プレゼンテーション

EARフォーミュラで賛同を得る — 聴衆を動かすプレゼンの心理戦略

せっかくの提案が、話し始めた瞬間に却下された経験はありませんか?
多くのプレゼンターは、最初に「お願い」や「提案」を伝えてしまいます。
しかし、それが聴衆の“防御反応”を引き起こします。
この壁を突破するのが、説得の武器 EARフォーミュラ です。

EARフォーミュラとは? なぜ効果があるのか?

EARとは、E = Event(出来事)/A = Action(行動)/R = Result(結果) の略。
最初に“提案”ではなく、“背景”から始めるのがポイントです。
人は、結論を押しつけられると反発しますが、プロセスを理解すると自然に納得します。

ミニサマリー:
結論からではなく「背景」から始める。理解が同意を生む。

なぜ多くのプレゼンは失敗するのか?

多くの人は「まず言いたいこと」を口にしてしまいます。
ビジネス文書なら理屈が伝わりますが、ライブの場では感情が先に動きます。
EARフォーミュラは、聴衆に“理解の順序”を与えることで、反発ではなく共感を引き出します。

ミニサマリー:
「お願い」ではなく「共感」から始めると、相手は聞く姿勢になる。

「E(出来事)」をどう語るか?

まず、自分がそのアイデアを得た瞬間を簡潔に描写します。
たとえば:

  • 季節感(「真冬の朝に」「蒸し暑い夏の日に」)

  • 場所(「本社の会議室で」「大阪工場の現場で」)

  • 登場人物(「営業チームの佐藤さんが…」)

聴衆が頭の中で情景を思い浮かべられるように話すことがポイントです。

ミニサマリー:
場面を描くと、聴衆は“その瞬間”を一緒に体験できる。

「A(行動)」はどう提示する?

背景を伝えたら、次はひとつの行動だけを明確に提案します。

「この分析結果から、来期に試作を始めることを提案します。」
複数の要請は混乱を招きます。フォーカスを一つに絞りましょう。

ミニサマリー:
求める行動は一つだけ。明確さが決断を生む。

「R(結果)」で心をつかむには?

最後は、最もインパクトのあるひとつの成果を提示します。

「試作が成功すれば、初年度で売上が30%伸びます。」
たった一つの“ビッグベネフィット”を提示し、余韻を残す沈黙で締めます。

ミニサマリー:
複数の利点より、一撃の成果を。沈黙が説得力を増す。

Q6. なぜEARは“説得の合気道”なのか?

EARの最大の強みは、相手の抵抗を避けることにあります。
背景(Event)は誰も否定できません。
聴衆はあなたのストーリーを共有し、同じ文脈で考え始めます。
その結果、あなたが導いた結論に自然とたどり着くのです。

ミニサマリー:
説得とは押すことではなく、導くこと。EARがそれを可能にする。

要点まとめ

  • 提案を最初に出さず、背景から導く。

  • E-A-R(出来事・行動・結果) の順で構成する。

  • 感情を動かす情景描写で共感を得る。

  • 提案は1つ、成果も1つに絞る。

  • EARは、相手の防御を解く“心理的合気道”。

EARフォーミュラを使って、あなたの提案が「通る」プレゼンへ。

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