リーダーシップ

危機を乗り越えた後に問われるリーダーシップ — コントロールを緩め、イノベーションを再点火する時

危機時の「管理体制」は、いつ緩めるべきか?

コロナ禍では、多くの企業が生き残るために支出抑制・投資凍結・意思決定の中央集権化を行いました。
しかし、危機を脱した今もそのままの“節約モード”を続けていませんか?
ある社長は「リーマン後に導入したコスト管理を、景気が回復しても解除し忘れていた」と語りました。まさに、危機を乗り越えた後の落とし穴です。

ミニサマリー: 危機を救った「締め付け」が、復活を妨げることがある。

なぜ「管理」と「革新」は両立が難しいのか?

どの企業にも「守り」と「攻め」のせめぎ合いがあります。
コンプライアンスや内部統制は企業を守るために必要不可欠ですが、過剰になると現場の創意を奪います。特に日本では「失敗=罪」という文化が根強く、手続き逸脱より“隠蔽”の方が重罪とされるほど。
これでは誰も新しい挑戦をしたくなくなります。

ミニサマリー: ルールは守りの武器、過剰管理は成長の敵。

失敗を恐れずにイノベーションを起こすには?

革新を促すには、「失敗の扱い方」を変える必要があります。
リーダーは明確に伝えましょう。
「ここは絶対に触れてはいけない領域」と「ここは自由に試していい領域」を線引きすること。
「失敗を許容する」と言うだけでは不十分。行動で示さなければ、挑戦文化は根づきません。

ミニサマリー: 失敗を“処罰”ではなく“学び”に変える文化が鍵。

どこまでの失敗を許容できるか?

クライスラーのリー・アイアコッカは、新車の失敗で損失を出した部下にこう言いました。
「クビ?とんでもない。100万ドルかけて君を教育したんだ。」
この言葉に象徴されるのは、「失敗からの学びこそ最高の投資」という考え方。
私たちはそこまで寛容でなくても、学びを称える姿勢を示すことが大切です。

ミニサマリー: 「失敗=損失」ではなく「失敗=授業料」と考える。

コントロールを緩めるタイミングをどう見極めるか?

明確な日付は設定できませんが、「再評価の時期」を決めることはできます。
キャッシュフローが安定した段階で、次の投資計画を立てましょう。
余裕ができてから動くのではなく、余裕を作る前に準備を始めるのです。
危機後のリーダーシップとは、「守り」から「攻め」への移行を設計する力です。

ミニサマリー: 波に乗る前に、次の波の準備を始めよう。

要点整理

  • 危機後の過剰コントロールは、成長の足かせになる。

  • コンプライアンスとイノベーションは「両立」が鍵。

  • 「失敗を学びに変える文化」をリーダーが率先してつくる。

  • コントロールを緩めるタイミングを定期的に見直す。

デール・カーネギー東京では、「守りと攻めのバランス」をとるリーダーシップ研修を通じて、組織の再成長を支援しています。

 

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デール・カーネギー・トレーニングは、1912年米国創設以来、リーダーシップ、セールス、プレゼンテーション、エグゼクティブ・コーチング、DEIなど、世界中で100年以上企業と個人を支援してきました。東京オフィスは1963年設立、日本企業と外資系企業の成長を支え続けています。

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