第一印象が最悪でも挽回できる — 経営者のためのユーモア・危機管理・ノーテック対応の必勝術
第一印象は重要。しかし“失敗した後”が本当の勝負
誰でも第一印象の重要性は知っています。
しかし、プロの経営者でも、開始直後に自ら信用を傷つけてしまうことがあります。
最もよくある失敗:
ウケないジョーク。
自分は面白いと思っていても、
聴衆は一ミリも笑っていない――このギャップが危険です。
ビジネス講演で本当に笑ったオープニングジョークがどれほどありますか?
ほとんどゼロのはずです。
ミニサマリー:
ユーモアはハイリスク。素人の“ぶっつけ本番”は危険。
ジョークがスベったときの正しいリカバリー方法
対処法は2つ:
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無視して進む
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自虐で処理する
例:
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「残念。部下相手のリハーサルではウケたんですが」
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「どうやら芸人への転職は再考が必要ですね」
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「良いアイデアだと思ったんですがね」
一度だけ触れて終わり。
その後は二度とその話題に触れないこと。
ミニサマリー:
“1回だけの自虐”で処理し、すぐに本編へ戻る。
実話:オーストラリア首相を“2回続けて”誤アナウンス
筆者はMCとして、当時のオーストラリア首相ポール・キーティングを紹介する役目を担っていた。
しかし、スタッフ間の連携ミスにより――
首相ではない関係者がエレベーターから出てきた瞬間に合図が発動。
筆者は堂々と紹介のアナウンスを開始。
しかし、誰も入場してこない。
1回目はユーモアで処理。
2回目は誤爆し、顔から火が出るほどの恥。
3回目でようやく成功。
ミニサマリー:
想定外の事故は必ず起きる。準備していないのは本人だけ。
“テック不調”は第一印象を破壊する最強の敵
万全に準備したつもりでも、本番で:
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スライドが出ない
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パソコンが固まる
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リモコンが反応しない
観客のイライラは最大化し、時間泥棒と化します。
正しい対応法:
1. 誰かが修理できるなら、あなたは“即トーク開始”
そのためには:
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スライドなしでも話せる準備が必須
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声・ストーリー・表現力でカバー
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復帰後はそのまま続行(最初からやり直さない)
2. スライドを完全に諦める“ノーテック・モード”へ切替
必要条件:
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ストーリー中心で話せる
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データを“言葉の絵”で表現できる
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全編スライドなしでも成立する構成
筆者は講師訓練中に、直前で「スライド使えません」と嘘をつかれるテストを受けたが、
準備していたため即座に「問題ありません」と返答し、見事乗り切った。
ミニサマリー:
スライドなしで戦えないなら、まだ準備不足。
“想定外”への準備が第一印象を守る最大の武器
プレゼンの冒頭を壊すトラブルは限られています:
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スベるジョーク
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テクノロジーの故障
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タイミングのズレ
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連携ミス
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緊張
しかし多くのスピーカーは Plan B を持っていない。
本当の敵は“失敗”ではなく、
予期していなかったこと です。
ミニサマリー:
災害対策こそ、プロの第一印象戦略。
要点整理
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第一印象は重要だが、立て直しスキルはさらに重要
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ユーモアは慎重に。自虐は1回だけ
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スライドなしで話せる準備は必須
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想定外の事故へ備える Plan B が信頼を守る
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“驚き”を排除すれば、本番の失敗は激減する
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デール・カーネギー・トレーニングは、1912年米国創設以来、リーダーシップ、セールス、プレゼンテーション、エグゼクティブ・コーチング、DEIなど、世界中で100年以上企業と個人を支援してきました。東京オフィスは1963年設立、日本企業と外資系企業の成長を支え続けています。