リーダーシップ

インクルージョンが多様性を生む — 自己認識と対話力が離職を防ぐ

なぜ「包摂(インクルージョン)」が日本企業の生命線なのか?

日本でも今、ダイバーシティ・エクイティ・インクルージョン(DEI)が注目されています。
しかし、多様性(Diversity)を実現するには、まず**包摂(Inclusion)**が欠かせません。
チームの中で「自分は受け入れられている」と感じると、人は自然とやる気が高まり、努力し、会社に貢献しようとします。

これから日本企業を悩ませる最大の課題は「採用」よりも「定着」です。
採用した人材を育てても、他社へ流出してしまえば努力は無駄になります。
インクルージョン文化は、人材を「つなぎ止める接着剤」です。

ミニサマリー:
人は「所属している」と感じる場所に残る。包摂が定着の第一歩。

チームをひとつにまとめる「接着剤」

インクルーシブな組織をつくるには、多様な意見や性格を受け入れる力が必要です。
まずは自分自身を見つめましょう。

「自分はどれくらい他人の意見を聞けているだろうか?」

この問いかけが、チームをつなぐ第一歩です。
自分のコミュニケーション傾向を理解することで、対話の質が変わります。

ミニサマリー:
自己理解がチーム理解の始まり。

攻撃型・受け身型・主張型 — 3つのタイプを知る

議論の場でよく見られる3タイプ:

  1. 攻撃型(Aggressive):自信家で早口。強引に自分の意見を通す。

  2. 受け身型(Passive):対立を避けて沈黙する。深く考えても発言できない。

  3. 主張型(Assertive):自信と礼節を両立。意見を述べつつ他人を尊重する。

理想は「主張型」。
攻撃的な人には「共感を」、受け身な人には「勇気を」。
誰もが意見を言える心理的安全性が、包摂の土台になります。

ミニサマリー:
主張は強さではなく、尊重の表現。

話す前に「3つの質問」

人は感情のままに話して失敗します。
話す前に一瞬立ち止まり、こう問いましょう。

  1. 私は何を思っているのか?

  2. なぜそう思うのか?

  3. 何を見聞き・経験してそう考えるのか?

この3秒の内省が、発言を「主張」から「対話」に変えます。
意見を述べるだけでなく、背景を語ることで、相手は理解しやすくなります。

ミニサマリー:
背景を語る人は、信頼される人になる。

「ホットボタンワード」を知る

誰にでも「感情のスイッチ」があります。
「ダメだ」「間違っている」と言われた瞬間、心がシャットダウンする。
このホットボタンワードを自覚することが、感情をコントロールする第一歩です。

意識できれば、次のような対応ができます。

  • すぐに反応せず時間をおく

  • 理由を尋ねて理解を深める

  • 第三者の意見を求める

  • スルーして距離を置く

感情に振り回されずに選択的に対応することで、チームの空気が柔らかくなります。

ミニサマリー:
感情を制する者が、チームの信頼を築く。

「同意しなくても尊重する」文化をつくる

包摂とは「全員が同じ意見になること」ではありません。
異なる考えを持つ人を否定せず、尊重しながら共存する文化です。
脳で考え、感情に流されずに議論できれば、違いが創造性に変わります。

包摂が進むと、多様性は自然に育ちます。
インクルージョンは結果ではなく、出発点なのです。

ミニサマリー:
包摂が先、多様性はその成果。

要点整理

  • 包摂が多様性と定着率を生む

  • 主張型(アサーティブ)コミュニケーションが信頼を築く

  • 話す前に「考える習慣」で感情を整える

  • ホットボタンワードを理解し、反応を選ぶ

  • 尊重し合う文化が創造性を引き出す

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デール・カーネギー・トレーニングは、1912年米国創設以来、リーダーシップ、セールス、プレゼンテーション、エグゼクティブ・コーチング、DEIなど、世界中で100年以上企業と個人を支援してきました。東京オフィスは1963年設立、日本企業と外資系企業の成長を支え続けています。

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