プレゼンテーション

最強の「アイデア・バルーン法」でゼロからプレゼンを組み立てる方法

テーマが曖昧な依頼…どこから始める?

先日、「講演をお願いしたい」と依頼が来ました。
私の最初の質問は、「どんなテーマで話しましょうか?」

返ってきた答えは、広い。曖昧。抽象的。

これは 良くも悪くもある

  • 良い点 → さまざまな角度から構成できる

  • 悪い点 → どこから手をつけるのか見えない

しかし、やってはいけないのは:

  • 過去のスライドを探す

  • いきなりスライドを作り始める

  • 頭に浮かぶ順に箇条書きする

これは典型的な “スライド先行型の素人スピーカー” のやり方。
ここに属してはいけません。

本物のプロは、全く別の場所からスタートします。

ミニサマリー:
曖昧な依頼はチャンス。スライドから考えるのは素人の罠。

「アイデア・バルーン法」が圧倒的に使える理由

プレゼンの最初の難関は “何を話すか”
そこで私が必ず使うのが、アイデア・バルーン・ブレインストーミング法

この手法は:

  • 広さ(Breadth)

  • 深さ(Depth)

  • 速度(Speed)

すべてを兼ね備え、数分で質の高い発想が大量に出る。

ミニサマリー:
短時間で最も多く、最も深く発想できる構造化手法。

ステップ①:紙とペン — 最強の発想ツール

アナログ? はい。
効果は? 圧倒的です。

特に視覚型学習者は、紙の上に広がる構造を見て初めて、脳が本気で動き出す。

手順:

  1. 中心にキーワードを書く(例:「プレゼン」)

  2. ○で囲み、中心バルーンを作る

  3. 関連要素を周囲に書き出し、同じく○で囲む

  4. 線で中心と結ぶ

例として「プレゼン」なら:

  • テーマ選定

  • 準備

  • デリバリー

  • 聴衆分析

  • 典型的ミス

これら一つ一つを新しい紙へ移し、さらに深掘りを始める。

ミニサマリー:
中心→周囲→別紙へ昇格。この構造化こそ創造のエンジン。

ステップ②:正しい順番で深掘りする

まず最初にやるべき深掘りは:
「誰に話すのか?」

つまり 聴衆分析 を最初に展開する。
バルーンには例えば:

  • 男女比

  • 経験値

  • 年齢構成

  • 業界

  • 言語レベル

これらは主催者に聞いておくべき情報。
レベル設定を誤れば、すべてが崩れます。

次に「テーマ選定」、ここからさらに深掘り:

  • タイムリー性

  • データの有無

  • 自分の角度

  • 自分の専門性

  • 聴衆メリット

  • 聴衆が興味を持つ理由

例えば「タイムリー性」だけで:

  • コロナ影響

  • 在宅勤務

  • メンタルヘルス

  • 離職増加

  • 生産性

  • キャッシュフロー
    など、瞬時に広がる。

ミニサマリー:
広く→深く→選択的に。10分で圧倒的な素材が揃う。

ステップ③:価値でふるいにかける(ゴールド選別)

ここからが本当の勝負。
講演時間は有限、あなたの評判は無限。

基準は:

  • 聴衆に最大の価値を与えるのはどれか

  • 最も強く響くポイントはどれか

  • 結論(パンチライン)を支えるのはどれか

多すぎる内容はプロではなくアマチュア。
削ぎ落としこそプロの証。

ミニサマリー:
選択は思いやり。削るほど、価値が濃くなる。

ステップ④:パンチライン(結論)を一文で書く

ここで 一文 の結論を書く。
短いほどいい。
明確であるほど強い。

書けないなら、考えが整理されていない証拠。

次に、パンチラインを支える証拠(サブチャプター)を配置し、5分ごとに刺激を変え、注意力を維持させる。

ミニサマリー:
結論を一文に圧縮することで、全体が一気にクリアになる。

ステップ⑤:最後にオープニングを作る(最重要)

最初に設計しがちだが、実は 最後に作るべき部分

理由:

  • 聴衆の脳内の雑音を吹き飛ばす必要がある

  • 信用を一瞬で勝ち取らねばならない

  • 気を抜けばスマホに逃げられる

開始15秒は、あなたのブランドが試される瞬間。

強烈でなければ意味がない。

ミニサマリー:
オープニングは最後に設計する。理由は「最重要だから」。

ステップ⑥:スライドは最後に作る(鉄則)

スライドはプレゼンではない。
スライドは あなたのサポート役 に過ぎない。

順番:

  1. アウトライン

  2. パンチライン

  3. 証拠チャプター

  4. オープニング

  5. そして最後にスライド

逆順で作る人は、例外なくクオリティが低い。

ミニサマリー:
アウトラインが先。スライドは最後。これがプロの作法。

要点整理

  • プレゼン作りは「スライドから始める」と必ず失敗する

  • アイデア・バルーン法は最速で最高の発想を生む

  • 最初に取り組むべきは「聴衆分析」

  • 内容は“削る勇気”で価値が決まる

  • 結論は一文にまとめる

  • オープニングは最後に設計する

  • スライドは一番最後に作る

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デール・カーネギー東京では、

  • アイデア創出メソッド

  • パンチライン設計

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  • 高インパクト構成術

を組み合わせ、企業リーダーとプロフェッショナルに
“伝わる・刺さる・動かす”プレゼン設計術を提供しています。


デール・カーネギー・トレーニング(1912年創設)は、リーダーシップ、セールス、プレゼンテーション、コーチング領域で100年以上、世界の企業と個人を支援してきました。

東京オフィス(1963年設立)は、日本企業・外資系企業のエグゼクティブ育成を長年担っています。

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