたんですか?とお聴きすると、こんな声がかえってきました。

• 「スライド作りには時間をかけたけれど、話し方までは準備できなかった」

• 「いつも話している内容だから、今回は特に練習せずに登壇しました」

• 「実は…直前に内容を変えたので、ぶっつけ本番でした」

これらの言葉から見えてきたのは、多くの方が「何を話すか」には熱心に時間をかけている一方で、「どう話すか」はそこまで重要視していないという現実です。これはピッチに限らず、日々のビジネスプレゼンでもよく見られる傾向です。

でも、それは裏を返せば、大きな伸びしろがあるということ。
「どう伝えるか」にも時間をかけることができれば、あなたの想いや価値提案は、より鮮やかに、より深く聴き手に届くようになります。


プレゼンテーションで本当に大切なのは、「限られた時間の中で、いかに聴き手にインパクトと影響を与えるか」ということです。
そのためには、話の内容だけでなく、時間配分や話し方の強弱、声のトーンやテンポ、間の使い方にも意識を向ける必要があります

私自身も、話す前に録音や録画を活用し、自分の声や話し方を客観的に見直すことを行います。これは単に「時間通りにうまく話す」ための練習ではありません。
「本当に伝えたいことを、自然な形で、余裕を持って届ける」ための準備なのです。

その上で大切になるのが、「選択と集中」。

すべてを盛り込むのではなく、伝えるべき核を見極め、短い言葉で聴き手の記憶に残る形に磨いていく。そしてそれを“自分の言葉”で語れるようになることが重要です。
そうすることで、自然と言葉に想いが宿るようになります。

同じ内容でも、想いが込もった言葉は、聴き手の心に強く残ります。

言葉に気持ちが宿り、熱が加わったとき、プレゼンはただの説明ではなく、聴き手との“共鳴”へと変わります。
プロフェッショナルとは、聴き手のために準備を惜しまず、伝える力を磨き続ける人です。

その“見えない努力”こそが、聴き手の信頼を生み、次の機会やチャンスを呼び込む大きな力になります。

ですから皆さん、次にプレゼンの機会は、「何を話すか」だけでなく、「どう話すか」にも、ほんの少しだけでも時間をかけてみてください。
そうすれば、あなたの想いを届け、相手の心を動かすプレゼンができます。

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