プレゼンテーション

強いプレゼンの「つかみ」をつくる方法 — ストーリーテリングと“褒めるオープニング”の実践法

なぜプレゼンの冒頭が、すべてを決めるのか?

現代の聴衆は、これまでになく 注意散漫・忙しい・即離脱
日本企業でも外資系企業でも、経営層や管理職は「最初の数秒で価値を示せるか」が勝負になります。

前回のPart Oneでは、

  • 例え話

  • 驚きの一言

  • 良いニュースで始める方法

  • 聴衆への質問の使い方(注意点含む)

を紹介しました。

今回のPart Twoでは、ストーリー褒めるオープニング という、聴衆の心を一瞬でつかむ二大テクニックを解説します。

ミニサマリー:
冒頭が弱いと、内容は届かない。ストーリーと褒め言葉で“聞く姿勢”をつくる。

ストーリーテリングはなぜビジネスにおいて最強なのか?

ストーリーは、人類最古の“説得技術”。
子どもの頃から物語で育ってきた私たちは、データや主張よりもストーリーに心を開きます。

しかも現代は「短く、鮮やかで、イメージが湧くストーリー」が特に有効。
では、どんなストーリーがビジネス向きなのか?

1. 個人の実体験ストーリー

最強です。リアルだから刺さる。

どちらのオープニングが聴きたくなりますか?

  • 「最初に一千万ドルを稼いだ話をしましょう」

  • 「最初に一千万ドルを失った話をしましょう」

当然、後者です。失敗・苦労・学びは人を惹きつけます。

完璧な成功談だけを並べるとただの“プロパガンダ”。
失敗 → 再起の物語は、共感ポイントが圧倒的に増えます。

2. 第三者のストーリー

自分の経験には限りがありますが、他人の経験は無限。

  • ニュース

  • ドキュメンタリー

  • 雑誌

  • 伝記

  • 上司・同僚の話

話のネタはあらゆるところにあります。
デール・カーネギーのプレゼン研修でも、ストックを持つ習慣 を強く推奨しています。

3. 歴史・普遍のストーリー

歴史の中には、現代の課題に直結する事例が山ほどあります。

普遍的で分かりやすく、権威性も高いので非常に効果的です。

ミニサマリー:
ストーリーは“心を動かす入口”。短くても深く刺さる。

“褒めるオープニング”はなぜ聴衆の心を一瞬で開くのか?

褒め言葉は、場の空気を一気にポジティブにし、聴くモードへと切り替えます。

以下の3パターンがあります。

1. 聴衆全員を褒める

例:
「多くの人が人前で話すのを怖がります。でもそれは才能ではなく、ただ訓練を受けていないだけです。」

誰もが経験している恐怖なので、強く共感されます。

2. 組織を褒める

例:
「御社は卓越性で素晴らしい評判を築かれています。その理由をお伝えしましょう。」

企業を褒められて嫌な人はいませんし、事実かどうか確かめようと集中して聴いてくれます。

3. 個人を褒める

例:
「開始前に田中さんとお話したとき、非常に鋭いポイントをいただきました。」

全員が “田中さんは何を言ったのだろう?” と興味を持つ。
田中さん本人も喜ぶ。
場が一気に温まる典型例です。

ミニサマリー:
“褒める”は最速で関係構築できるテクニック。

なぜ今、スピーチの第一印象が歴史上もっとも難しいのか?

理由はシンプル:聴衆はすぐ飽きるから

  • スマホ通知

  • メール

  • SNS

  • マルチタスク

  • 気が散る職場環境

聴衆は「この人は聞く価値があるか?」を数秒で判断します。

冒頭が弱いと:

  • メッセージは届かない

  • ブランドも築けない

  • プレゼンの目的も達成できない

ミニサマリー:
最初に失敗すると、後から挽回するのは極めて難しい。

要点整理

  • ストーリーは最強の“つかみ”で、感情を動かす。

  • 個人・第三者・歴史、すべてがネタになる。

  • 褒めるオープニングは即効で場を支配できる。

  • 聴衆は数秒で価値を判断するため、冒頭設計が最重要。

  • 強いオープニングこそ、メッセージを届ける唯一の道。

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デール・カーネギー東京の プレゼンテーション研修 は、このような“つかみの技術”を体系化して学べるプログラムです。経営層・管理職・営業チームに最適です。


デール・カーネギー・トレーニングは、1912年米国創設以来、リーダーシップ、セールス、プレゼンテーション、エグゼクティブ・コーチング、DEIなど、世界中で100年以上企業と個人を支援してきました。東京オフィスは1963年設立、日本企業と外資系企業の成長を支え続けています。

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