リーダーの「アキレス腱」4つの盲点 — 信頼を失うリーダーの共通点とは?
アキレスの名を知らない人はいないでしょう。
母が彼を冥界の川ステュクスに浸し、不死身にしたというギリシャ神話の英雄。
しかし、彼女の指で覆われていた「かかと」だけが弱点として残りました。
リーダーにも同じように「見えない弱点」があります。
ジャック・ゼンガー博士の研究によると、リーダーのアキレス腱は4つ。
本人には見えないが、部下にはすべて見えている。
部下は「上司観察のプロ」なのです。
1. 誠実さの欠如(Lacking Integrity)
多くのリーダーは自分を「誠実」だと思っています。
しかし、部下がそう見ていなければ意味がありません。
方針に従わず独断専行したり、「言うこと」と「やること」が違う。
ミスを認めず、言い訳を重ねる。これが信頼を蝕みます。
「言葉」ではなく「行動」で誠実さを示すことが本当のリーダーです。
ミニサマリー:
誠実さは宣言ではなく、日々の行動で証明される。
2. 責任逃れ(Not Accountable)
成果が出ないと、他部署や環境のせいにしたくなる。
「ITが悪い」「営業が足を引っ張っている」「道具が足りない」。
そうやって自分を守っている限り、信頼も成長もありません。
360度評価のフィードバックを「的外れ」と切り捨てる上司は危険です。
ミニサマリー:
言い訳は自分を守るが、信頼を失う。責任はリーダーの盾である。
3. 自分中心すぎる(Over-Focused on Self)
昇進したい、評価されたい——その気持ちは誰にでもあります。
しかし、他人の成功を脅威と感じ始めたら危険信号。
部下を育てず、ライバルを妨害するようになったら、組織の未来は閉ざされます。
本当のリーダーは、他者の成功を支える人です。
ミニサマリー:
不安なリーダーは力を独占し、自信あるリーダーは力を分かち合う。
4. 魅力の欠如(Uninspiring)
自分では「人を鼓舞している」と思っていても、
実際には沈んだ声、曖昧な指示、暗い表情で周囲を冷めさせているかもしれません。
「なぜやるのか(WHY)」を語らずに仕事を丸投げすれば、部下は動きません。
ミニサマリー:
人は「情熱」に引き寄せられる。無気力な上司に部下はついていかない。
真実と向き合う唯一の方法:フィードバック
盲点を克服する唯一の手段は、フィードバックです。
耳が痛く、苦い薬のようなものですが、飲まなければ治りません。
組織から“通告”を受ける前に、自らの意思で改善を始めること。
それが成熟したリーダーの姿勢です。
ミニサマリー:
痛みを恐れるリーダーは成長できない。真の強さは自己認識にある。
要点整理
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リーダーのアキレス腱は「誠実さ・責任感・自己中心性・影響力不足」。
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部下は上司の弱点を見抜いている。
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言い訳と否定は信頼を壊す。
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改善の第一歩は「痛みを受け入れる勇気」。
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フィードバックを恐れないリーダーが、組織を成長させる。
「見えない盲点」を成長の原動力に変えましょう。
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