聴衆を知らずに話すな — 失敗するプレゼンの典型と成功の秘訣
優秀な専門家でも、聴衆を理解していなければプレゼンは失敗します。
先日の商工会議所のイベントで、二人のエコノミストが登壇しました。
内容は悪くないはずなのに、なぜか共感を得られない。
それは、「誰に向けて話しているか」を見誤っていたからです。
なぜ聴衆分析はプレゼンの成否を分けるのか?
プレゼン前にすべき最初の仕事は、会場にいる人を知ることです。
業種、役職、企業規模、経験年数。これらを把握すれば、話すレベルや例え話を調整できます。
私は会場で多くの参加者と名刺交換をし、誰が聴いているかを把握しました。
しかし、スピーカーたちはVIP席に座り続け、開演まで誰とも交流せず。これでは共感は生まれません。
ミニサマリー:
プレゼンは話す前から始まっている。聴衆を知ることで、共感の土台ができる。
聴衆を知らないと何が起こるのか?
二人の話は、アジア各地で使い回している“テンプレート”でした。
最初の登壇者は堂々としていましたが、動きに意味がなく、目線も定まらず、内容も新鮮味に欠けていました。
聴衆は「聞いたことある話だな」と感じ、価値を見出せませんでした。
ミニサマリー:
プレゼンは「汎用性」ではなく「現場適応力」で評価される。
ステージ上での動きに“意味”を持たせる方法とは?
動くこと自体が目的ではありません。
3つの位置を意識して使い分けましょう。
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後方: 大きなテーマ(マクロ)を語るとき。
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前方: 個別の話(ミクロ)を強調するとき。
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中央: 基本ポジション。
意味のない動きは集中を乱します。逆に、動きを意図的に使えば、聴衆の注意を自在にコントロールできます。
ミニサマリー:
動く理由を持つ。無意識な歩きはメッセージを弱める。
アイコンタクトがもたらす“リアルな反応”とは?
初のスピーカーは、会場全体を見ているつもりで、実は誰も見ていませんでした。
本当のアイコンタクトは、1人につき約6秒間しっかり視線を合わせること。
その瞬間、相手が理解しているかどうかが目でわかります。
2人目のスピーカーも同じミスを犯し、略語だらけのスライドで聴衆を置き去りにしました。
ミニサマリー:
視線は聴衆理解のセンサー。見ることで、伝わり方が変わる。
2人のスピーカーから学ぶべき教訓とは?
2人とも経験豊富で自信もありましたが、結果は“空回り”。
なぜなら、聴衆とのつながりを軽視していたからです。
わずかな工夫で変わります。
会場との交流、意図ある動き、6秒の視線。
これだけで、印象も成果も劇的に変わります。
ミニサマリー:
話し手の本当の力は「知識」ではなく「共感力」で測られる。
要点まとめ
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会場に早く入り、聴衆と挨拶・交流をする。
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内容は「使い回し」ではなく、その場に合わせて調整する。
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ステージ上の動きには意味と戦略を持たせる。
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6秒のアイコンタクトで理解度を確認する。
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話す前に“つながり”を築くことが最大の成功要因。
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デール・カーネギー・トレーニングは、1912年米国創設以来、リーダーシップ、セールス、プレゼンテーション、エグゼクティブ・コーチング、DEIなど、世界中で100年以上企業と個人を支援してきました。東京オフィスは1963年設立、日本企業と外資系企業の成長を支え続けています。