プレゼンテーション

守破離で極めるプレゼンテーション — 基本から無意識の達人レベルへ成長する日本発のメソッド

多くの日本企業・外資系企業のビジネスリーダーは、年に数回しかプレゼンの機会がありません。
そのたびに「姿勢は?」「声のスピードは?」「ジェスチャーは?」と自分のことばかり気にしてしまい、心から聴衆に向き合う余裕がない のが現実です。

そんなとき、武道や伝統芸能の世界で知られる 守破離(しゅ・は・り) の考え方は、プレゼン技術の習得にも驚くほどよくフィットします。

Q1. 守破離とは何か? なぜプレゼンに応用できるのか?

守破離(守・破・離)は、日本の伝統文化・武道に共通する学びのプロセスです。

  • 守(Shu):型を守る。基本や伝統を忠実に守り、徹底的に習得する段階。

  • 破(Ha):型を破る。型から一歩抜け出し、自分なりの工夫・アレンジを加える段階。

  • 離(Ri):型から離れる。型を完全に身につけ、もはや意識すらせず、自然体で体現できる段階。

プレゼンテーションも同じです。
最初は「教科書通り」で構いませんが、最終的には “自分のスタイル”で、無意識に高度な技術を使いこなすところまで行くのがゴールです。

ミニサマリー:
守破離は、プレゼン技術を「一生もののスキル」に変えるための成長ロードマップ。

Q2. 「守」の段階では、何に意識を向ければよいのか?

守(Shu) の段階では、とにかく基本を「意識的」に実践します。

例えば:

  • 足の向きと姿勢を整え、会場全体を正しく向く

  • 聴衆一人ひとりに、直接目を見て話す(なんとなく全体を見るのではなく)

  • メッセージに合ったジェスチャーを「意図的に」使い、15秒以上固定しない

  • 表情を動かし、無表情のクセを壊す

  • 単調な声にならないよう、意図して抑揚とスピードコントロールを行う

この段階では、動きのすべてが「ぎこちない」と感じてもOKです。
意識しないとできないことを、意識して繰り返す段階 だからです。

ミニサマリー:
守は「できるまで型を真似る」フェーズ。違和感があるのは成長の証。

Q3. 「破」の段階で、プレゼンはどう変わるのか?

回数を重ね、プレゼンテーション研修やエグゼクティブ・コーチングなどでフィードバックを受けると、徐々に 破(Ha) の段階に入ります。

この段階では:

  • 毎回「基本をチェック」しなくても、自然にできる要素が増えてくる

  • 聴衆の反応を見る余裕が生まれ、「自分」より「相手」に意識が向き始める

  • 舞台を左右に動き、端の聴衆にも積極的に近づいていく

  • ジェスチャーは無理に作らなくても自然に出るようになり、時に大胆に使える

  • 「どう見られているか」より「どこまで届いているか」が気になってくる

つまり、型に縛られるのではなく、「型を活かして自分らしく表現する」段階です。

ミニサマリー:
破は、基本を土台にしながら、自分らしいプレゼンスタイルをデザインしていくフェーズ。

Q4. 「離」の段階に到達すると、何が起こるのか?

離(Ri) の段階では、もはや技術を意識していません。

  • アイコンタクト・ジェスチャー・姿勢は、状況に応じて自然に出てくる

  • 自分の話し方ではなく、聴衆の表情・空気感・反応に100%フォーカスできる

  • 「この話は響いている」「ここはピンときていない」とその場で読み取り、即座に軌道修正できる

  • 会場全体と“対話”している感覚があり、聴衆と一体になって場が動いていく

武道家が型を意識せず戦うように、プレゼンターもテクニックを超え、「自分そのものがメッセージ」になっていきます。

ミニサマリー:
離は、無意識に高度な技術を使いこなし、聴衆との一体感を生み出す境地。

Q5. 忙しいビジネスパーソンが守破離を進めるための実践ステップは?

多くのビジネスパーソンは、年に数回しかプレゼンしませんし、その一回きりで終わらせがちです。
しかし、少ない機会でも守破離を進めることは可能です。

具体的なステップ:

  • 毎回のプレゼン後に「自分はいま守・破・離のどこにいるか」を振り返る

  • 次の1回で磨くスキルを1〜2個に絞る(例:今回はアイコンタクトと声の抑揚)

  • プレゼンテーション研修やエグゼクティブ・コーチングで、客観的なフィードバックをもらう

  • 「昨日がベストタイミング、今日が次に良いタイミング」と考え、今から始める

ミニサマリー:
守破離は「回数」だけでなく、「意識して振り返ること」で前に進む。

要点整理

  • 守破離(守・破・離)は、プレゼンテーション技術の習得にもそのまま応用できる。

  • 守:姿勢・目線・ジェスチャー・表情・声など基本を意識的に反復する段階。

  • 破:基本を土台に、自分らしい工夫やアレンジを取り入れる段階。

  • 離:技術を超え、聴衆に100%意識を向けて自然体で話す段階。

  • 意図的な練習とフィードバックが、忙しいビジネスリーダーの成長を加速させる。

守破離を意識して「真のプレゼンの達人」を目指したい経営者・リーダーの方へ。

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デール・カーネギー・トレーニングは、1912年米国創設以来、リーダーシップ、セールス、プレゼンテーション、エグゼクティブ・コーチング、DEIなど、世界中で100年以上企業と個人を支援してきました。東京オフィスは1963年設立、日本企業と外資系企業の成長を支え続けています。

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