プレゼンテーション

なぜ「単調な話し方」は聴衆を確実に眠らせるのか? ― モノトーンがプレゼンを破壊する本当の理由 ―

なぜ話の内容が良くても、聴衆は眠ってしまうのか?

日本人の話し方は単調になりやすい。
これは文化的背景もあり、ある意味仕方のない側面があります。

しかし、外国人スピーカーには言い訳は通用しません。

もしあなたがモノトーンで話しているなら、
聴衆を失う覚悟をしてください。

40分間、抑揚のない声を聞かされ続ければ、どれほど重要で刺激的なテーマであっても、睡魔の方が確実に勝ちます。

ミニまとめ
話の価値は、声の使い方一つで台無しになる。

なぜ私は「重要な講演」で睡魔と戦うことになったのか?

私は万全の状態で、その講演に臨みました。
テーマは重要、登壇者の経歴も輝かしい。

――ところが。

彼の話し方は、王子どころか道化師でもなく、処刑人の独白のようでした。

抑揚のない声が延々と続き、私は前列に座ったことを激しく後悔しました。

「なぜ、この重要なテーマが、 こんな形で公開処刑されているのか?」

ミニまとめ
単調な話し方は、内容そのものを殺してしまう。

モノトーンはなぜ「冷蔵庫の音」なのか?

モノトーンの正体は、ホワイトノイズです。

例えるなら、大型キッチンにある西洋型の冷蔵庫が発する「低く、一定で、終わらない音」。

  • 高低差がない

  • 変化がない

  • ずっと続く

脳にとっては、無視する対象になります。

講演者のモノトーンは、この冷蔵庫音とまったく同じ働きをします。

(もちろん、本人に「あなたの話は冷蔵庫の音みたいでした」と言う必要はありません。思うだけにしましょう。)

ミニまとめ
変化のない音は、脳にスルーされる。

なぜ「間(ポーズ)」がないと理解できないのか?

その講演者は、ほぼノンストップで話し続けていました。

しかし、ポーズは脳のための翻訳時間です。

  • 「今の話を理解する」

  • 「自分なりに意味づけする」

この時間がないと、一つの考えが、次の考えの波に飲み込まれてしまいます。

ポーズは「今、重要なことが起きましたよ」という注意喚起のブザーでもあります。

ミニまとめ
間のないプレゼンは、理解を許さない。

モノトーンには「キーワード」が存在しない

モノトーンでは、

  • すべての文章が同じ価値

  • すべての単語が平等

になります。

民主主義としては素晴らしいですが、プレゼンとしては最悪です。

私たちは、どの言葉が重要なのかを示してほしいのです。

声の強弱、スピード、抑揚によって、話し手は聞き手を「思考の道筋」に導きます。

それがないと、話は単なる音の羅列になります。

ミニまとめ
声の抑揚は、聞き手の思考を誘導するナビゲーション。

良いプレゼンは「痛くない」

プレゼンは、本来こうあるべきです。

  • 情報を得る

  • 納得する

  • 刺激を受ける

  • 楽しむ

苦行である必要はありません。

自分の話し方を確認するには、録音・録画が最も効果的です。

  • 抑揚はあるか

  • ポーズを使っているか

  • 強調したい言葉を打ち出しているか

もしできていなければ、聴衆のために枕を用意することになります。

ミニまとめ
眠くなるプレゼンは、話し方の設計ミス。

今すぐできる改善アクション

アクション ステップ

  1. 声に変化をつける
     強くする/弱くする/速くする/遅くする
     (日本語話者でも、これは必ず可能)

  2. 意図的にポーズを入れる
     理解と注意のための「間」を作る

  3. キーワードを叩く
     聞き手に「ここが重要だ」と示す

まとめ:声は、最強のプレゼンツールである

どんなに素晴らしい内容でも、モノトーンで語れば、記憶には残りません。

声の抑揚、間、強調。
これらは才能ではなく、技術です。

話す内容を磨くと同時に、話し方そのものを鍛える

それができた瞬間、あなたのプレゼンは「眠りの儀式」から「記憶に残る体験」へと変わります。

単調な話し方から卒業し、 人を惹きつけ、動かすプレゼンテーションを身につけたい方へ。

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デール・カーネギー・トレーニングは、1912年米国創設以来、リーダーシップ、セールス、プレゼンテーション、エグゼクティブ・コーチング、DEIなど、世界中で100年以上企業と個人を支援してきました。

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