営業における潜在価値の発掘 — 日本企業が既存資産を最大化すべき理由
はじめに
営業では「価値創造」がよく語られますが、実際には目の前にある資産を十分に活用できていない企業が多く見られます。日本で1963年以来営業研修を行ってきたデール・カーネギーは、同じ課題を繰り返し見てきました。それは「既存資産の未活用」です。ここでは改善のヒントを紹介します。
なぜ営業は同じパターンに陥るのか?
習慣の繰り返しは効率を高めますが、思考を狭めることもあります。営業担当者は一つのソリューションに偏りがちで、新しい価値の提供を見落とします。継続的な学習が、この固定観念を打破する鍵です。
ミニサマリー: 生涯学習は営業の思考を広げ、潜在価値を見つける助けとなる。
既存コンテンツはどう活用できるのか?
多くの企業は動画や音声、資料を十分に活かしていません。動画から音声を抽出し、文字起こしや翻訳を行えば、ニュースレター、研修教材、営業ツールとして再利用できます。さらに Wistia などのプラットフォームで自社配信すれば、顧客が競合のYouTube動画に流れるリスクも防げます。
ミニサマリー: コンテンツ再活用は価値を倍増させ、顧客を自社エコシステムに囲い込む。
バンドル化は顧客関係をどう強化するのか?
一回限りの取引ではなく、複数サービスをサブスクリプション形式で提供することで、継続的な収益と高い切替コストを実現できます。これにより競合への流出を防ぐ「顧客の堀」を築けます。
ミニサマリー: バンドルと定額契約は長期的パートナーシップを強化する。
どうすれば顧客の摩擦を減らせるのか?
顧客は常に時間不足です。トヨタのかんばん方式のように、購買や管理の負担を軽減する仕組みを提供することで、大きな価値を生みます。営業は「自社製品をどうすれば買いやすく、使いやすくできるか」を考えるべきです。
ミニサマリー: 顧客側の摩擦を減らすことで、価値と信頼が強化される。
営業リーダーが持つべき発想転換とは?
新しい商品を作るのではなく、既にある資産を新しい形に変換する力が重要です。リーダーは営業チームに潜在資産の活用を習慣化させる必要があります。
ミニサマリー: 日本の営業成功は、隠れた資産を新しい価値に変える発想転換にかかっている。
要点
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多くの企業が既存資産を十分に活用していない。
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コンテンツ再利用は競合流出を防ぎ、価値を最大化する。
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バンドルとサブスクリプションは長期取引を確保する。
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顧客の摩擦を減らすことで信頼と継続性を高められる。
デール・カーネギー東京について
デール・カーネギー・トレーニングは、1912年米国創設以来、リーダーシップ、セールス、プレゼンテーション、エグゼクティブ・コーチング、DEIなど、世界中で100年以上企業と個人を支援してきました。東京オフィスは1963年設立、日本企業と外資系企業の成長を支え続けています。