ビジネス・プレゼンテーションで成果を出すストーリーテリング ― なぜ事実より「物語」が人を動かすのか ―
なぜビジネスにストーリーテリングが必要なのか?
ストーリーテリングは誰もが知っている概念ですが、ビジネスの現場では十分に活用されていません。
多くのプレゼンテーションは、
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主張
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データ
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事実
で構成されます。しかし、聴衆は本能的にストーリーに対して最も心を開きます。
話し手の意見は、しばしば疑念や反論を生みます。
一方、同じ内容がストーリーとして語られると、抵抗なく聴衆の頭と心に入っていきます。
ミニサマリー
事実は理解され、ストーリーは受け入れられ、記憶されます。
なぜ「主張」より「物語」の方が受け入れられるのか?
人は、
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強い断定
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抽象的な意見
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数字の羅列
に対して、防御反応を示します。
しかし、物語は「評価」ではなく「体験」として処理されます。
その結果、
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疑う前に理解する
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反論する前に共感する
という心理状態が生まれます。
ミニサマリー
ストーリーは、思考ではなく感情の扉からメッセージを届けます。
プレゼンテーション設計の基本構造とは?
効果的なプレゼンテーションは、偶然ではなく設計です。
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キーメッセージを一文にする
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米粒に書けるほど短く、明確に
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主張を支える章立て(チャプター)を作る
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Q&A前のクロージングを設計する
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最終クロージングを設計する
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冒頭で聴衆の注意を奪うオープニングを用意する
このすべてに、ストーリーを組み込むことができます。
ミニサマリー
優れたプレゼンは、構造の中に物語を戦略的に配置しています。
「マイクロ・ストーリー」とは何か?
マイクロ・ストーリーとは、短く、要点が明確な物語のことです。
長い逸話ではなく、1〜2分で完結する小さな物語を指します。
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冒頭:注意を引く短いエピソード
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本論:事実やデータを補強する体験談
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クロージング:記憶に残す象徴的な話
これらはすべてマイクロ・ストーリーです。
ミニサマリー
短い物語こそ、ビジネスでは最も強力な武器です。
オープニングでストーリーを使うと何が起きるのか?
冒頭の数分で、聴衆は
「この話を聞く価値があるか?」
を判断します。
短いストーリーは、
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スマートフォンから視線を上げさせ
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空気を一変させ
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話の文脈を一瞬で共有
する力を持ちます。
ミニサマリー
ストーリーは、聴衆を“聞く姿勢”に変えるスイッチです。
本論(チャプター)でストーリーはどう使うべきか?
各チャプターに、証拠を補強するストーリーを入れます。
データや事実は重要ですが、それ単体では無機質です。
そこに、
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なぜその数字が生まれたのか
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誰がどんな行動をしたのか
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どんな結果につながったのか
という物語を加えることで、血の通った情報になります。
ミニサマリー
ストーリーは、データに「理由」と「意味」を与えます。
クロージングでストーリーが果たす役割とは?
クロージングの目的は一つ。
記憶に残すことです。
Q&A前のクロージング、最終クロージング、どちらにも
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短く
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印象的で
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感情を伴う
ストーリーを配置します。
聴衆の脳に、物語ごとメッセージを貼り付けるイメージです。
ミニサマリー
最後に残るのは、結論ではなく物語です。
30分のプレゼンには、いくつのストーリーが入るのか?
目安として、
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オープニング:1
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チャプター(約5):5
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クロージング:2
合計8つのストーリーを入れることが可能です。
それらは、
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自分自身の体験
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社内の逸話
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顧客事例
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歴史上の人物
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他社の成功・失敗例
など、幅広く活用できます。
ミニサマリー
優れたプレゼンは、複数の物語で織り上げられています。
自社にはどんなストーリーが眠っているのか?
どの企業にも、豊富な物語があります。
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製品やサービスは、なぜ生まれたのか
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誰が、どんな思いで作ったのか
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創業者は何を目指したのか
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なぜこの会社は生き残ってきたのか
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顧客の世界をどう変えたのか
これらは、プレゼンだけでなく、
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会社紹介
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Webサイト
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営業資料
にも活用できます。
ミニサマリー
企業の価値は、物語として語られて初めて伝わります。
なぜ「ストーリー・ライブラリ」を作るべきなのか?
私たちは、物語に囲まれて働いています。
問題は、集めていないことです。
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社内のエピソード
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顧客成功事例
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他社の優れた物語
を日常的に収集し、ストーリー・ライブラリとして蓄積します。
そうすれば、
「次のプレゼンで何を話そう?」
と悩む必要はありません。
ミニサマリー
ストーリーは即興ではなく、準備する資産です。
要点整理
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人は事実よりもストーリーに心を開く
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マイクロ・ストーリーを全構成に組み込む
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データは物語と組み合わせて初めて力を持つ
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ストーリーは集め、蓄積し、再利用する
ストーリーテリングは才能ではなく、設計と訓練の技術です。
日本企業・外資系企業双方で成果を出すためには、体系的な習得が不可欠です。
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