オンラインプレゼン成功の核心 — テクノロジーに支配されない話し方と設計術
オンラインで話すと、なぜ“本来のプレゼンス”が消えてしまうのか?
日本企業・外資系企業ともにオンラインプレゼンは日常化しました。しかし現実には——
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画面の自分が豆粒のように小さい
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音声が不安定
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ブレイクアウトが機能しない
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事前に用意した投票機能が消える
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スライドに支配されて“ただのナレーション担当”になる
など、テクノロジーがプレゼンを台無しにする場面が後を絶ちません。
オンラインの本質的な難しさは、話し手がテクノロジーに主導権を奪われることにあります。
本記事では、デール・カーネギーの原則と60年以上の東京での指導経験に基づき、テクノロジーに振り回されずに“伝わるオンラインプレゼン”を構築する方法を解説します。
Q1:オンラインプレゼンで“最も難しいこと”は何か?
答えはシンプル:
テクノロジーである。
・顔が小さく表示され表情の力が伝わらない
・音声が乱れる
・参加者が操作できず混乱する
・プラットフォームが突然不具合を起こす
テクノロジーに気を取られ、本来のプレゼン原則(目的・構成・説得力)が吹き飛んでしまうのです。
ミニサマリー
オンラインの最大の敵は“集中を奪うテクノロジートラブル”。本質を守る姿勢が必要。
Q2:まず考えるべきは、プレゼンの“目的”である
目的が曖昧なままでは、オンラインは必ず失敗します。
あなたは参加者に——
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情報を与えたいのか?
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考え方を変えてほしいのか?(説得)
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行動を起こしてほしいのか?(動機づけ)
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自分自身を高めてほしいのか?(インスピレーション)
目的が異なれば、設計も伝え方も大きく変わります。
ミニサマリー
オンラインほど“目的の明確化”が重要。目的が構成・スライド・話し方を決める。
Q3:限られた時間で最大のインパクトを出すには?
オンラインは対面以上に疲れます。
プレゼンターも、視聴者もです。
だからこそ:
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内容は“最も価値ある中核”に絞り込む
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1時間のセッションなら途中に短い休憩を入れる
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スライドは必要最小限にする
オンラインは“濃度”が命です。
ミニサマリー
内容は徹底的に少なく・深く。オンラインは情報過多が最大の敵。
Q4:なぜオンラインのカメラ角度は“信頼性”を左右するのか?
多くのプレゼンターがやりがちな失敗:
ノートPCを机に置いたまま話す → 鼻の穴を世界配信する。
これでは信頼感もプロフェッショナリズムも生まれません。
改善策
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カメラは必ず目線の高さへ
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可能な限り“カメラを見る時間”を増やす
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画面ではなく“レンズに語る”意識を持つ
ミニサマリー
カメラ位置の改善だけでオンラインの印象は劇的に向上する。
Q5:オンライン特有の“退屈問題”をどう打破するか?
オンラインが“一方通行で眠くなる”最大の理由は、参加者を巻き込んでいないから。
有効な参加手法
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**投票機能(Polling)**で参加意識を引き出す
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全体共有(ブレイクアウトに頼りすぎない)
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チャットは人数が多いと“スロットマシン化”するので使いすぎない
150名参加のオンライン研修で音声障害が発生し、チャット対応した結果、
画面が高速に流れ、誰も読めない“カオス状態”になった例もあります。
ミニサマリー
参加者を巻き込むなら“量ではなく質”。投票や全体共有を軸にする。
Q6:スライドとホワイトボードは“毒にも薬にもなる”
よくある誤り
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スライドの文字量が多い
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画面がスライドで埋まり、話し手が“5%の小窓”になる
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ホワイトボードの文字が小さすぎて読めない
スライドに支配された瞬間、あなたは“ナレーター”に格下げされます。
改善策
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スライドは徹底的に減らす(スパルタン化)
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画像中心にし、説明は話し手が担う
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話し手が主役となる画面構成を死守する
ミニサマリー
オンラインでは“スライドの削減”が最大の武器。画面支配権を取り戻す。
Q7:オンラインで“動画”が失敗する理由とは?
動画は便利に見えますが、実際は——
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本編と内容がズレている
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メッセージ価値が低い
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マーケティングやIR向けの“宣伝動画”が多い
つまり、動画は“逃げ”になりやすい。
プレゼンターが責任を持って語るほうが圧倒的に価値が高いのです。
ミニサマリー
動画は安易に使わない。あなた自身の言葉こそ最大の信頼資産。
Q8:オンライン成功の決定要因は“テクノロジー練習量”である
多くのプレゼンターがスライド作成に時間を割き、テクノロジー練習を怠るという致命的なミスを犯します。
だが真実は逆です。
オンラインで勝つためのルール
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スライドよりも テクノロジー操作の練習が重要
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想定トラブルに備えて Plan B・C・D を用意
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回線トラブル時は“代替音声ルート”(電話など)も準備
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リハーサルは“本番と同じ環境”で行う
150名研修でWebExの音声が突然停止した際、プロデューサーが電話で音声を復旧し、進行を救った例もあります。
ミニサマリー
オンラインは「練習量=成功確率」。本番で学ぼうとすると必ず失敗する。
要点整理
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オンラインの最大の敵は“テクノロジー”。主導権を奪われると本質が崩れる
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プレゼン目的を明確化し、それに基づいて設計する
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カメラの位置・画面構成が信頼性を左右する
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参加者巻き込みは“質”が鍵。チャット過多は混乱を招く
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スライドは徹底的に削ることで、話し手が主役になる
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動画は本編とズレやすく、乱用は危険
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テック練習こそオンライン成功の土台
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