リモートワーク時代の日本型リーダーシップ — 中間管理職の管理・調整・メンタルケア | デール・カーネギー・トレーニング東京
リモートワークで日本のリーダーシップはどう変わったのか?
日本の管理職は「見える管理」が前提でした。
中間管理職の机はチーム全体を見渡せる位置にあり、出勤・退勤・昼休み・仕事ぶりが一目瞭然。声をかければすぐミーティングができる環境です。
しかし、在宅勤務が広がるとその可視性は失われました。
部下が何をしているのか分からず、多くのマネジャーが「見えない部下の管理」に苦労しています。
ミニサマリー: 「見える化」で成り立っていた日本型マネジメントは、リモート環境で再構築が必要になっています。
オフィスがなくてもチームの一体感を維持するには?
日本の職場文化に根付く「朝礼」は、在宅でも有効です。
私たちはコロナ禍でオンライン朝礼を導入し、全員が9時にスーツでカメラオン。
カメラをつけない社員がいれば注意信号です。実際、3日連続で映らなかった部下がいました。新しいPCを送ろうとしたところ、原因はTeamsのプライバシー設定でした。
問題は技術ではなく「状態を把握できていなかったこと」。
リーダーは生産性だけでなく、メンタルの変化にも気を配る必要があります。
ミニサマリー: オンライン朝礼は「業務管理+メンタルケア」を両立させる場になります。
オフィスの代わりになるコミュニケーション設計とは?
朝礼では「良いニュース」「会社の価値観」「1日の優先順位」「名言」などを共有。
その後は健康や協働状況、キャッシュフローの話を10分ほど行い、最後に称賛で締めます。
3時には「Coffee Time with Dale」を設定しましたが、参加は少なく中止に。
リモートでは「やる気の出る仕組み」を意図的に作らないと、自然発生しません。
また、上司との定例1on1も在宅環境ではすぐに形骸化します。
直接会えない分、サボりや逃避が生じやすく、会話の継続には「強い意識」が必要です。
ミニサマリー: 定例ミーティングのリズムが、チーム維持の生命線になります。
情報共有と責任の仕組みをどう作るか?
在宅では、情報の抜け漏れが業務全体に波及します。
一つの誤入力が連鎖的な混乱を生み、再作業が増える。
私たちはTeams上に「唯一の真実(One Truth)」となる共有ドキュメントを作成しました。
リアルタイムで更新し、限られたメンバーのみ編集可能に。
こうして透明性と責任の両立を図りました。
ただし、「GIGO(Garbage In, Garbage Out)」の原則は今も健在です。
入力の精度を監視しなければ、混乱は再発します。
ミニサマリー: 情報を一元化し、更新ルールを明確にすることで混乱を防ぎます。
孤立を防ぎ、若手との距離をどう縮めるか?
在宅勤務では1on1が増えましたが、スケジュール調整が難しくなりました。
若手社員の中には電話慣れしていない人も多く、着信やボイスメールを確認しないことが課題です。
そのため、リーダーは「連絡を取る責任」を明確にし、複数チャネル(電話+メール+チャット)を活用する必要があります。
通勤時間がなくなった分、生産性が上がるとは限りません。
むしろリーダーは、以前よりも「介入的なマネジメント」を求められています。
ミニサマリー: 自律を促しつつも、必要な監督を怠らない姿勢がリーダーに求められます。
重要なポイント
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「見える管理」から「信頼ベースの管理」へ転換せよ。
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オンライン朝礼と1on1がチームの絆を保つ。
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情報共有の一元化が生産性を守る。
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若手との連絡ルールを明確にし、孤立を防ぐ。
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デール・カーネギー・トレーニングは、1912年米国創設以来、リーダーシップ、セールス、プレゼンテーション、エグゼクティブ・コーチング、DEIなど、世界中で100年以上企業と個人を支援してきました。東京オフィスは1963年設立、日本企業と外資系企業の成長を支え続けています。