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社員の受け入れ、それとも辞職?

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日本では採用と人材のつなぎとめが合言葉になっています。私のことを良く知っている皆さんは、私がこの2年間、まもなく直面する若者不足の人口問題について話してきたことをご存じのはずです。昔は新規採用者の40%以上が研修後に会社を辞めていました。条件が良い会社に移ったわけですが、新しい会社もそんなに甘くないことに気づきます。現在の数字は30%台前半ですが、この数字は再び上昇していきそうです。

 
年度が始まる4月、全く同じ服装をした多くの若者が、大手企業の入社式で並んで座っているニュースを誰もが目にしたことがあるでしょう。もちろんこの光景はこれからも続きますが、日本の人事担当者の間では、若年層の中途採用が流行しそうです。
 
自分たちが引っ張りだこであることに気付くと、これまでよりも多くの若者が自分たちに投資してくれた会社を去るようになります。手数料が高くなくても、人数で補えるため、リクルーターは若年層の転職に多くの時間を費やし、数年おきに若年層を転職させます。日本のフリーエージ​ェント制の働き方の下でそれがトレンドになるからです。若年層を早期につかまえて転職させ、2、3年おきに手数料を取る。こういった状況の中で、企業戦略における「人材のつなぎとめ」の部分が重要です。つなぎ止め戦略をいつ開始し、誰を対象にすべきでしょうか?
 
若い社員の30%強を失うのが良いことだと考える中高年もいます。脱落者や問題児がいなくなるからです。彼らにとっては、一種の「世代掃除」です。おそらく過去にはそういう事例もあったかもしれませんが、今では代わりの人数が足りません。
 
企​業活動における人材のつなぎ止めは、若年層が入社に同意する瞬間から始まらなくてはいけません。大きな買い物について決断を下す際に、買い手が自分の判断を迷い始めることがあり、買い手の後悔はセールスの世界ではよく知られています。転職も大きな決断であり、応募者が入社に同意した後に迷うことがあります。彼らと接触​を続け、最良の決断を下したと安心させ続けることが必要です。
 
社員の給料を上げて現在の仕事にとどまってもらうより、人員を補うことが難しいことが明らかになるにつれ、現在の会社が反撃を強化することも予想されます。企業へのアドバイスですが、社員が​退職の意向を示してから給料を上げようとするよりも、先に給料を上げて退職を防ぐことです。退職者によって失われる時間と生産性、退職者が出たことによる社内の軋轢、後任者を見つけて受け入れるまでの負担、は高くつきます。
 
さて中途採用者がついに入社​しました。その通り複数形ではなく単数形です。中途採用者は何人かがまとめて入社せず、一度に一人だからです。大手企業では、人事部門が中途採用者の受け入れを行い、書類や研修などをアレンジします。現在の人事部門の慣行は一定の水準に達しているでしょうか? おそらく人事は何年も同じことをしており、プロセスはほと​んど自動的なものでしょう。しかし、人事の業務の質はどうでしょうか? 中途採用者を企業の懐に迎え入れる方法を最近見直した人はいるでしょうか? 最近入社した社員に、一連のプロセスをどう思ったか尋ねた人がいるでしょうか? 人材のつなぎ止め競争が始まっていることに気づいているなら、中途採用者の受け入れ方法を​細かく冷静に見直してみるべきです。
 
中小企業の場合、最も基本的なプロセス以外に中途採用者向けのプロセスがないかもしれません。給料の支払いや保険への加入を滞りなく行い、デスクや電話を割当てますが、これだけでは不十分です。中小企業の社長は多忙​で、中途採用者に十分な時間を割いていないかもしれませんが、時間の節約にならないエネルギー配分であり高くつきます。以前よりもっと社長の関与が欠かせません。社長をはじめ、会社の幹部を関与させる方法を見つけるべきです。中途採用者に会社の将来がかかっているわけですから、金の卵のように扱うべきです。
 
入社に先立ち、1日がかりの会社説明、自己学習、指導教育、研修を計画します。プランがあることを中途採用者に周知することにより、入社する会社の質が高いことが相手に伝わります。一度テンプレートを作成してしまえば、将来の中途採用者にも活用できます。テンプ​レートがないですって? となると、その場しのぎの対応ですぐに問題にぶつかるでしょう。
 
時間をかけて中途採用者の受け入れを計画し、忙しい幹部のスケジュールの合間を縫って、必要とされる会社説明時間を設けます。「中途採用者である自分を歓迎してく​れる充実した企業に入社した」という感覚を生み出すことです。最初がうまくいけば、中途採用者が定着する確率も格段に高くなります。第一印象が大事ですから、理想の姿を演出することが肝心です。
 

 

 

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