チームの目的を再定義する6つのステップ — ビジョン・価値観・成果を一体化させるリーダーシップ
なぜチームの「目的」はこんなにも曖昧になりやすいのか?
マネジャーは「管理」をします。
期限、コスト、品質を守る。それが仕事です。
一方、リーダーはそれに加え、戦略を描き、人を育て、方向性に全員を結束させる役割を担います。
しかし、多くのチームではメンバーごとに「目的」の解釈が異なり、10人いれば11通りの目的が存在することも。
だからこそリーダーは、チームの目的を明確化し、全員の認識をそろえる必要があります。
ここでは、そのための6つのステップをご紹介します。
① チームの仕事は、会社全体のビジョンとどうつながっているか?
チームは会社全体の目的の中で動いています。
リーダーはそれを現場レベルに翻訳し、自チームの実情に合う「ローカル・ビジョン」を作ることが重要です。
「私たちのチームは組織全体のどこに貢献しているのか?」
「どの部門と連携が必要か?」を明確にしましょう。
まとめ: チームの日常業務を会社の全体目的とつなげる。
② クライアントの視点から見て、チームの仕事にどんな意味があるか?
自分たちが「何を売っているか」より、顧客が「何を買っているか」を理解することが大切です。
たとえば「リーダーシップ研修」を提供しているつもりでも、顧客が求めているのは後継者育成や生産性向上かもしれません。
ヤン・カールソンの著書『真実の瞬間』が示すように、顧客とのすべての接点がブランドを形づくります。
電話応対が完璧でも、次に出た担当者が不機嫌なら、一瞬で信頼は失われます。
まとめ: 顧客の視点で全接点を見直すことが、ブランドの信頼を守る。
③ チームメンバーは、何を意識して行動すべきか?
それを決めるのが価値観(バリュー)です。
チーム内には多様な価値観が存在しますが、リーダーはそれを組織の価値観と整合させて統一する役割を担います。
「顧客や仲間にどう接するか?」を共通認識にすることで、尊重と信頼の文化が生まれます。
まとめ: 共有された価値観が文化をつくる。
④ 成果をどう定義し、目的と結びつけるか?
KPI、目標、成果指標を明確にし、全員が自分の役割を理解できるようにします。
個人目標でもチーム目標でも、「自分が全体にどう貢献しているか」を可視化しましょう。
まとめ: 明確な成果設定が目的意識を強化する。
⑤ リーダーとして目的達成のために何をすべきか?
リーダーの仕事は、リソースの確保や部門間調整だけでなく、コーチングによる人材育成でもあります。
忙しさのあまり「コーチ」から「海賊船長」に変身し、怒鳴るリーダーにならないよう注意が必要です。
リーダーの態度は、チームの雰囲気をそのまま反映します。
まとめ: リーダーの姿勢がチーム文化を決める。
⑥ 目的を実現するために、どんなリーダーであるべきか?
部下は常に上司を観察しています。
言行不一致を見抜く「上司ウォッチャー」は、どのチームにも存在します。
リーダーは常に冷静で、学び続け、模範となる存在でなければなりません。
チームに嵐が訪れたとき、**皆の拠り所となる岩(ロック)**であることが求められます。
まとめ: 一貫性と落ち着きが信頼を生む。
⑦ チームと共に目的をデザインする
目的はリーダーが「与える」ものではなく、チームと共に創るものです。
自分たちで作り上げた目的には、より強い「当事者意識」と実行力が生まれます。
要点整理
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マネジメントは運営、リーダーシップは目的を定義する。
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チームの目的は「会社のビジョン × 顧客の価値 × チームの文化」で成り立つ。
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バリューを統一することで信頼と協力が生まれる。
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目的は「与えられる」より「共に創る」方が実行力を高める。
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デール・カーネギー・トレーニングは、1912年米国創設以来、リーダーシップ、セールス、プレゼンテーション、エグゼクティブ・コーチング、DEIなど、世界中で100年以上企業と個人を支援してきました。東京オフィスは1963年設立、日本企業と外資系企業の成長を支え続けています。