プレゼンテーション

なぜプレゼンに「熱量」が必要なのか — 退屈な数字を説得力あるストーリーに変える方法

「今日はただ数字を報告するだけだから、そんなに熱くならなくていいよね?」
多くのビジネスパーソンが、心のどこかでそう考えています。

売上や来店数、KPIの進捗など、社内会議で扱うテーマの多くは “数字の報告” です。
しかし、もしあなたの目的が

  • 賛同を得る

  • 行動を促す

  • 方針転換を説得する

ことであれば、それは単なる「報告」ではなく 「説得」 です。
そのとき、プレゼンに「熱量」がなければ、聞き手は動きません。

1. どんな場面で「熱量」が本当に必要になるのか?

  • 単なる事実報告:
    落ち着いたトーンでも問題ありません。

  • しかし、提案や意思決定が絡む場面:

    • 予算の承認

    • 戦略変更の提案

    • 新施策への協力要請

こうした場面では、「この話は重要だ」「今、動くべきだ」 というメッセージを伝えるために、
話し手の熱量が欠かせません。

ミニサマリー:
情報の伝達はフラットでも良いが、説得には「熱」が必要。

2. なぜ「低エネルギーなプレゼン」は身体的に苦痛なのか?

淡々とした単調な声、無表情、抑揚のない話し方。
どれだけ重要な内容でも、
聞いている側は次第にエネルギーを奪われていきます。

  • 内容は頭に入らない

  • 時間が長く感じる

  • 早く終わってほしいと願ってしまう

これは政治家でも、経営者でも、一般社員でも同じです。
「影響を与える立場」にいる人が熱量ゼロで話すと、聞き手にとって “苦行” になります。

ミニサマリー:
低エネルギーな話し方は、退屈を通り越して「苦痛」になりうる。

3. 「数字の羅列」が聴衆を苦しめる理由とは?

多くのプレゼンで見かける光景:

  • 文字だらけのスプレッドシートを投影

  • 細かいグラフが詰め込まれたスライド

  • 「見えないと思いますが…」という前置き

数字そのものは “ただの記号” です。
そこに意味や物語を与えないまま提示しても、聴衆は何をどう受け取ればいいのか分かりません。

ミニサマリー:
数字だけを見せても、説得にはならない。意味づけとストーリーが必要。

4. どうすれば数字を「生きたストーリー」に変えられるか?

数字を活かすポイントは、次の3つです。

  1. 文脈(コンテクスト)を与える

    • いつ、どこで、なぜその数字になったのか

    • 背景や要因を簡潔に説明する

  2. 対比をつくる

    • 昨年・前期・目標値との比較

    • 他部門や他店舗との違い

  3. 影響を示す

    • 組織・お客様・市場にどんな意味を持つのか

    • 放置すれば何が起きるのか

    • 手を打てば何が変わるのか

スライドでやるべきことは:

  • 小さな数字が大量に並んだ表ではなく

  • 大きく、読める1つの数字を提示し

  • その数字の「物語」を熱を持って語ることです。

ミニサマリー:
数字→文脈→対比→影響、という流れで語ると、数字は一気に「生きた情報」になる。

5. 話し手のエネルギーは聴衆にどう影響するのか?

エネルギーの低いスピーカーは:

  • 場の空気を重くし

  • 聴衆のやる気を奪い

  • 自分のブランドも傷つけます。

一方で、前向きなエネルギーを持つスピーカーは:

  • 聴衆の気持ちを軽くし

  • 難しいテーマにも前向きに向き合う気持ちを生み

  • 「この人の話なら聞いてみよう」と思わせます。

あなたはどちらになりたいでしょうか?

  • 人を引き上げるスピーカー

  • エネルギーを奪うスピーカー

ミニサマリー:
あなたのエネルギーの質が、そのまま「場のエネルギー」を決める。

6. つまらないテーマに、どうやって「興味」と「熱量」を見つけるか?

テーマが地味なこともあります。
しかし、ビジネスの数字や報告の裏には必ず:

  • リスク

  • チャンス

  • コスト

  • 顧客への影響

  • 社員への影響

といった「意味」が隠れています。

やるべきこと:

  • 聴衆にとって「何が一番重要か?」を自分に問いかける

  • そのポイントに焦点を当てたストーリーや事例を用意する

  • 要所では意識的にギアを上げ、声・表情・ジェスチャーで熱量を見せる

常に全力で叫ぶ必要はありません。
しかし、ここが勝負どころ という場面ではきちんとエネルギーを上げる必要があります。

ミニサマリー:
テーマが地味でも、必ず「誰かにとって重要なポイント」がある。そこに熱をのせる。

7. どうすれば「エネルギーのある話し方」を身につけられるか?

エネルギッシュで説得力のある話し方は、生まれつきの才能ではなく「技術」 です。

身につけるために:

  • プレゼンテーション研修に参加する

  • 専門家からコーチングを受ける

  • 本番を想定したリハーサルを重ねる

  • 自分の動画を見て、表情・声・ジェスチャーをチェックする

忘れてはならないのは:

一度人前に立てば、あなたの「個人ブランド」と「プロフェッショナルブランド」が常に評価されている
ということです。

ミニサマリー:
プレゼンは「才能」ではなく「訓練の結果」。学びと練習で誰でも変わることができる。

要点整理

  • 数字の報告でも、説得が必要な場面では「熱量」が欠かせない。

  • 数字そのものではなく、「背景・対比・影響」を語ることで、数字は生きた情報になる。

  • スピーカーのエネルギーは、聴衆のエネルギーを上げも下げもする。

  • 地味なテーマでも、聴衆にとって重要なポイントを見つけて、そこに熱をのせる。

  • プレゼン力は訓練可能なスキルであり、リーダーとしてのブランドに直結する。

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デール・カーネギー東京では、数字の報告や社内プレゼンを、「退屈な説明」から「人を動かすメッセージ」に変えるプレゼンテーション研修・エグゼクティブ・コーチングを提供しています。


デール・カーネギー・トレーニングは、1912年米国創設以来、リーダーシップ、セールス、プレゼンテーション、エグゼクティブ・コーチング、DEIなど、世界中で100年以上企業と個人を支援してきました。東京オフィスは1963年設立、日本企業と外資系企業の成長を支え続けています。

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