プレゼンテーション

人が集まる講演タイトルの作り方 — 集客できるタイトル・説明文・プロフィールの設計術

集客は主催者任せにできない

講演を頼まれたにせよ、自分から申し出たにせよ、聴衆がいなければプレゼンは成立しません。

会場予約や機材準備は主催者の仕事ですが、50人用の会場に5人しか来なかったら、誰がどう見ても「成功」とは言えません。

  • 「ちょっと痛々しいな…」

  • 「このテーマは人気がないのかな」

  • 「このスピーカー、人を集められないんだ」

こうした印象は、そのまま あなたのパーソナルブランド に跳ね返ってきます。

だからこそ、集客をすべて主催者任せにはできません。
そこで最初に効いてくるのが 講演タイトル です。

ミニサマリー:
スカスカの会場はブランドダメージ。タイトルは自分でコントロールできる集客レバー。

タイトルは「ラベル」ではなく「フック」である

多くのスピーカーは、タイトルを「中身を説明するラベル」ぐらいにしか考えていません。

一方で、新聞・雑誌・Web広告の見出しは、プロのコピーライターが徹底的に磨き込みます。

なぜなら:

タイトル=読まれるかどうかを決める“入り口”だから。

スピーカーも同じ発想を持つべきです。

良いタイトルの条件:

  • 内容と聴衆にフィットしている

  • 興味を“引っかける”要素がある

  • 価値が一目で分かる

  • 短くて覚えやすい

ミニサマリー:
タイトルの仕事は「礼儀正しく説明すること」ではなく、「人を引っかけて連れてくること」。

本文から“引き抜いて”タイトルを作る流れ

きちんと構成されたプレゼンには、すでにタイトルの材料が埋まっています。

おすすめの流れ:

  1. 最初に「パンチライン」(一番言いたいこと)を短く定義する

  2. それを支える「骨組み」(セクション・サブトピック)を作る

  3. 聴衆の頭の中の雑念を吹き飛ばす強烈なオープニングを設計する

ここまでできたら、もう一度オープニングに戻ってフックを探します。

  • 一番刺さる一言はどこか

  • 感情が動くポイントはどこか

それをベースに、短く・分かりやすく・魅力的なタイトルに仕上げていきます。

ミニサマリー:
先にプレゼン本体を組み立ててから、オープニングのフックを“タイトル化”する。

事例:「The Terrible Twelve Typical Errors…」というタイトル設計

主催者からほとんどお題が出ず、「とにかく人が集まるテーマでお願いします」とだけ言われたとします。

こう考えます:

  • 「多くの人に共通する悩みは何か?」

  • 「文化・年齢・性別をまたいで、怖がられているテーマは何か?」

そこで選んだのが “プレゼンテーション(人前で話すこと)”

  • 多くの人が苦手意識を持っている

  • 自分自身が専門家として十分な経験と自信を持っている

バルーン・ブレインストーミング法で15のサブトピックを出し、時間内で扱えるように12個に絞り込みます。

次にタイトル設計:

  • 数字を入れて価値を明確に

  • ミス(痛み)にフォーカス

  • 「直し方」(解決)も約束

  • 音のリズム(頭韻)で記憶に残す

結果できたタイトルが:

The Terrible Twelve Typical Errors That Presenters Make And How To Fix Them

Terrible / Typical / Twelve の頭韻と、Errors / Presenters / Fix のキーワードで、「誰向け」「何の話」「どんな価値」が一瞬で伝わります。

ミニサマリー:
数字+痛み+解決+リズム=読むだけで行きたくなるタイトル。

「説明文」はミニエッセイではなく“価値の宣言”

タイトルが決まったら、次はイベント告知用の 2〜4文の説明文 が必要です。

ここで書くべきなのは:

  • ターゲットの「痛み」

  • この講演で扱うポイント

  • 参加することで得られる具体的なメリット

おすすめの構成:

  1. 一文目:今、参加者が感じている問題・ストレス

  2. 二文目:この講演で扱う内容の範囲

  3. 三文目:参加後にどう変わるのか

これは「読み物」ではなく、「来場を決めてもらうためのセールス文」 です。

ミニサマリー:
説明文は“内容紹介”ではなく、“参加する理由”を書く場所。

プロフィールは「経歴書」ではなく“ブランド広告”

最後に必要なのが、講演用の カスタマイズされたプロフィール です。

やってはいけないのは:

  • 修正した履歴書をそのまま送る

  • なんでもかんでも全部盛りで長文化する

プロフィールは:

  • 今回のテーマに関連する実績だけを厳選し

  • 箇条書きではなく“力のある文章”で

  • 「なぜ自分がこのテーマを語る資格があるのか」を示す

そして忘れてはいけないポイント:

あなたのプロフィールを読む人の方が、実際の会場に来られる人より多い。

つまり、イベント告知のたびに、あなた自身のブランド広告が世の中に流れる ということです。

ここは遠慮する場面ではありません。

  • 何冊の本を書き

  • どんな企業を支援し

  • どんな経験を持っているのか

「この人の話なら聞く価値がある」と思わせる情報だけを選び抜きます。

ミニサマリー:
プロフィールは使い捨てではなく、「資産化された自己紹介広告」。

要点整理

  • 集客は主催者任せにせず、タイトル設計から関わるべき。

  • タイトルはラベルではなくフック。短く・具体的で・価値が匂うこと。

  • プレゼン構成(パンチライン・骨組み・オープニング)を作ってから、オープニングのフックをタイトルにする。

  • 数字・痛み・解決・リズムを組み合わせると、人が集まるタイトルになる。

  • 説明文は「痛み」と「得られる変化」を短く強く伝える。

  • プロフィールは履歴書ではなく、自分ブランドの広告として設計する。

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デール・カーネギー東京では、

  • 集客力の高い講演タイトルの作り方

  • 思わず参加したくなる説明文の構成

  • 「この人の話を聞きたい」と思わせるプロフィール設計

を、プレゼンテーション研修やリーダーシップ研修の中で具体的にお伝えしています。


デール・カーネギー・トレーニングは1912年米国創設以来、リーダーシップ、セールス、プレゼンテーション、エグゼクティブ・コーチング、DEIなどで100年以上世界の企業と個人を支援してきました。

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