内なる摩擦を「包摂力」に変える — リーダーのための5段階コンフリクト解決法
なぜ社内の摩擦が多様性を壊すのか?
社内の摩擦は、まるで病のように組織を静かに蝕みます。
特に多様性を推進したいリーダーにとって、この「見えない対立」は致命的です。
真のダイバーシティ(多様性)は、まず**インクルージョン(包摂)**が根づいてこそ実現します。
日本企業の多くはDEI(ダイバーシティ・エクイティ・インクルージョン)の「なぜ(Why)」を理解しています。
しかし、実際に「どうやって(How)」実践するかで苦戦しています。
その最大の障害が、解決されない社内の対立です。
ミニサマリー:
未解決の対立は、インクルージョンの敵。解決力こそ、多様性の原動力。
5段階プリズム・モデルで紛争を整理する
摩擦を解消し、チームの包摂力を高めるための実践的な手法がこの5段階プリズム・モデルです。
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対立の正体を特定する
何が問題なのかを明確化。リソース、役割、目標、人間関係のどれか? -
関係者の対応スタイルを把握する
回避・迎合・競争・妥協・協働など、相手の傾向を理解。 -
根本原因を探る
満たされていないニーズや誤解、曖昧な期待を掘り下げる。 -
複数の解決策を検討する
「誰が正しいか」ではなく「全員にとって何が良いか」を考える。 -
最適な解決策を選び、実行する
スピード感をもって実行し、信頼を再構築する。
ミニサマリー:
感情を整理し、対話を構造化することで、対立は成長に変わる。
タイミングと場づくりが成功を左右する
感情が高ぶっているときに話し合いを始めるのは逆効果です。
少し時間をおき、冷静さを取り戻してから行いましょう。
場所は、オフィスの外や静かな会議室など、安心して話せる環境が理想です。
質問はオープンエンド型で、原因追及よりも未来志向にします。
「次に同じことが起きたらどうすればいいと思いますか?」
という質問が、「なぜそんなことをしたのですか?」よりも建設的です。
ミニサマリー:
タイミングと場の工夫で、衝突は協働に変わる。
アクティブリスニング(傾聴)が包摂をつくる
人によって対立への反応は違います。
沈黙する人もいれば、感情を爆発させる人もいます。
リーダーに求められるのは、**アクティブリスニング(能動的傾聴)**です。
言葉・トーン・感情のすべてを受け止め、遮らずに聴く。
この姿勢が「自分は尊重されている」という心理的安全性を生み出します。
ミニサマリー:
傾聴は受け身ではない。最も能動的なリーダーシップ行動である。
要点整理
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包摂(インクルージョン)は多様性の前提条件
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対立を解決する5段階プリズム・モデルを活用
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タイミングと場所の選定が成功の鍵
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質問は責めるのではなく、未来を探る
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傾聴が信頼と心理的安全性を育む
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デール・カーネギー・トレーニングは、1912年米国創設以来、リーダーシップ、セールス、プレゼンテーション、エグゼクティブ・コーチング、DEIなど、世界中で100年以上企業と個人を支援してきました。東京オフィスは1963年設立、日本企業と外資系企業の成長を支え続けています。