プレゼンテーション

プロの「講演のお礼(Vote of Thanks)」の伝え方 — ビジネスイベントを成功で締めくくる技術

ビジネスイベントで最も記憶に残るのは、冒頭と最後の瞬間です。
ところが、多くの企業は講演者紹介には時間をかける一方、**締めの「お礼の言葉」**は軽視されがち。
実はこここそ、あなたの 個人ブランド・プロフェッショナルブランドが最も鮮明に残る瞬間 です。

Q1. なぜ「講演のお礼」はビジネスの場でこれほど重要なのか?

プレゼンには一定の流れがあります:

  1. 告知

  2. 参加登録

  3. MCによる開始

  4. 講演

  5. 講演者へのお礼(Vote of Thanks)

  6. 終了挨拶

最後のお礼は、次の2つの「最後の印象」を決めます:

  • 聴衆が講演者をどう評価するか

  • 聴衆が あなた をどう評価するか

最後の印象を誤ると、それまでの努力が台無しになる可能性すらあります。

ミニサマリー:
「お礼の言葉」は、イベントの質とあなた自身の評価を決定づける重要な要素。

Q2. 多くの人が犯す最大のミスは?

典型的な失敗例は二つ:

1. 講演内容を全部まとめ始める

まるで講演者と競争しているように見え、印象が悪い。

2. 自分の意見を長々と話してしまう

聴衆はすでに帰りたがっています。時間泥棒はブランドを傷つけます。

お礼の場面でやってはいけないのは:

  • 長話

  • 冗長な意見

  • 自己アピール

  • 主役を奪う行為

ミニサマリー:
お礼は短く、鋭く、価値を高める形で行う。

Q3. 優れた「お礼の言葉」はどんなものか?実例から学ぶ

モルガン・スタンレー日本の元代表、ティエリー・ポルト氏 の例が象徴的です。

あるイベントで:

  • メイン講演者はスライドを読み上げるだけの失敗プレゼン

  • しかしポルト氏のお礼のコメントは短く、知的で、洗練されていた

数年経っても内容の細部は覚えていませんが、
「この人は本当に優秀だ」という強烈な印象だけが残りました。

ミニサマリー:
短く知的なお礼は、講演全体以上に強い印象を与えることがある。

Q4. どうすればプロフェッショナルなお礼ができるのか?TISモデル

T — Thanks:まずは丁寧な感謝

  • 相手との関係性

  • イベントのフォーマリティ

  • 日本文化の敬称(様、先生、役職名 等)

例:
「鈴木様、本日は誠にありがとうございました。」

I — Interest:聴衆が最も関心を持った一点を伝える

40分の講演の中で、ひとつだけ ハイライトを選ぶ。
これは要約ではなく「共感のポイント」です。

S — Formal Thanks:正式な感謝と締め

MCが締める場合はバトンを渡す。
自分が締める場合は、明確にイベントを終わらせる。

例:
「それでは皆さま、改めて〇〇先生に盛大な拍手をお願いいたします。」

あなたが拍手を始め、全員を誘導する。

ミニサマリー:
TISモデルを使えば、短く、洗練され、文化に配慮したプロの締めができる。

Q5. なぜここが「個人ブランドを伸ばす絶好の場」なのか?

多くのMCやお礼担当者は、やり方を知らないまま本番に臨みます。
だからこそ、あなたが正しくできれば 一気に上位1%の存在感 を発揮できます。

必要なのは:

  • 明瞭さ

  • 簡潔さ

  • 文化的配慮

  • 一貫したプロフェッショナリズム

ミニサマリー:
大多数が苦手な分野だからこそ、正しくやれば圧倒的に目立てる。

要点整理

  • 「お礼の言葉」はイベント全体とあなた自身の評価を左右する。

  • 要約や自己アピールはNG。短く価値を高める。

  • TISモデル(Thanks → Interest → Formal Thanks)が最適なフレーム。

  • ここを極めるだけで、プロフェッショナルとして一気に抜け出せる。

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