日本で最も扱いにくい世代をどう導くか ― OJTの限界を超えた新時代のリーダーシップ
日本のリーダーたちは岐路に立っている
今、日本のマネジメントは重大な転換点を迎えています。
自分が若い頃に受けたリーダー像をそのまま再現するのか?
それとも、新しい時代に合わせて進化するのか?
戦後、日本の労働者は驚異的な努力で国を再建しました。
週6日勤務、長時間労働、長距離通勤、日曜は接待ゴルフ。
その犠牲の上に日本は世界第2位の経済大国となりました。
しかし、同じ手法では今の若手世代は動きません。
彼らが求めているのは忠誠ではなく、自由・成長・自分らしさです。
まとめ: 昔の働き方で日本は強くなったが、今の世代はそれでは動かない。
OJTが育てたのは「忍耐力」だけ
1970~80年代の日本では、仕事漬けが当たり前。
既婚女性は退職し、男性は会社に人生を捧げました。
家庭よりも会社が優先され、「終身雇用」が常識でした。
OJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)は次世代育成の柱でしたが、
実際には「我慢」を教えるだけの仕組みでした。
学ぶのは「耐えること」であって、「導くこと」ではなかったのです。
まとめ: OJTはリーダーを育てる仕組みではなく、労働文化を固定化する装置だった。
パソコンがOJTを殺した
パソコンの普及がOJT文化に決定的な変化をもたらしました。
上司は秘書を失い、自らタイプし、メール処理に追われるように。
結果、部下を育てる時間が消えました。
20年前、ロータリークラブの経営者たちは名刺にメールアドレスすらなかった。
秘書に依存していたため、デジタル化に乗り遅れたのです。
中間管理職も同様に、会議とメールに追われ、育成の時間を失ったのです。
まとめ: 技術革新が「育成文化」を奪い、OJTは形骸化した。
若者が半減 ― そして逆転した力関係
この20年で若者人口は半分に。
企業は人材不足に直面し、労働市場の主導権は若者へと移りました。
今の若手は「自由なエージェント世代」。
仕事を選び、転職を恐れず、上司に縛られません。
OJTではもう彼らを動かすことはできません。
まとめ: 若者が会社を選ぶ時代。リーダーは「選ばれる側」に。
中途採用のタブーが崩れた
1997年の山一證券破綻、2008年のリーマンショックが
日本の「中途採用タブー」を壊しました。
有能な人材が他社に移ることが、当たり前になったのです。
いまや「第二新卒(入社3~4年で転職)」は30%を超える。
流動性が高いことは、もはや「裏切り」ではなく「選択」です。
まとめ: 転職は恥ではなく、キャリア戦略になった。
中間管理職はこの時代を乗り切れるか
30~40代のミドルマネージャーたちは、
「忠誠の時代」に育ち、「自由の時代」の部下を率いています。
このギャップが今、日本企業の最大の課題です。
にもかかわらず、リーダー研修を受けた管理職はほとんどいません。
OJTに頼る文化が残り、結果として人材育成の機能が停止しています。
しかし、賢い企業はすでに動いています。
OJTに依存せず、若手が働きたいと思う文化を作っているのです。
採用と定着の両立こそ、これからの「勝ち組企業」の条件です。
まとめ: 若手を惹きつけるのは給料ではなく、リーダーの質。
要点整理
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日本の労働市場は「忠誠」から「自由」へ。
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OJTはもはや育成にならない。
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若手は企業を選び、転職を恐れない。
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ミドル層は時代の変化に対応する研修が必要。
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勝つ企業は「採用」ではなく「育成」で差をつける。
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デール・カーネギー・トレーニングは1912年に米国で創設され、リーダーシップ、セールス、プレゼンテーション、エグゼクティブ・コーチング、DEIなど、100年以上にわたり世界中の企業と個人を支援してきました。
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