プレゼンテーション

なぜ多くのリーダーはプレゼンを学ばないのか — 日本企業・外資系企業で「伝わるリーダー」になるための3つの習慣

多くのビジネスパーソンは、
仕事の一部として、いつの間にかプレゼンをする立場になっています。

最初は自分のタスクや数字の報告。
次第にプロジェクト報告、部門・事業部の実績報告、経営陣への戦略説明へと広がり、やがて株主説明会、メディア対応、商工会議所や業界団体でのスピーチの場に立つこともあります。

しかしその間、体系的なプレゼンテーション研修を受けることはほとんどありません。
ここでは、

  • なぜそのような状況が生まれるのか

  • 今からできる3つの基本習慣

を整理します。

1. なぜ私たちは「プレゼンを偶然に任せている」のか?

キャリア初期は:

  • 与えられた仕事をこなす

  • 期限を守る

  • 自分の成果を出す

ことで精一杯です。

昇進するにつれ:

  • プロジェクトの進捗報告

  • 部署・事業部の数字報告

  • 経営陣への戦略説明

さらに:

  • 株主・投資家

  • メディア

  • 商工会議所・業界団体

といった社外の聴衆の前で話す機会も出てきます。

それにもかかわらず、誰もこうは言ってくれません。

「リーダーになるなら、プレゼンは必須スキルだ。こうやって身につけよう」

ミニサマリー:
プレゼンはリーダーシップの中心スキルなのに、ほとんどの人は「成り行き」でしか学んでいない。

2. 「プレゼン教育ゼロ」が組織にもたらす問題とは?

多くの人は、上司のプレゼンを真似して学びます。
しかし、その上司もまた 正式な教育を受けていない ことがほとんどです。

結果として:

  • スライドに文字が詰め込まれた発表

  • 単調で印象に残らない話し方

  • 説得ではなく「読み上げ」に終始する報告

が、世代を超えて繰り返されます。

会社として、

  • 「リーダーはプレゼンテーション研修を受けるべきだ」

  • 「自己負担であっても、学ぶ価値がある」

というメッセージすら出てこないケースも多く見られます。

ミニサマリー:
何も言われないことで、「プレゼンは重要ではない」という誤ったメッセージが暗黙に伝わってしまう。

3. ガイドライン①:自分のテーマを「所有する」レベルまで深める

自信を持って話すには、
「このテーマは自分の領域だ」 と言えるだけの知識と経験が必要です。

具体的には:

  • 現場での経験

  • 関連書籍・資料の読み込み

  • データ・ケースへの深い理解

を通じて、本番では「話している内容以上の引き出し(予備戦力)」を持っている状態をつくります。

Q&Aで質問に答えられないと、

  • 個人としての信頼

  • 専門性
    が一気に揺らぎます。

ミニサマリー:
「話す量」以上に「持っている知識量」を増やす。余裕が自信につながる。

4. ガイドライン②:テーマに対して「前向きな感情」を持つ

学校や大学での経験を思い出してください。

  • ただ淡々と教科書をなぞる先生

  • 目を輝かせながら、自分の専門分野を語る先生

どちらの授業が印象に残ったかは明らかです。

ビジネスプレゼンでも同じです。
聴衆は内容のすべてを記憶しませんが、あなたがどれだけそのテーマに熱意を持っていたか はしっかり覚えています。

もしあまり興味が持てないテーマを任された場合でも:

  • 自分なりに「面白い」と感じられる部分を探し

  • そこに特にエネルギーを乗せて話す

ことで、単調さを避けることができます。

ミニサマリー:
熱量はコンテンツの一部。情熱こそが「記憶に残るスピーカー」をつくる。

5. ガイドライン③:メッセージの価値と重要性をしっかり伝える

自分自身がメッセージの価値に確信を持っていなければ、聴衆が納得することはまずありません。

営業の世界では、「セールスとは、売り手の熱意を買い手に移すこと」と言われます。

プレゼンも同様に:

  • 情報

  • アイデア

  • 提案

  • 戦略

を「売る」行為です。

すでに:

  • テーマを深く理解し

  • スライドや構成を準備し

  • 話し方も磨いてきた

のであれば、その内容に対して 自信と誇りを持って良い のです。

聴衆は:

  • 本気で価値を伝えようとしているのか

  • ただ上から言われて仕方なく話しているのか

を敏感に感じ取ります。

ミニサマリー:
「これは本当に大事だ」と思う気持ちを、声と表情と構成で表現することが説得力につながる。

6. ビジネスで重要な立場になるほど、なぜ「話す力」が必須になるのか?

ビジネスで重要な役職に就いていても、プレゼンが苦手な人はたくさんいます。

ただし、その人たちは必ずと言っていいほど、プレゼンのうまいリーダーに目立ち方で負けます。

現代のリーダーに求められるのは:

  • 戦略を語る力

  • 変革を推進する力

  • DEIや企業文化を言葉で示し、行動につなげる力

つまり、「人前で話して、人を動かす力」 です。

ミニサマリー:
役職が上がるほど、「話す力」は単なるオプションではなく「必須要件」になる。

要点整理

  • 多くのリーダーは、体系的なプレゼン教育を受けないまま人前に立っている。

  • 上司のスタイルを真似るだけでは、組織としてのプレゼンレベルは上がらない。

  • 今日からできる3つの習慣:

    • 自分のテーマを「所有」できるレベルまで深く知る

    • テーマに対する前向きな感情・情熱を育てる

    • メッセージの価値と重要性を、自信を持って伝える

  • ビジネスで重要な立場になるほど、プレゼンテーションスキルは必須になる。

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デール・カーネギー・トレーニングは、1912年米国創設以来、リーダーシップ、セールス、プレゼンテーション、エグゼクティブ・コーチング、DEIなど、世界中で100年以上企業と個人を支援してきました。東京オフィスは1963年設立、日本企業と外資系企業の成長を支え続けています。

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