日本の営業に足りないもの——「感情」で売るというスキル
なぜ日本の営業トークには感情が欠けているのか?
「人は感情で買い、論理で正当化する」とよく言われます。
しかし日本の営業現場では、真逆のことが起きています。
情報量が多く、淡々とした説明が続くだけで、情熱や熱意が感じられない。
私は営業マンであり、同時に買い手でもありますが、30年以上日本で暮らす中で、感情を込めて自社商品を語る営業担当者に出会うことはほとんどありません。
ミニサマリー:感情的に語ることは非論理的ではなく、信頼を得るために不可欠な要素です。
信頼と感情は、日本の購買行動でどう結びつくのか?
日本では「信頼」は極めて感情的な要素です。
一度信頼を得ると、顧客は「感情的な投資」を行い、その関係を続けようとします。
しかし、新規顧客には実績も予測可能性もまだありません。相手の頭の中には常に「この人を信頼できるか?」という問いがあります。
その壁を超えるには、まずリスクを下げること。
小ロットの試験発注や無料サンプルの提供など、「試しても安全」と思わせる工夫が有効です。
ミニサマリー: 初対面の段階から誠実さと低リスク提案で、信頼の感情を築くことが成功の鍵です。
情熱はどうやって新規顧客を引き寄せるのか?
ロジックは製品を説明しますが、情熱は「信じたい」と思わせます。
名古屋でカーテン事業を始めた義父は、ある会社の社長に取引を申し込みたくて、毎朝その社長宅の前に立ち、出勤時に深々とお辞儀を続けました。2週間後、社長は義父の誠意に心を動かされ、結果的に大口顧客となりました。
それは論理ではなく「感情」で得た信頼でした。
情熱、忍耐、誠実さ——それらが相手の心を動かします。
ミニサマリー: 情熱は論理より早く信頼を伝える。熱意こそが購買を動かす原動力です。
自分の営業スタイルを感情面から見直すには?
次の質問を自分に投げかけてください。
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自分自身が本当に自社商品を「信じて」いるように見えるか?
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顧客のために一歩踏み込む姿勢を示せているか?
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声やエネルギーが自信と誠実さを伝えているか?
顧客は常に「感情」で買い、「論理」で正当化します。
あなたの役割はその両方を提供することです。
ミニサマリー: 感情が購買を動かし、論理がそれを支える。両立が信頼を生み、成約へとつながります。
要点
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日本の購買は論理だけでなく、信頼という感情にも基づく。
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新規顧客にはリスクを最小化する提案が効果的。
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情熱と誠実さが、データ以上に信頼を生む。
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自分の「感情表現力」を営業スキルとして磨くこと。
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