間違った壁を登らない——日本式「問題定義」のリーダー思考法|デール・カーネギー・東京
日本の知恵のひとつに「解決策から入らない」という考え方があります。
多くのリーダーは問題を見るとすぐに“解決モード”に入りますが、日本ではまず「正しい問題」を見極めることから始めます。
一見遠回りに見えても、これが真に効果的なリーダーシップへの近道です。
なぜ「すぐに解決」は危険なのか
時間に追われる現代では、「とにかく動くこと」が良いことだと考えがちです。
しかし、誤った問題設定のまま動けば、どんな努力も無駄になります。
「問題定義」から始める日本的アプローチは、この失敗を防ぐ最良の方法です。
正しい問題を見極める9ステップ
ステップ1:沈黙は最強の武器
6人ほどのチームで、最初の15分は完全に沈黙。
ただ考え、付箋に課題を書き出します。
「沈黙の思考」は簡単ではありませんが、深い洞察を生みます。
ステップ2:静かに優先順位をつける
発言せず、それぞれが書き出した課題を重要度順に並べます。
議論はまだ禁止です。
ステップ3:チーム内共有(第1ラウンド)
全員の付箋を壁に貼り、理由を説明します。
この段階では評価や批判は禁止です。
ステップ4:全体共有(第1回)
他チームと交換発表を行い、思考の「相互授粉」を狙います。
ステップ5:再考と再優先化
再び沈黙で10分間考えます。
簡単なアイデアが出尽くした後にこそ、真の発想が生まれます。
ステップ6:チーム内共有(第2ラウンド)
新しい付箋を追加し、再び内容を共有します。
ステップ7:全体共有(第2回)
再度チーム間で発表し、共通テーマや新しい視点を発見します。
ステップ8:チームごとの選定
各チームが最重要課題を絞り込み、取り組むべきテーマを整理します。
ステップ9:全体最終決定
全員で最終選定を行い、最も優先度の高い課題から着手します。
完璧を求めるのではなく、まず「方向性の一致」を重視しましょう。
日本式アプローチの強み
日本の職場文化は忍耐・精度・協調を重んじます。
このステップを通じて、感情や思い込みを排除し、組織全体が「正しい問題」に集中できます。
結果として、時間・コスト・モチベーションのすべてが向上します。
重要なポイント
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解決策よりも「問題定義」から始める。
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沈黙と思考で真の洞察を得る。
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段階的共有と再考が深い合意を生む。
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完璧より「進捗」と「明確化」を重視。
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デール・カーネギー・トレーニングは1912年創設。
世界100年以上、東京60年以上にわたり、リーダーシップ・思考力・問題解決を支援。
正しい問題を見極める力が、真のリーダーをつくります。