多世代をリードするための4つのヒント

職場で4世代間のバランス取りをする

今日、マネージャーたちは職場で4世代間のバランス取りをするという、一筋縄ではいかない課題に直面しています。面白い実験として、従業員1人1人にコンピューターを使い始めたのはいつか尋ねてみてください。中年になってからと言う人もいれば、歩き始めた頃にはもう使い始めていたと言う人もいるかもしれません。世代が異なる従業員たちの様々なニーズや希望のバランス取りをするのは、終わりのない作業のように感じることでしょうが、実際、競争で優位に立つための武器となるのです。若い世代が古い世代のやり方を採り入れるのではなく、むしろその反対であるべきなのですが、このことは古い世代のマネージャーたちにとっては大きなプレッシャーとなることでしょう。今週は、多世代構成の職場を最大限に活用するための4つの方法について見て行きましょう。

 

1.各世代の一般的な特性を把握しましょう。

ベテランからミレニアムまで、どの世代も人格や目標を導いてきた模範となる人物がいたり、人生を形成してきた経験を持っていたりしますが、それぞれ大きく異なります。他の世代と仕事をする上で重要なのは、彼らの価値と原動力を知ることです。ベテランは、古風で規律を重んじ、論理的に見えるのに対し、ジェネレーションXは、自主的で形式にとらわれず、伝統に懐疑的に見えるかもしれません。世代間で異なる価値が存在するということを認識することが重要ですが、一般化を避けることも必要です。人はみな、それぞれ個性があり、また規則には例外が出てくるものです。各世代について発見したことは青写真ではなく、指針として受け止めるべきで、つまり、仕事の詳細のみでなく、チームとのコミュニケーションに時間をかけるようにし、表面的な面にとどまらず、彼らの価値は何か、何を願い、何を恐れるのか、探ってみましょう。

 

2.様々な視点を集めて1つの力にしましょう。

職場で世代ごとの特性を確立したら、こうした多様性を活用します。1つのやり方で物事を進めていると、やがて停滞につながり、組織の適応能力に限界が生じることがあります。難しい問題を解決するのに、若い世代からは新しい考え方や革新的な方法が上がってくるかもしれないのに対し、ベテランからは良いアイデアと悪いアイデアを区別するための知恵や経験を期待することができます。様々な視点を集めることで、他人にとって明らかであるかもしれない盲点を回避することができます。各世代から最低1人ずつが参加するミーティングやブレーンストーミングの機会を設けましょう。人は最も快適に感じる人たちとチームを組む傾向がありますが、これにより、チーム全体が自分自身とよく似てしまうという結果を招きかねません。これでは、多様性が十分に確保されず、「集団思考」に陥る恐れがあるため危険です。

 

3.世代ごとに的を絞ったフィードバックを与えましょう。

各世代にフィードバックを与える場合の一般的な注意点をいくつか紹介します。

  1. ベテランの場合。「便りのないのは良い便り」。ベテランはフィードバックを求めたり、期待したりしませんが、彼らが力を発揮したときにそのことを認めると感謝されます。
  2. ベビーブーマーの場合。「フィードバックは1年に1度、書面で行うこと」。ベビーブーマーたちは、年次評価以外のフィードバック、特にポジティブなフィードバックは期待しません。
  3. ジェネレーションXの場合。「すみません、フィードバックをいただけますか」。ジェネレーションXは、自分たちのやり方が正しいかどうかを確認し、モチベーションを維持するためにフィードバックを求めます。
  4. ミレニアムの場合。「私が欲しいときにだけフィードバックをください」。ミレニアムは、絶えずフィードバックや意見、称賛をもらうことに慣れており、彼らのやっていることが正しいか、または誤っているかを知らせる必要があります。

古い世代のマネージャーにとっては若い世代は「世話がかかり」、自己中心的に映るかもしれません。でも、こうした特性を「直そう」としても無駄です。あなたに似させようとするのではなく、彼らの強みを活かす方がより効果的です。ポイントは、彼らの強みを誤まりではなく、違いとしてとらえると良いでしょう。

 

4.従業員を動機付け、コーチングを行いましょう。

違いはありますが、どの世代も能力を発揮するのに何らかの動機付けやコーチングが必要です。誰しも、マネージャーとのポジティブな関係や刺激のある仕事、認識と評価、成長の機会、競争力のある報酬、健康的なワークライフ・バランスを求めるものです。コラボレーションを促進するのにメンタリング・プログラムはとても効果的なので、違う世代の人たちをいろいろ組ませてみて、効果的な組み合わせを見つけましょう。たとえばベテランとミレニアムの場合だと、ベテランは長年培った知恵と経験が持っているのに対し、ミレニアムは新しいテクノロジーを学び、教えるのが上手です。

総合的なチームの最良の点を引き出すという難解なプログラムのコードを解読できた組織が最も成功します。それには若い世代の能力を発見し、最も効果的なコミュニケーションのパターンを見つけなければなりません。将来、仕事はますます複雑化して行きますが、マネージャーはそれに適応していく方法を学ぶ必要があります。

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