ビジネスを動かす「物語力」── ストーリーテリングが最強の伝達スキルである理由
善意、高い理想、使命感。
それだけでは、人は動きません。
なぜなら、伝える力=物語の力が欠けているからです。
「ストーリーテリング」という言葉を聞くと、子どもの絵本を思い浮かべる人も多いでしょう。
しかし、ハリウッド映画も政治の演説も、すべては“物語”で人を動かしています。
ミニサマリー: ストーリーテリングは子ども用ではない。ビジネスの最強の武器です。
なぜビジネスパーソンは物語を避けるのか?
理由は単純です。簡単すぎるように見えるから。
多くの人が「フレームワーク」や「理論モデル」など、複雑な説明を好みます。
でも、複雑さは賢さではなく、伝わらなさの証。
シンプルな物語ほど、人を動かします。
ミニサマリー: 賢そうに見えるより、伝わるほうが強い。
ビジネス・ストーリーが持つ真の力
良いストーリーは、感情と論理を同時に動かす。
色、行動、人物、場所などを描写し、聴き手の脳内に情景を描かせます。
情報ではなく「体験」として伝えるのが、ストーリーテリングです。
ミニサマリー: 聴衆の頭の中に映像を浮かばせよう。
ビジネス5ステップ・ストーリーテリング法
ストーリーで人を動かすための5ステップ:
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なぜ重要か(Why)
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何を知るべきか(What)
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どうすればいいか(How)
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もしもの不安を消す(What If)
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行動ステップを示す(Action Steps)
Step 1: 「なぜ」が最初に来る
現代人の頭の中は、メール・SNS・仕事・家庭のことでいっぱい。
だからこそ最初の一言で心を掴む必要があります。
「丸の内の取締役会議室の空気は重く沈んでいた。ジムが立ち上がると、全員の視線が彼に集まった…」
最初の数秒で“次を聞きたい”と思わせましょう。
ミニサマリー: あいさつより、ドラマで始めよう。
Step 2: 「何を」伝えるか
聴き手がまだ知らない情報、視点、データを提示します。
今日の聴衆は常に疑い深い。数字や事実を使って信頼を得ましょう。
ミニサマリー: 情報ではなく、信頼を届ける。
Step 3: 「どうやって」実現するかを見せる
やるべきことを、見える化して説明します。
「大手町オフィスの壁一面に、赤・青・緑の線が張り巡らされた巨大フローチャートが貼られていた…」
具体的な描写は理解を深め、行動を促します。
ミニサマリー: 聴き手に“映像”を見せるように話す。
Step 4: 「もしも」に先回りする
反論や疑問は、物語の中で解消します。
「ロンドン本社では『データが古いのでは?』という声も上がった。しかし、毎週のテストで仮説を更新していた。」
これで安心感を生み出せます。
ミニサマリー: 不安を語り、不安を消す。
Step 5: 「行動」を明確に伝える
最後に、短く覚えやすいステップで締めます。
「虎ノ門ヒルズでの打ち上げの後、5つのアクションが決まりました。順番に…」
数字で区切ると、記憶に残りやすくなります。
ミニサマリー: 3・5・7の法則で記憶に残す。
要点まとめ
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ストーリーテリングは「感情+論理」で人を動かす。
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複雑な理論より、シンプルな物語。
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「Why」から始まり「Action」で終わる構成を。
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反論を物語の中で解決し、信頼を築く。
物語を語る人は、情報を伝える人ではなく、人を動かす人です。
聴衆の心を動かし、行動を起こさせる「ビジネス・ストーリーテリング」を学びたい方へ。
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デール・カーネギー・トレーニングは、1912年米国創設以来、リーダーシップ、セールス、プレゼンテーション、エグゼクティブ・コーチング、DEIなど、世界中で100年以上企業と個人を支援してきました。東京オフィスは1963年設立、日本企業と外資系企業の成長を支え続けています。