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ハンターとファーマー——営業組織に両方が必要な理由

なぜ営業組織にはハンターとファーマーの両方が必要なのか?

上司は「ハンター型営業」を好みます。新規開拓に奔走し、交渉で勝ち取り、成果を持ち帰るタイプ。
しかし、契約を結んだ後の「関係維持」を担うのがファーマー型営業です。
細やかで誠実な対応を続け、顧客をリピートへ導く存在です。

私は生粋のハンターですが、同時に経営者として理解しています。
持続的な成長には、ハンターとファーマーの両輪が必要だということを。

ミニサマリー: 新規を獲得するのがハンター、信頼を育てるのがファーマー。営業の成功はこのバランスにかかっています。

優れたファーマーに必要な4つの力

1. 信頼を築き、関係を維持する力

信頼は「一貫性」と「予測可能性」から生まれます。
ファーマーは、おもてなし の精神で顧客の変化を先回りし、期待を超える対応をします。
組織変更や担当者の入れ替わりにも敏感に反応し、常に関係を最新に保ちます。

ミニサマリー: 一貫した誠実さと気配りが、日本型サービスの信頼を生みます。

2. 顧客を深く理解する力

業界や企業が変化すれば、顧客のKPIや意思決定者も変わります。
ファーマーはその変化を敏感に捉え、柔軟に対応します。
顧客がどのように評価・報酬を受けているかを理解し、その成功に寄り添う形で提案します。

ミニサマリー: 顧客の視点で考え、変化に合わせて行動することが真の「顧客理解」です。

3. 戦略的アカウントマネジメント力

製造業で言う「デザインイン(設計段階からの参入)」が理想です。
そのためには、顧客の長期計画や品質基準、コスト構造を理解する必要があります。
ファーマーは短期の売上よりも、顧客生涯価値を重視します。

しかし現実は厳しく、コスト削減や価格競争の波が押し寄せます。
価格だけで決まる「ダッチオークション」方式のような取引では、品質差が無視されてしまいます。

ミニサマリー: ファーマーは短期的な価格競争ではなく、長期的な価値を守る戦略家です。

4. 協働による問題解決力

ファーマーは顧客の一部として課題解決に関わります。
業界横断的な知見を活かし、他業種での成功事例を共有して新たな価値を提供します。
単なる「取引相手」ではなく、「信頼できるパートナー」として共に成長を目指します。

ミニサマリー: 優れたファーマーは、顧客と共に課題を解決し成長する「伴走者」です。

要点

  • ハンターは新規開拓、ファーマーは関係維持。どちらも不可欠。

  • 信頼は一貫した対応と先回りの姿勢から生まれる。

  • 顧客のKPIや目標を理解し、長期視点で支援する。

  • ファーマーは短期利益より「生涯価値」を重視する。

  • 協働による問題解決が、真の顧客ロイヤルティを築く。

デール・カーネギー・トレーニング東京について

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デール・カーネギー・トレーニングは、1912年米国創設以来、リーダーシップ、セールス、プレゼンテーション、エグゼクティブ・コーチング、DEIなど、世界中で100年以上企業と個人を支援してきました。
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