セールス

セールスの心構え

ソート・リーダーシップ・シリーズ ビジネス達人 #2 (セールス)

皆さんは、役立つ情報や格言などを自動配信してくれるサイトを購読していますか?先日、朝、受信トレイにこんな言葉が入っていました。

 

「人は、あなたがどれだけ親身になってくれるか知るまでは、あなたにどれだけ知識があろうと気にはかけないものである」

 

まさに、そのとおり!

 

他者との関係で本当に大切なことは何であるかということを思い出させてくれる言葉だと思いました。セールスに関わるすべての方々に、この言葉をお届けしたいと思います。

 

何かを売るということはとてもチャレンジングな事です。これは、セールスのご経験がある方なら、とても共感される事と思います。私たちのセールス・プレゼンテーションやフォロー・アップ・オファーもお客様に受け入れて頂くには、様々な工夫が必要と感じている方も多いのではないでしょうか。

 

セールスの皆さん、セールスの仕事を楽しんでいらっしゃいますか?

 

もちろん、製品や技術的な知識も、とても重要です。お客様は、セールス担当者なら当然詳細をすべて説明できるものと期待している部分が少なからずあります。確かにセールスに営業戦略や商品知識などは必要不可欠だと思います。このチャンネルをお聞きの皆様には、セールスとして、とても基本的で大切な事、多くのセールス方々が知ってはいるけれど、誠実に実践する事が難しいと異口同音におっしゃる事、そう、「セールスとして何にフォーカスするべきか」これを再度心に刻んで頂けたら嬉しいと思います。

 

皆さんは、パンフレットや商品一覧を見ながら、商品を紹介する事がセールスのお仕事になっているような方にお会いしたことがあると思います。自社商品に愛があるからこそ、熱を入れて説明したりお勧めしたくなるのかもしれません。「これはどうでしょう」「ここが素晴らしいです」「これも良いですよ!」「これはお値打ち品です!」など・・・。私達は「白」が欲しいのに、50種類の「素晴らしい緑色!」についてのラインアップや詳細について説明を受け続ける・・・。こんな場面に遭遇したことはありませんか?

 

このようなセールスの方々は、本当にお客様のことを理解するということに重点を置いているのでしょうか。お客様のメリットを最優先に考えて下さっているのでしょうか。「あなたの成功は私の成功です!」という気持ちを持っているのでしょうか・・・。彼らの目に映っているのは何なのか、敏感に感じてしまった経験がある方は多いのではないでしょうか。

 

私達はどのような担当者から買いたいと思うでしょうか。とても気に入った商品であっても、担当者の振る舞いで、なんとなく残念な気持ちや、極端な場合は怒りにも近い気持ちになった経験はありませんか。

 

冒頭の「人は、あなたがどれだけ親身になってくれるか知るまでは、あなたにどれだけ知識があろうと気にはかけないものである」という言葉から「心構え」という、素晴らしい、そして、とても誇らしい日本人の精神を連想させられます。この精神こそ、セールスに携わるお一人お一人が本来持っているべきなのではないでしょうか。

 

この日本独特の「心構え」を国際的な言葉に言い換えると「準備」または「決意」という事になるのかもしれませんが、日本に根付くこの「心構え」の本当の意味合いはそれよりももっと深いもののように思います。日本人であれば、武道、茶道など「道」に触れた事のない方でも、この言葉の持つ微妙なニュアンスについてはお分かりになると思いますが、私達、日本人が使う「心構え」は「精神を整える」という事に近いのだと思います。

 

「心構えを持つ」ということは、真の意図の最も根底にあるものを明らかにすること。英語で言うと「True North」つまり我々が純粋に意図していること、「本当に目指すもの」。私達の行動の指針となっている、「心のときめきは何ですか」。という事なのです。それは、「お金」でしょうか?それとも「真心」でしょうか。セールスとしての我々の利益ですか?それともお客様の利益ですか?長期的に続く関係ですか?それとも一度限りのお取引ですか?

 

セールスのみなさん、まずは「真の意図は何か」と、自分の心に問いかけてみましょう。そういうと、禅問答のよう・・・と思う方もいらっしゃるかもしれません。
ちょっと大げさすぎるかもしれませんが、今一度、この機会に、このように心に問いかけてみることをお勧めするには理由があります。お客様は、私達の真の動機が彼らのメリットを最優先に考えたものでないと感じたら、私達からは気持ちよく購入してくださらないからなのです。信頼、信用がとても大切なのです。

 

例えば、映画に出てくるような、言葉巧みにお客様の心を操るセールスの方を想像してみてください。お客様とは表面的な友好関係を築きますが、本当は自分や自社の利益で頭がいっぱいなセールスパーソン・・・。セールスという職業のイメージにも影響してしまいそうですね。

 

お客様にとってのメリットを最優先に考えることができれば、すべてのことを正しく行えるようになります。自分はどうしたらこのお客様のお役に立つことができるのかを完全に把握できるように、お客様に「しっかりと考えた質問をしていきます。」そして、お客様ご自身が、自分たちが求めているものはまさにこれである!と実感できるような「解決案を提示」していきます。お客様のためなら、賢明にお客様の不安を取り除き、我々の提案こそがお客様にとって必要なものであることを保証してあげるのです。そうすれば、お互いに自信を持って契約することができます。これがプロのセールスパーソンの在り方なのです。

 

セールスは、お客様にとって素晴らしい気づきを与え、サポートをし、背中を押し、お客様が望む彼らのあるべき姿へと導いているのです。私達の「True North」、つまり 真の目標にフォーカスします。「本当に目指すものは何か」を思い出しましょう。そして、自分自身のメリ ットよりもお客様にとってのメリットを純粋に気にかけていることを示せばよいのです。お客様にお会いするたびにこれを徹底すれば、セールスで成功し、さらに、強力なパーソナル・ブランドを築きあげることができるでしょう。そう、セール スは人を助ける素晴らしい職業と言えるのではないでしょうか!

 

デール・カーネギーは人間に最も必要な特質とは何か。

 

「それは友人を作る能力」と言っています。

 

お客様を自分の友人のように大切に想い、接する事。お客様の成功を祈る事。それが「セールスの心構え」とデール・カーネギーは言っていますが、それは100年経った今でも変わらない普遍性を持つ真実だと思います。セールスの皆さん、セールスは素晴らしい職業であることを祝福して参りましょう!!!

 

Dr. Greg Story

President of Dale Carnegie Tokyo Japan

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