リーダーシップ

「自分でやったほうが早い」はリーダー最大の失言 ― デリゲーションとはコーチングの別名である

リーダーが口にしてはいけない最も危険な言葉

リーダーが最も言ってはいけない七つの言葉:
👉 「自分でやったほうが早い。」
いいえ、早くありません。
それは効率ではなく自己破壊の始まりです。
すべてを自分で抱え込めば、家族との時間も健康も、そして本来のリーダーシップも失います。
リストを書き出せば分かります――あなたは働きすぎていて、導いていないのです。

ミニサマリー:
「全部自分でやる」は早道ではなく、遠回りである。

なぜリーダーはデリゲーションを恐れるのか?

多くのリーダーは「任せるべき」と分かっていても、過去の失敗がトラウマになっています。
原因はシンプル――「任せる」と「丸投げ」を混同しているのです。
上司が「これ頼む」とだけ言って厚いファイルをドンと置く。それはデリゲーションではなく**ダンピング(丸投げ)**です。
デリゲーションとは「計画的に」「相手を育てる」行為。
仕事を減らすだけでなく、人を増やす力を持っています。

ミニサマリー:
デリゲーションが失敗するのは、やり方が間違っているだけ。

成果を生むデリゲーション ― 8ステップ実践法

① ニーズを明確にする

どの仕事を任せられるか?そして理想の成果とは何か?を明確にします。

② 適任者を選ぶ

「誰が暇か」ではなく「誰の成長につながるか」で選びます。
任せることは人を育てる投資です。

③ デリゲーション・ミーティングを計画する

場当たり的に任せない。以下を整理して臨みます:
1️⃣ 期待する成果
2️⃣ 現状と障害要因
3️⃣ 達成可能かつ挑戦的な目標設定

④ デリゲーション・ミーティングを実施する

  • 相手の目標を理解し、目的を共有する。

  • 成功基準と強みを明確にする。

  • 時間・予算・人員の制約を伝える。

  • パフォーマンス基準を定義する。

⑤ 行動計画を立てる

計画は上司ではなく本人が立てる
これにより、責任感と自主性が生まれます。

⑥ 計画を確認する

同じ理解を共有し、次のステップを合意します。

⑦ 実行を支援する

障害を取り除き、必要な「空のカバー(Air Cover)」を提供します。

⑧ フォローアップする

過干渉せず、定期的に進捗を確認。驚きを最後に残さない。

ミニサマリー:
任せるとは、手放すことではなく、導くプロセスである。

なぜ多くのリーダーはこのステップを実践しないのか?

理由は「③と④のステップ(計画と対話)」に時間がかかるから。
しかし、それを省略することこそ最大の時間の無駄です。
デリゲーションは時間を奪うのではなく、時間を生み出す仕組みです。
そして本質的には――デリゲーションとはコーチングそのものです。

ミニサマリー:
任せる勇気が、時間と人を生む。

要点整理

  • 「自分でやるほうが早い」はリーダーの墓穴。

  • 丸投げ(Dumping)と任せる(Delegation)は全く違う。

  • 8ステップで任せ方を体系化する。

  • デリゲーションは人材育成と時間創出の両立。

  • デリゲーション=コーチングという意識改革が必要。

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デール・カーネギー・トレーニングは、1912年米国創設以来、リーダーシップ、セールス、プレゼンテーション、エグゼクティブ・コーチング、DEIなど、世界中で100年以上企業と個人を支援してきました。東京オフィスは1963年設立、日本企業と外資系企業の成長を支え続けています。

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