リーダーシップ

Win-Win型コンフリクト解決の12ステップ(後編)— 対立を「成長のチャンス」に変える方法

前回のパート1では、Win-Winのコンフリクト解決に必要な6つの原則を紹介しました。
今回は、残りの6ステップを解説します。
これらは、職場の対立を「信頼と成長の機会」に変えるための実践的かつ人間的なアプローチです。

7. 感情ではなく「事実」で向き合う

スポーツの世界で言う「ボールを見ろ、人を見るな」。
ビジネスでも同じです。問題を見るのであって、人を攻撃してはいけません。

相手の性格や話し方、態度にイライラしても意味がありません。
重要なのは、感情ではなく結果に集中すること
感情を抑え、「論理」と「目的」に切り替えましょう。
心の中でこう唱えてください──「大局、大局」。

ミニサマリー: 感情は反応し、論理は解決する。

8. 正直であること

駆け引きや政治的な動きは信頼を壊します。
原点に立ち返り、会社のビジョン・ミッション・バリューに基づいて行動しましょう。

デール・カーネギーの人間関係原則17はこう言います。
「他人の立場から正直に物事を見ようとすること」。
自分の考えを客観的に見つめ、なぜその意見を持っているのかを自問しましょう。

ミニサマリー: 誠実さは、最短で信頼を築く道。

9. 選択肢を提示し、根拠を示す

妥協は敗北ではなく、知恵の証です。
相手の利益を考えた実現可能な代案を示しましょう。
主要でない部分では譲歩し、協力関係を築くことが大切です。

意見だけでなく、データとストーリーを活用する。
数字を物語として語ることで、より自然に相手を納得させることができます。

ミニサマリー: データは説得し、ストーリーは共感を生む。

10. コミュニケーションの達人になる

「聞くこと」は「黙ること」から始まります。
相手が話している最中に反論を考えたり、言葉を遮ったりしていませんか?
相手の話を最後まで聞き、要約して返すことで「理解してもらえた」と感じさせることができます。

沈黙は信頼の始まりです。
発言よりも「傾聴」が対立を解く鍵です。

ミニサマリー: 理解が先、同意はその後に来る。

11. 良い形で終わらせる

Win-Winのゴールは、双方が「良かった」と感じることです。
握手を交わし、次のステップ・責任者・進捗確認方法を明確にしましょう。
今後のトラブル発生時の対応ルールも決めておくと効果的です。

ミニサマリー: 明確な終わりが、次の協力を生む。

12. プロセスを楽しむ

対立は悪ではなく、学びの機会です。
異なる視点があるからこそ、組織は強くなります。
議論を通してお互いを深く理解し、信頼関係が強化されます。

勝つために争うのではなく、共に勝つために話し合う
それこそが本当のWin-Winです。

ミニサマリー: 対立を乗り越えた関係は、より強くなる。

重要なポイント

  • 感情ではなく、事実と目的で向き合う。

  • 誠実さが信頼を生む。

  • 代案と根拠を持って協力を促す。

  • 傾聴が相互理解を導く。

  • 明確な合意で終わらせる。

  • 対立は「敵」ではなく「成長のきっかけ」。

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デール・カーネギー・トレーニングは、1912年の創設以来、世界中のリーダーに「人を動かす力」と「信頼を築く技術」を提供してきました。
東京オフィスは1963年設立。日本のリーダーと企業の「Win-Win文化」構築を支援しています。

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