プレゼンテーション

「話せる人」はなぜ指名され続けるのか — 社内レポートから満員のセミナーへつながるプレゼン戦略

ウィズダムツリー・インベストメンツ・ジャパンCEOのイェスパー・コール氏が講演する と聞くと、内容を細かく確認する前に、とりあえず申込みたくなります。

一度聞いたことがあればわかりますが、「今回も絶対に面白い」「学びがある」という 期待値 がすでに出来上がっているからです。

会場が毎回満席になる背景には、プロフェッショナルなレベルのプレゼン力そして、それによって構築された強力な個人ブランド があります。

これは一部の特別な人だけの話ではありません。
適切な トレーニングと戦略 を取れば、誰でも狙っていけるポジションです。

1. 評判は「後から」ついてくる — まず準備とトレーニングが先

よくある声:

「そもそも話す機会があまりないので、スキルを磨きようがない」

実は順番が逆です。

正しい順番は:

  1. まず プレゼンのトレーニング を受ける

  2. 社内外での機会を「掴みに行く」

  3. 毎回のプレゼンで 良い印象を積み重ねる

  4. その結果として「指名される側」になる

プロのスピーカーは、最初から有料で呼ばれていたわけではありません。

ビジネスの世界では、最初の一回目からレベルの高い話し方が求められる ため、なおさら「事前の訓練」が重要になります。

2. 実はチャンスだらけ:ほとんどの人はプレゼンが嫌い

まだ「名前で人が集まる」状態でないとしても、問題ありません。
むしろ今がチャンスです。

社内にはすでに:

  • 進捗報告

  • 部門レポート

  • プロジェクト説明

など、話す場面があります。

そして幸いなことに——そこに並ぶ長い順番待ちはほとんど存在しません。

なぜか?

  • 多くの人は人前で話すのが嫌い

  • やり方を知らない

  • 無理やりやらされるときも、魂が抜けたようなプレゼンになる

だからこそ、「私がやります」と手を挙げた人が一気に目立つ のです。

3. なぜ「話せる人」は昇進候補になるのか

トップマネジメントが見ているのは:

  • スライドは整理されているか

  • メッセージはわかりやすいか

  • 自信と説得力のある話し方ができているか

ここがしっかりしている人は、自然と:

  • 「会社を代表できる人」

  • 「外に出しても安心な人」

  • 「人を率いるポテンシャルがある人」

として認識されます。

つまり、プレゼンテーション能力=リーダー候補の重要条件 なのです。

4. 社内から社外へ — ステージが変わるとブランドも変わる

社内で評価され始めると:

  • 上司から「代わりに説明してくれないか」と頼まれる

  • 重要な会議でプレゼン役を任される

  • 外部セミナーや顧客向けイベントに登壇する機会が増える

こうして、社内スピーカー → 社外スピーカー へとステージが広がります。

一度社外に出始めると:

  • 顧客・業界関係者の目に触れる

  • 名前と顔がセットで覚えられる

  • 別の団体からも声がかかる

という「好循環」に入ります。

イェスパー・コール氏も、最初から今のようなポジションだったわけではなく、長年かけて磨いた結果として、「名前を聞いたらとりあえず申し込む」存在になったのでしょう。

ここで邪魔をしてくるのが インポスター・シンドローム(自分だけ場違い感) です。

しかし、覚えておきたい事実があります。

ビジネスプレゼンをしている人の99%は、
スキルレベルが「普通〜いまいち」の間に収まっている。

きちんとトレーニングを受け、準備をした時点で、上位5%に自動的に入っている と考えていいのです。

5. トピック選びと「紹介文」を自分で握る

スピーカーとしてブランドを築くうえで重要なのは:

  1. ホットなテーマを選ぶこと

    • タイムリーな話題

    • 業界の課題

    • 聴衆が「いま気になっていること」

  2. イベント告知の「紹介文」を自分で書くこと
    任せっぱなしにせず、自分の立ち位置・専門性・価値が伝わるように設計します。

この紹介文が:

  • 誰が申し込むか

  • どんな期待を持ってくるか

  • 「あなた=何の専門家」というイメージ

を決めます。

イェスパー氏の名前を見れば、多くの人は即座に「日本経済の話だな」と理解します。

あなたも:

  • リーダーシップ

  • 働き方改革

  • DX

  • セールス

  • 組織開発

など、特定のテーマと自分の名前を意図的に結びつけていく ことができます。

6. 当日の“見せ方”もブランドの一部:紹介と「間」を設計する

ブランド構築は、告知やテーマ選びだけで終わりではありません。

ステージに立つ瞬間から、印象は加速します。

① 司会者による紹介を「設計」する

  • 自分でしっかりした紹介文(実績・専門性・信頼感が伝わるもの)を用意する

  • 司会者に渡し、「この原稿通りに読んでください」としっかりお願いする

これにより、あなたを知らない人にも 事前に期待感を高める ことができます。

② ステージに立ったら、すぐに話し始めない

MCの紹介が終わり、会場の視線があなたに集まった瞬間——

  • 立ち位置に着く

  • しっかり観客を見る

  • 数秒、あえて話し出さない

この短い「間」が、会場全体の集中を一気に高めます。

1993年のスーパーボウルでのマイケル・ジャクソンのパフォーマンスでは、登場後、1分以上微動だにせず観客を引きつけました。
私たちはさすがにそこまでできませんが、数秒の静かな間 なら十分に実践できます。

7. 「期待を設計する」という発想でプレゼンを組み立てる

スピーカーの仕事は、情報を説明することだけではありません。

  • 告知段階で期待をつくり

  • 司会の紹介で期待を高め

  • 最初の一言までの「間」で期待をピークに持っていき

  • 本編で期待に応え、それ以上の価値を返す

この一連の設計が、個人ブランドとプロとしての評価 を決めます。

要点まとめ

  • プロレベルのプレゼン力は、個人ブランド構築の中核。

  • トレーニングが先、出番は後からついてくる。

  • 多くの人は人前で話すのが嫌いだからこそ、「やります」と言った人が目立つ。

  • 話せる人=昇進候補・会社の代表として見られやすい。

  • テーマ選び・紹介文・司会者の紹介・最初の「間」まで、すべてがブランドの一部。

もしあなたが:

  • 「社内で指名される人」になりたい

  • 「業界で名前を見たら申し込まれる人」になりたい

と感じているなら、

デール・カーネギー東京のプレゼンテーション研修・リーダーシップ・コミュニケーション・
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