#103:カルチャーとブランドが生む、持続可能な企業の力
ビジネス達人の教え
リーダーシップには、知識や技術の集合体を超えた「生き方」が反映されます。人を導くとは、明確な指示を出すことだけではなく、一人ひとりの中に眠る可能性を目覚めさせること。そして、それぞれの強みが共鳴し合う場を育むことです。
日本の多くのマネージャーは、組織を精密に運営し、計画どおりに進める力を発揮することに長けています。マネージャーの方々は業務が流れるように進み、トラブルを最小限に抑え、業績を上げる為に尽力してくださっています。このマネジメント能力がもたらす安心感と信頼は、組織にとって貴重な資産です。そこに、未来へのビジョンと人材育成の視点が加わると、マネジメントはリーダーシップへと進化します。
自然の世界は、変化とつながりを前提としています。流れる川、芽吹く木々、風にそよぐ葉。それらの一つひとつがそれぞれ関係し合いながら、全体の調和を保っています。組織もまた同様に、変化と個性を持つそれぞれの人と人とのつながりが重要で、それらは対話や共感によって育まれていくのです。
「カルチャー」とは、日々のやりとりや意思決定の中に息づく、目に見えない組織の原動力です。そこに創造性があり、感謝があり、対話があるとき、人の可能性は自然と花開きます。心理的安全性が担保された環境下で一人ひとりが、アイデアを持ち寄ることが当たり前になると、組織全体は活気づき、しなやかであるが故に力強くなっていきます。
「優れたブランド」は、企業の表面的なロゴやメッセージにとどまらず、働く人々の言葉やふるまいの中に宿ります。経営層がカルチャーを丁寧に育てると、社員一人ひとりが自分自身の「プロフェッショナル・ブランド」に誇りを持つのです。誠実に、創造的に、そして信頼を大切にしながら仕事に向き合う姿勢は、組織を超えて繋がる世界に影響を与えていきます。
組織の強さは、価値観の共有から始まるのです。その中でマネージャーの方々は大変重要なポジションを担います。その場所は経営層の戦略と、現場の思いが交わる場所になるです。組織内で対話を重ねながら全体の共通のビジョンに向かい導いていきます。その過程こそが、組織を一つにし、そして力強くするのです。
一人ひとりが、自らの価値観に沿って働き、組織のビジョン、ミッション、バリュー、そしてパーパスとの調和を感じているとき、その組織はまるで一つの生態系のように効率よく機能します。誰かの指示命令ではなく、共有された目的と相互の信頼が、人々をつなぎ、組織を自発的に動かしていきます。そう、それこそが個の時代の真に多様性が重んじられている、組織の在り方なのです!