リーダーシップ

プレイヤー兼リーダーの危険地帯 — 「自分でやる」と「人を動かす」のバランスをどう取るか

努力が認められ、初めてリーダーに昇進。
しかし、そこからが本当の試練の始まりです。

かつての同僚が部下となり、同時に自分の顧客対応や売上責任も残る。
つまり、**「プレイヤー」と「リーダー」の両立という難題に挑むことになります。
このバランスを誤ると、あなたは知らぬ間に
危険地帯(Danger Zone)**へ入っていきます。

1. プレイヤーリーダーの罠

日本の多くの新任リーダーは「完全な管理職」にはなれません。
自分の業務と部下のマネジメント、両方を抱えたまま走り続けます。

コントロールできる自分の仕事に集中し、部下の育成を後回しにする。
それが最初のつまずきです。

ミニサマリー:
「自分でやる」安心感が、「人を動かす」成長を妨げる。

2. 昇進の裏側で起きる人間ドラマ

昨日までの同僚が、今日からは部下。
その瞬間、嫉妬や反発が生まれます。
中には、あなたの失敗を密かに望む者も。

結果が下がり始めると、あなたは再び自分の仕事に没頭します。
しかし、それこそがリーダーシップ崩壊の第一歩です。

ミニサマリー:
チームと競う上司は、チームを導けない。

3. リーダーの4つの使命

リーダーの仕事は書類承認や勤怠管理ではありません。
本質は次の4つにあります。

  1. 戦略を描く(Strategy)

  2. 文化をつくる(Culture)

  3. 仕組みを整える(Machine)

  4. 人を育てる(People)

部下時代は上司に導かれていました。
今度はあなたが導く番です。

ミニサマリー:
昇進は「実績のご褒美」ではなく、「人を育てる使命」です。

4. リーダー教育の欠落

多くの新任リーダーは、必要な教育を受けていません。
そのため、技術的スキルに頼り続け、人を動かすスキルを磨かない。

リーダーシップは才能ではなく、学習によって育つスキルです。
読書・研修・コーチングなどで自ら学ぶ姿勢が不可欠です。

ミニサマリー:
スキルが昇進を生み、学びが地位を守る。

5. 短期成果 vs 長期視点

上司は短期成果を求め、部下は目の前の仕事に追われる。
その中で、長期的視野を持つのがリーダーの役割です。

同じやり方を続けていては、同じ結果しか得られません。
新しい発想と挑戦を生み出す時間を確保しましょう。

ミニサマリー:
短期の数字より、長期の成長を。

6. 「3年で交代」リーダーの現実

部下を育てず、自分で抱え込み続けるリーダーは限界がきます。
結果が出なくなれば、会社は交代を選びます。
こうして、「3年で交代」サイクルが繰り返されるのです。

ミニサマリー:
真の危険は失敗ではなく、「成長しないこと」。

7. 双方向の投資が未来をつくる

企業は新任リーダーを育成し、リーダー自身も自分に投資すべきです。
どちらか一方が怠れば、組織もキャリアも衰退します。

ミニサマリー:
会社が育て、本人が学ぶ。
この両輪が動かなければ、誰も前に進めない。

要点整理

  • プレイヤー兼リーダーのバランスが最大の課題。

  • 嫉妬・対立・無教育が成長を妨げる。

  • リーダーの本質は「戦略・文化・仕組み・人材育成」。

  • 学び続けるリーダーだけが生き残る。

  • 成長なき昇進は、静かな転落の始まり。

「プレイヤー型上司」から「人を動かすリーダー」へ。

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