リーダーの5つの「権力タイプ」 — あなたはどのタイプの上司ですか?
権力を手にした途端、人が変わる上司を見たことはありませんか?
部下を支配する人もいれば、周囲を鼓舞する人もいる。
リーダーと権力の関係は、強力なエネルギー源にも、有害な毒薬にもなります。
ここでは、リーダーが持つ5つの権力タイプを解説します。あなたはどのタイプでしょうか?
権威型リーダー(Authority Power)とは?
「肩書き」で人を動かそうとするタイプです。
地位を誇示し、規則遵守を盾に部下を押さえつける。
日本の組織文化では今も多いスタイルですが、創造性と心理的安全性を奪います。
ミニサマリー:
肩書きは尊敬を生まない。権威の乱用は信頼を失う。
強制型リーダー(Coercive Power)とは?
恐怖で支配するタイプ。
外部から来た新任上司が「不要な人材探し」を始め、反対者を排除するケース。
人事制度や「パフォーマンス改善計画(PIP)」を武器にして人を追い出す。
短期的には従うが、長期的な信頼は崩壊します。
ミニサマリー:
恐怖は従順を生むが、忠誠は生まない。
専門型リーダー(Expert Power)とは?
知識・経験・実績で尊敬を集めるタイプです。
自信があり、他人を見下す必要がない。
言葉ではなく、成果で信頼を築きます。
静かなカリスマであり、フォロワーを自然に惹きつけます。
ミニサマリー:
本物の知識は、人を支配せず導く。
報酬型リーダー(Reward Power)とは?
見返りで人を動かすタイプです。
「これをやってくれたら昇進」「従わなければ外す」など、取引型の関係を築く。
結果として、イエスマンとお追従ばかりが残り、組織の成長は止まります。
ミニサマリー:
報酬は目的でなく、信頼の結果であるべき。
模範型リーダー(Role Model Power)とは?
理想のリーダー像です。
誠実さ、カリスマ性、EQ(共感力)、そして明確なビジョンを持つ。
「言葉」ではなく「行動」で人を動かす。
部下は「ついていきたい」と自然に思います。
ミニサマリー:
信頼は、押しつけではなく魅力で生まれる。
5つの権力をどう使い分けるか?
優れたリーダーは状況に応じて使い分けます。
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権威で秩序を保ち、
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必要なときに毅然と対応し、
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専門性で導き、
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報酬で励まし、
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模範として人を惹きつける。
大切なのは「権力そのもの」ではなく、使う意図と自覚です。
ミニサマリー:
権力は中立。使い方が人格を映す。
自分がどう見られているか、知っていますか?
リーダーには「見えない盲点(ジョハリの窓)」があります。
自分では気づかない欠点を、部下はよく見ています。
360度フィードバックで指摘された「不当なコメント」にも、学びの種があります。
「部下がついてこない」理由を外ではなく、自分の内に探しましょう。
ミニサマリー:
耳の痛い言葉こそ、リーダーを成長させる鏡。
要点整理
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権力はリーダーの人格を試すリトマス試験紙。
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権威・強制は組織を壊し、専門性・模範は信頼を生む。
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報酬を使うときは「公平さと透明性」が命。
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盲点を認識し、フィードバックを受け入れる勇気を持つ。
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本当のリーダーシップは「従わせる」ではなく「共感で導く」。
「力で支配する上司」から「信頼で導くリーダー」へ変革しましょう。
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