日本のOJTはリーダーを育てない — いま求められる新しいリーダー育成の考え方
日本のリーダーシップは本当に他国と同じなのか?
「人は人だから、リーダーシップも同じはずだ」と言われることがあります。
しかし、実際に日本で働くと、その違いは明確です。
日本ではリーダーを体系的に育てる仕組みがほとんど存在しません。
唯一の方法は「OJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)」ですが、これはもはや現代日本には合わない時代遅れの手法です。
欧米ではリーダー教育への投資が当たり前。日本だけが「現場で学べ」という古い発想に取り残されています。
まとめ: OJTはリーダーを育てず、単なる管理者を量産している。
マネジャーとリーダーの違いとは?
日本企業には「マネジャー」は多いが、「リーダー」は少ない。
マネジャーは予算・品質・納期を守る。
一方、リーダーはそれに加えて、
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チームを納得させ、方向性に共感させる。
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個々の能力を1対1でコーチングし、成長させる。
怒鳴る上司はコーチではありません。
まとめ: 管理は業務を回すこと、リーダーシップは人を育てること。
なぜOJTは機能しなくなったのか?
昔は上司に時間があり、現場で教える余裕がありました。
しかし1980年代以降、パソコンやメールの登場で上司の仕事は激増。
結果、部下を育てる時間が奪われたのです。
その結果、何世代にもわたって「マネジメントの模倣」だけが受け継がれ、
真のリーダーシップはほとんど伝承されませんでした。
まとめ: 日本企業は「教える時間」と「良い手本」を失った。
“稲妻型リーダー育成”という危うさ
たまにOJTの枠を超えて、優れたリーダーに成長する人もいます。
しかし、それは偶然の産物であり、組織的な再現性はありません。
企業は「稲妻待ち」ではなく、体系的なリーダー育成制度を構築する必要があります。
まとめ: 偶然ではなく、意図的にリーダーを育てる時代。
経験だけではリーダーになれない
かつては「上司が部下の仕事をすべて理解している」ことが前提でした。
しかし今は専門分化とテクノロジーが進み、経験よりも対人スキルと適応力が求められます。
「年功」ではなく「能力」で人を登用する動きが進む中、旧来の「ローテーション型育成」は限界です。
まとめ: 経験ではなく、共感力とコミュニケーション力が鍵。
日本の若手が求める新しいリーダー像
若手社員は「厳しさ」よりも心理的安全性と励ましを求めています。
上司が「自分を気にかけてくれている」と感じることで、初めてエンゲージメントが生まれます。
ところが、上司の多くはコミュニケーション教育を受けておらず、伝え方を知りません。
「給料を払っているのだから、やる気を出せ」と考える時代は終わりました。
まとめ: 若手が求めるのは命令ではなく、共感と支援。
これからの日本に必要なこと
日本のホワイトカラー生産性を高めるには、リーダー教育とコミュニケーション訓練への投資が不可欠です。
OJTではもう通用しません。
これからのリーダーは「業務の達人」ではなく、人の力を引き出す達人であるべきです。
まとめ: 日本の未来を担うのは、コーチングできるリーダー。
要点整理
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OJTでは真のリーダーは育たない。
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リーダーシップとは、方向づけと人材育成である。
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若手世代は心理的安全性と共感を求めている。
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コミュニケーション教育への投資が日本の生産性を高める。
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デール・カーネギー・トレーニングは、1912年米国創設以来、リーダーシップ、セールス、プレゼンテーション、エグゼクティブ・コーチング、DEIなど、世界中で100年以上企業と個人を支援してきました。東京オフィスは1963年設立、日本企業と外資系企業の成長を支え続けています。