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オリンピック世代

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日本の若年層に変化が訪れています。すでに就労している人たちは、2008年9月のリーマン・ショックと2011年3月の地震、津波、原発事故の三重災害となった東日本大震災、そしてそれらが就職市場に与えた影響を覚えています。リーマン・ショックと東日本大震災で人生のもろさを目の当たりにしたこの世代は、雇用と家族の生活の安定を求めます。彼らは、低賃金に苦しみ、希望がなく、辛く厳しいパート従業員生活に転落した人たちの困窮ぶ​りを見てきました。

 
2016年では、25~34歳のわずか6.9%しか転職をしていません。2016年9月に独立行政法人 労働政策研究・研修機構が行った調査でも、90%近くが終身雇用制を支持しています。2004年ではこの数字はわずか65%でした。20代のうち、55%が将来ずっと同じ会社に勤務することを希望しています。2004年ではこの数字はわずか34%でした。
 
しかし、この後に続く世代はまた違ってくるでしょう。この世代は、2000年のシドニー・オリンピックの時期に​生まれた世代で、2008年のリーマン・ショックの記憶はほとんどなく、東北地方に関係がある人以外は、2011年の東日本大震災の試練もわずかに覚えている程度です。
 
そしてこの世代は、2020年の東京オリンピック後に大学を卒業します。その頃には​、パートタイムの仕事は、週38時間まで労働が許可される(フランスの労働時間よりも長い)中国人を中心とした、他のアジア諸国からの留学生によって占められるでしょう。また、無人電気自動車が走り、人工頭脳が飛躍的進歩をとげ、音声コマンドが活躍し、ロボットが横行し、モノのインターネットによって生活が制御される​ことでしょう。この年齢層の人口統計曲線は急激に下降傾向にあり、毎年数字が減少しており、2060年には現在の数字の半分になると予想されています。この世代に対する需要は非常に高くなるでしょう。現在、失業率は2.8%ですが、今後さらに減少すると思われます。複数の求人や採用通知が見込める自由なフリー・エージ​ェントとなるでしょう。
 
また、この世代は最後の塾世代となります。将来、大学の入学資格制度は崩壊します。絶対的なエリート校を除き、心臓の鼓動と現金のみが入学条件となります。東京は学生数を制限するでしょうが、それ以外の地方は無制限となります。​多くの大学が運営費不足に陥り、学生の誘致に必死となります。ミレニアル世代の次の世代のことをジェネレーションZと呼ぶ人がいますが、日本においては、私は「オリンピック世代」と呼んでいます。このオリンピック世代は教育に関してまったく異なる観点を持つでしょう。90%~95%がエリート大学を目指さなくなるため​、「入試地獄」はおおむね存在しなくなるでしょう。
 
日本では、多くの地方の企業では依然として中途採用者は忌み嫌われていますが、これは今後変わって行かなければなりません。単に人材を見つけられなくなるからです。さらに、こうした企業の構造は、夫が​働きに出て妻は子育てをするという古い戦後の家庭モデルの上に構築されているため、女性の待遇についても混乱しているようです。これもかなり近いうちに消えていくことでしょう。
 
この概念全体が変わって行く必要があり、勤務時間と退社時刻についてもっと​柔軟に対応できるようにならなければなりません。子供が病気になったら、父親が工具を置いて早退し、学校に子供を迎えに行くということは、まだあまり聞きません。 。そうなると、働く母親に負担がのしかかり 、それに協力しない企業は、支援体制の整った他社に彼女たちを取られてしまうという苦汁を飲まされることになるでしょう。
 
今日でも、まだ一部の国内企業ではLinkedInにプロフィールを載せている従業員に対して良い顔をしていません。このサイトは擬似求人掲示板としてスタートしましたが、今では無料の便利な情報源となりました。これがすべて積み重なって、​人材の流動性は加速することでしょう。
 
リクルーターたちが、若年就業者を必死に求める企業の需要に応えるため、あちこちで人材を探しています。転職の誘いは日常茶飯事となります。今のところ、経済学の基本に反し、労働供給不足が賃金上昇につながってき​ていません。でも、この状況も長くは続かないでしょう。このオリンピック世代は、強力な労働需要の経済的な恩恵を享受するのは確かです。
 
こうしたオリンピック世代に関するキーワードは「めんどくさい」で、彼らは正しく定義されたものに対して何でも抵抗​するため、企業はこの世代を指導していく上で苦戦することが予想されます。現在のミレニアル世代が彼らの直属の上司となりますが、この2つの世代間の文化的な違いは非常に大きいでしょう。
 
日本の中間管理職たちは、日本のあらゆる世代のリーダーたちが直​面してきた中で、最大の難問に直面することになるのです。この襲来に備えて適切なトレーニングが提供されないかぎり、待ち受けているのは悪夢です。この状況は、通常OJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)から引き出されるリーダーシップの答えでは凌げないでしょう。これはリーダーシップにおけるまったく未知の「素晴​らしき新世界」のことであり、このような不測の事態に対応するための道順などありません。
 
日本で誰かこのことについて考えている人はいますか?これまでの私の議論に基づいて言えば、答えは「ノー」と言えるでしょう。
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これを聞いたのは皆さんが最初です。「冬来たる」、です。
 
エンゲージされた社員は自発的です。自発性は刺激を与えます。刺激された社員はあなたのビジネスを成長させますが、はたして、あなたは彼らに刺激を与えているでし​ょうか?私たちはリーダーと組織に、どうやったら社員に刺激を与えるかを教えています。でもどうやって?お知りになりたい方はぜひ私、グレッグ・ストーリーにご連絡ください(greg.story@dalecarnegie.com)。
 
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著者について
グレッグ・ストーリー博士(Dr. Greg Story):デール・カーネギー・トレーニング・ジャパン、代表取締役社長
グレッグ・ストーリー博士は、これまでのキャリアの過程で、学問、コンサルティング、投資、通商代表、国際外交、リテール・バンキング、人材開発など様々な業界において、卓越した知識と技能を培ってきました。オーストラリアのブリスベンで育った彼は、国際政治学において博士号を取​り、活躍の場を日本に移した後も30年もの間、リーダーとしての責務を担ってきました。
 
未来のリーダーに欠かせない4つの分野:リーダーシップ、コミュニケーション、セールス、プレゼンテーションにおいて、在日米国・英国・欧州商工会議所発行の月刊誌​「The Journal」、「ACUMEN」、「EURO BIZ JAPAN」に記事を寄稿し、ビデオや「THE Leadership Japan Series」、「THE Sales Japan series」、「THE Presentations Japan Series」などのポッドキャストのコンテンツを多数発表するなど、生涯学習者として活動をしているソートリーダーでもあります。さらに、彼は人気のある基調講演者であり、エグゼクティブ・コーチであり、講師です。
 
1971年に糸東流空手に入門、現在空手道六段の彼は、「文武両道」を真言​として、武道哲学や戦略をビジネスの課題に活かしています。
 

 

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