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Episode 124: 成功するニューリーダーになるには

ビジネスプロTV(セールス編)



「やる人」から「導く人」へ

これは言うほど簡単ではありません。なぜなら、多くの場合、私たちはプレイヤー兼マネージャーであり、自分自身のクライアントや担当業務も抱えているからです。問題なのは、他の人、つまり自分ほど賢くも、やる気も、スキルも、意欲もない人たちから成果を引き出すのがあまりに大変で、自分でコントロールできることに集中してしまうことです。つまり、自分の業務を続けてしまうのです。なぜなら、それが得意で、チームの中で重要な成果を出す存在になっているからです。
しかし、組織はどんどん期待を上げてきます。チームの他のメンバーは相変わらずのんびりしており、個人で出せる成果には限界があります。そうなると、目標を達成できなくなり、最終的に解雇されてしまいます。

この過程で、私たちは「チームからレバレッジを得る」という最も大切な部分を見逃しています。理想的には、私たちはオーケストラの指揮者のようであるべきです。指揮者は自分で楽器を演奏することはなく、指揮棒を振るだけです。そして、他のメンバーが全ての演奏を担当します。指揮者は演奏者の能力や可能性を理解するために多くの時間をかけ、チームワークを最高のレベルに保つために努力します。つまり、コーチング、対立の管理、エゴのコントロール、そして各メンバーが自発的に最高のパフォーマンスを出せるような環境づくりが求められます。

2. 人か?プロセスか?

コンプライアンスは、組織を安全に保ち、私たちが法的なトラブルに巻き込まれないためのルールです。ただし、これは非常に繊細なバランスです。ルールが厳しすぎれば、実験的な試みができなくなります。反対に管理が甘く、適切なコントロールがなければ、組織は破綻するリスクがあります。
では、安定と創造性のバランスをどう取ればよいのでしょうか?

頂上に至る道は1つではありません。私たちは、チームが自分たちで新しい道を発見できるようにしなければなりません。多くの場合、私たちのエゴが障害になります。「自分が上司なんだから、良いアイデアは自分が出さなきゃ」と思ってしまうのです。

さらに、「部下が優秀すぎると、自分が取って代わられるのでは?」と心配になるかもしれません。しかし、実際にはすべての組織がリーダーを求めています。もし私たちが“リーダーを育てられるリーダー”だと評価されれば、もっと大きな仕事や責任が与えられます。逆に、自分の後任が育っていなければ、私たちは今の役職に留められるでしょう。なぜなら、経営陣は安定を好むからです。

3. 「天才的なコーチ」になる

私たちは、昇進するまで、自分の仕事に長けており、自立して成果を出していました。しかしリーダーになった今、私たちの重要な仕事は、チームメンバーを今よりもっと優れた存在に育てることです。皆が同じことを同じやり方で繰り返していては、同じ結果しか出ません。結果を変えたいなら、私たちが変化を促すしかありません。

ただし、問題は、人は皆「変化は大事」と口では言っても、自分自身が変わることは嫌がるという点です。「上司が変わればいい」「会社が変わればいい」「市場が変わればいい」と思っていて、自分は今のままでいたいと望みます。

これは、コーチングによって人を変え、成長させるには非常に難しい土壌です。だからこそ、「説得力」というスキルの重要性に気づくのです。これまで私たちは自分だけに責任を負っていたので、この力は必要ありませんでした。しかし、今は違います。聴く力、説得する力を身につけなければ、何も変わりません。これは自然に身につくものではなく、学び、実践しなければならないのです。

最初にリーダーになった時、この3つの要素だけでも意識的に取り組んでみましょう。過去に昇進できた理由は、今後も通用するわけではありません。早くこの事実を理解し、行動に移すことが重要です。このビジネスの進化論的な世界で生き残り、成功したいなら、「新しい役割が求めるもの」をしっかりと学ぶ必要があります。

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