スライドを“溜め込むクセ”をやめてストーリーで伝える
なぜプレゼンになると、ついスライドを詰め込み過ぎてしまうのか?
多くのビジネスパーソン、特に日本企業・外資系企業のリーダーは、実は “コンテンツのホーダー(溜め込み屋)” です。
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過去のスライドを一切捨てない
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毎回、過去デッキからスライドを大量に再利用
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データや画像を「せっかくなので全部入れたい」と思ってしまう
結果として、スライドは増え続け、情報の海を泳ぎきれない プレゼンになります。
ミニサマリー:
スライドを溜め込み過ぎると、構成も時間も崩壊し、伝わる力が落ちる。
スライドを詰め込み過ぎると、何が起きるのか?
スライド過多のプレゼンには、典型的な問題があります。
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自分のリサーチや数字に惚れ込んでしまい、削れない
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「時間内に終わる」という前提が崩れている
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最後の10〜20枚を高速で飛ばす、あるいは丸ごとスキップ
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聴衆は「時間を投資したのに、十分な価値を受け取れていない」と感じる
これは 個人のブランド・企業ブランドの毀損 にもつながります。
時間管理ができないスピーカーは、信頼されません。
ミニサマリー:
最後にスライドを飛ばしたり駆け足で終えると、聴衆の信頼とブランドを失う。
なぜ“リハーサル不足”がスライド問題を悪化させるのか?
スライドに時間をかけ過ぎると、犠牲になるのが リハーサル です。
本来リハーサルで見えるはずの現実:
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「この枚数では絶対に終わらない」
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「この章は丸ごと削るしかない」
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「話したいことと話せる時間が合っていない」
TEDトークの準備でも同じことが起きます。
紙の上では8章構成でも、実際に話してみると時間オーバー。
世界中にアーカイブされるTEDで、駆け足の中途半端な内容を残すのか?
それとも 思い切って削るのか?
賢明なのは後者です。
ミニサマリー:
リハーサルは「どこを削るべきか」を教えてくれる、最強の編集ツール。
データをたくさん見せるほど、価値は上がるのか?
多くのプレゼンで見られるのが、数字とグラフの連続攻撃 です。
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数字ぎっしりの表
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棒グラフ、円グラフ、折れ線グラフ
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スライドごとに大量の情報
しかし現実には:
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聴衆は数字の“津波”をほとんど記憶できない
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単調なデータ列はすぐに飽きられる
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時間だけが消費され、印象は残らない
だからこそ、厳選したキー数字だけを見せる 方が効果的です。
さらにその数字に ストーリーを乗せる ことで、記憶と感情に刺さるメッセージになります。
ミニサマリー:
数字を並べるだけでは忘れられる。絞り込み+ストーリーで初めて記憶に残る。
ストーリーは、数字をどう“忘れられない存在”に変えるのか?
Voice Of Customer(顧客の声)スコアを例にしてみましょう。
仮に、商品・サービスの評価が 72点 だったとします。
数字だけ見れば「悪くはないが、特別高くもない」印象です。
ここにストーリーを足します:
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日本の消費者は、世界的に見ても“採点が厳しい”ことで有名
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ラグジュアリーブランド各社の調査でも、日本だけスコアが低く出る
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そのため、日本のスコアに最大 30%上乗せ して他国と比較するケースもある
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すると72点は、実質 93.6点 相当となり、世界水準と同等レベルになる
このストーリーを聞いた聴衆は、「72」という数字の意味を深く理解し、忘れなくなります。
ミニサマリー:
ストーリーが数字に“文脈”を与え、記憶に残るメッセージへと変えてくれる。
“ストーリー前提”でスライドコレクションを設計するには?
スライドを量で増やす発想から、こう発想を切り替えます。
「どのスライドが、一番ストーリーと相性がいいか?」
実践のポイント:
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ストーリーと結びつくスライドだけを厳選する
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「このスライド+ストーリー=何分か?」を見積もる
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必ず通しでリハーサルして、実際の時間感覚を確認する
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惚れ込んでいるスライドでも、時間に合わなければ容赦なく削る
これは単にプレゼン技術の話ではなく、
リーダーシップ、営業力、エグゼクティブ・プレゼンス を高めるための重要なスキルです。
ミニサマリー:
スライドは“量”ではなく“ストーリー適性と時間”で選ぶことで、プレゼンの質が劇的に上がる。
要点整理
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スライドの溜め込みは、構成崩壊と時間オーバーの元凶
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リハーサルをすれば「削るべき箇所」が一瞬で分かる
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数字は、厳選+ストーリー化して初めて記憶に残る
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“ストーリー前提”でスライドを設計すると、個人・企業ブランドが高まる
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デール・カーネギー・トレーニングは、1912年米国創設以来、リーダーシップ、セールス、プレゼンテーション、エグゼクティブ・コーチング、DEIなど、世界中で100年以上企業と個人を支援してきました。東京オフィスは1963年設立、日本企業と外資系企業の成長を支え続けています。