4つの性格タイプを同時に惹きつけるプレゼン術 — データ・物語・情熱・実用性をどう設計するか
なぜ「自分の話し方」だけでプレゼンをすると失敗するのか?
ビジネスの会場には必ず、専門家・疑い深い人・信者・批判者・支持者・敵意ある人 が混在します。
業種・会社・年齢・男女構成などは主催者から事前に情報を得られます。
しかし決定的にわからないものがあります:
聴衆それぞれの“情報の受け取り方(バイアス)”。
つまり、自分と同じタイプだけに響く話し方をすると、大部分の聴衆を失う ということです。
多くのスピーカーは意図せず、自分の性格タイプに偏った話し方をします。
それこそが説得力を落とす最大要因です。
ミニサマリー:
聴衆は同質ではない。多様性を前提に設計しないと必ず抜け落ちが生まれる。
プレゼンで必ず向き合う4つの性格タイプとは?
どの会社・どの文化でも、聴衆は4つに分かれます:
分析型(Analytical)
協調型(Amiable)
表現型(Expressive)
成果志向型(Driver)
プレゼンテーション研修では、この4タイプそれぞれに響く要素を、“意図的に” プレゼンの中に織り込むのが基本です。
分析型(Analytical)を満足させるには?
彼らは:
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数字
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根拠
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論理性
-
精密なデータ
-
証拠
が大好物。
0.0001という数字でも大歓迎。
一方で、データだけを40分間連発すると、分析型だけが喜び、他の全員が死亡 します。
対策:
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データは「要所」に集中
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数値の裏付けを明確に
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想定される質問に先回りで回答
ミニサマリー:
分析型には“精度”を与えるが、全体をデータ漬けにはしない。
協調型(Amiable)を安心させるには?
協調型は:
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落ち着いた声
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温かいトーン
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人にまつわる話
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調和と関係性
を重視します。
嫌うのは:
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乱暴な言葉
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怒りの発散
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大音量の攻撃的トーク
彼らは質問もあまりしません。
低姿勢でいたいからです。
対策:
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人間関係や感情のストーリーを入れる
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エネルギーを落とす“静の時間”を作る
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聴衆の気持ちに寄り添う表現を使う
ミニサマリー:
協調型には“安心”を提供する。穏やかな時間が必要。
表現型(Expressive)を飽きさせないには?
表現型は:
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情熱
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ユーモア
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大きなジェスチャー
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エンターテインメント性
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ビッグピクチャー
を求めます。
退屈するのは:
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単調な声
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データの羅列
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低エネルギーの話
対策:
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要所で情熱を解き放つ
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未来の姿を語る
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大胆な声の変化を入れる
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“盛り上がりポイント”を意図的に作る
ミニサマリー:
表現型には“興奮”を提供する。感情の起伏が必要。
成果志向型(Driver)を納得させるには?
Driverが求めるのは:
「それを聞いて、自分は何を改善できるか?」
好きなのは:
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ステップ・フレームワーク
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3つのポイント、5つの原則、10の方法
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実用性
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結論ファースト
彼らはモチベーション演説を求めていません。
使える知識 を求めています。
対策:
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明確な結論・手順・方法を示す
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今すぐ使えるTipsを提供
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価値と成果を強調
ミニサマリー:
Driverには“実用性”を提供する。使えるアウトプットが必須。
4タイプすべてに刺さるプレゼンはどう作る?
答えは:
同時にではなく、“順番に”満たす。
プレゼン内容を以下のように構成します:
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データの瞬間(Analytical)
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人のストーリー(Amiable)
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情熱の爆発(Expressive)
-
実用的なフレームワーク(Driver)
これを意図的に入れ替えながら進行することで、全員に「あ、これ自分向けだ」と思わせることができます。
ミニサマリー:
プレゼンは“バランス料理”。データ・感情・物語・実用性のすべてが必要。
要点整理
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聴衆は4つの性格タイプで構成される。
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自分のタイプだけに合わせた話し方は必ず一部を置き去りにする。
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分析型にはデータ、協調型には安心、表現型には情熱、Driverには実用性。
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4つすべてを“順番に”満たす構造を作ることが説得力の源泉。
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バランスをデザインするのがプロのプレゼンテーション。
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デール・カーネギー・トレーニングは1912年米国創設以来、リーダーシップ、セールス、プレゼンテーション、エグゼクティブ・コーチング、DEIなど、世界中で100年以上企業と個人を支援してきました。
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