ビジネス達人の教え

Episode 75: 話し始める前に聴き手の心をつかむ

ビジネス達人の教え



1993年1月31日、パセデナ。マイケル・ジャクソンがスーパーボウルに出演した時の事です。スモークの中から突然ステージに飛び出し、右を向いてマイケルたるポーズでピタリととまりました。そのポーズは1分8秒間に及びました。微動だにしません。一分8秒後、一転して左を向き、サングラスを取り、さらに20秒間同じポーズを取り続けます。10万人近いファンが熱狂するスタジアム全体を想像してみてください。その観衆を前に、言葉を発せず1分以上も動かずに立ち続けるには、とてつもない度胸と自己信頼が必要です。

先日のプレゼントレーニングでも、クライアントの方々と自分がプレゼンターとしてどう映るかというのを映像を見ながら検証していました。受講者の方々は、動画を停止して、静止画面に映る自分の立ち方を見ただけで、「自信がありそうに見えるか、一目瞭然ですね。」という感想をお話ししてくださいました。

私たちは、ビジネスプレゼンで、何を話すかに意識を向けがちですが、「一言も発せずに自分を表現してください。」と言われた時にどのようなメッセージを発しているかに意識を向けているでしょうか。

ビジネスプレゼンの場で、微動だにせずに1分以上も何もしゃべらずに立っているなんて、現実的ではないかもしれません。人の第一印象は数秒で決まると言われています。つまり、話し始める前に、その方の印象はだいたい決まっているのです。それと同時に、そのプレゼンターのお話への期待のレベルは、ほぼ決まってしまいます。

ビジネスの場で、マイケルの例を応用して、聴き手に期待を持たせるためにはどうしたらいいのでしょう? 指名されて前に出るときの足取りはいかがでしょうか。指名され、立ち上がる瞬間から、聴き手の視線はスピーカーに集まります。しっかりと立ち上がり、優雅に歩き、マイクの前に立ち、聴き手の拍手が鳴りやむまで落ち着いた表情で待つ。出来てますか?

緊張のあまり、会場には目も配らずに早口で話し始める姿は、聴き手の期待のレベルにはどのような影響があるか、、、考えただけでわかります。話の内容以前に私たちが発信する情報のウエーブは聴き手に届いているのです。

ぜひ、話す前に、しっかりと間をとり、聴き手と呼吸をあわせましょう。自分では不自然かな、、、と思われるくらいの間をとっても大丈夫です。

自分を整え、場を整えてから話すことで、話し始める前から、お互いの心が繋がるのです。

せっかく間をとり、期待感を高めた私たちのスピーチのオープニングは印象的でなければなりません。聴き手が私たちに集中し、最後まで話しを聴きたくなるような、力強いオープニングである必要があります。そのオープニングは、引用、統計、事実、または物語、ストーリーテリングであると有効です。瞬時に聴き手の頭の中にイメージの絵を描き始めてもらえる始まりにするのです。

最後に、普段から練習をしておくことは、とても大切です。何度も練習をすることで、贅肉がそぎ落とされ、心の余裕がむき出しになってくるのです。立ち上がるその瞬間から素のままで素晴らしい、素敵なプレゼンができるのです。

ですから皆さん、ノンバーバルなメッセージは常に駄々洩れであるということを肝に銘じ、自分のパーソナルブランドを確立することも意識していきましょう。聴き手と繋がり、さらに楽しいプレゼンの時間を聴き手と共にクリエイトする事ができます!

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