プロの「講演のお礼(Vote of Thanks)」の伝え方 — ビジネスイベントを成功で締めくくる技術
ビジネスイベントで最も記憶に残るのは、冒頭と最後の瞬間です。
ところが、多くの企業は講演者紹介には時間をかける一方、**締めの「お礼の言葉」**は軽視されがち。
実はこここそ、あなたの 個人ブランド・プロフェッショナルブランドが最も鮮明に残る瞬間 です。
Q1. なぜ「講演のお礼」はビジネスの場でこれほど重要なのか?
プレゼンには一定の流れがあります:
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告知
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参加登録
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MCによる開始
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講演
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講演者へのお礼(Vote of Thanks)
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終了挨拶
最後のお礼は、次の2つの「最後の印象」を決めます:
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聴衆が講演者をどう評価するか
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聴衆が あなた をどう評価するか
最後の印象を誤ると、それまでの努力が台無しになる可能性すらあります。
ミニサマリー:
「お礼の言葉」は、イベントの質とあなた自身の評価を決定づける重要な要素。
Q2. 多くの人が犯す最大のミスは?
典型的な失敗例は二つ:
1. 講演内容を全部まとめ始める
まるで講演者と競争しているように見え、印象が悪い。
2. 自分の意見を長々と話してしまう
聴衆はすでに帰りたがっています。時間泥棒はブランドを傷つけます。
お礼の場面でやってはいけないのは:
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長話
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冗長な意見
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自己アピール
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主役を奪う行為
ミニサマリー:
お礼は短く、鋭く、価値を高める形で行う。
Q3. 優れた「お礼の言葉」はどんなものか?実例から学ぶ
モルガン・スタンレー日本の元代表、ティエリー・ポルト氏 の例が象徴的です。
あるイベントで:
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メイン講演者はスライドを読み上げるだけの失敗プレゼン
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しかしポルト氏のお礼のコメントは短く、知的で、洗練されていた
数年経っても内容の細部は覚えていませんが、
「この人は本当に優秀だ」という強烈な印象だけが残りました。
ミニサマリー:
短く知的なお礼は、講演全体以上に強い印象を与えることがある。
Q4. どうすればプロフェッショナルなお礼ができるのか?TISモデル
T — Thanks:まずは丁寧な感謝
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相手との関係性
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イベントのフォーマリティ
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日本文化の敬称(様、先生、役職名 等)
例:
「鈴木様、本日は誠にありがとうございました。」
I — Interest:聴衆が最も関心を持った一点を伝える
40分の講演の中で、ひとつだけ ハイライトを選ぶ。
これは要約ではなく「共感のポイント」です。
S — Formal Thanks:正式な感謝と締め
MCが締める場合はバトンを渡す。
自分が締める場合は、明確にイベントを終わらせる。
例:
「それでは皆さま、改めて〇〇先生に盛大な拍手をお願いいたします。」
あなたが拍手を始め、全員を誘導する。
ミニサマリー:
TISモデルを使えば、短く、洗練され、文化に配慮したプロの締めができる。
Q5. なぜここが「個人ブランドを伸ばす絶好の場」なのか?
多くのMCやお礼担当者は、やり方を知らないまま本番に臨みます。
だからこそ、あなたが正しくできれば 一気に上位1%の存在感 を発揮できます。
必要なのは:
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明瞭さ
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簡潔さ
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文化的配慮
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一貫したプロフェッショナリズム
ミニサマリー:
大多数が苦手な分野だからこそ、正しくやれば圧倒的に目立てる。
要点整理
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「お礼の言葉」はイベント全体とあなた自身の評価を左右する。
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要約や自己アピールはNG。短く価値を高める。
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TISモデル(Thanks → Interest → Formal Thanks)が最適なフレーム。
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ここを極めるだけで、プロフェッショナルとして一気に抜け出せる。
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