なぜ「視覚演出」を制御できないプレゼンは失敗するのか? ― ディストラクション時代に生き残る視覚要素の使い方 ―
なぜ現代のプレゼンは「視覚演出」と戦っているのか?
プレゼンテーションにおいて、視覚要素が強力であることに疑いの余地はありません。
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アイコンタクト
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ボディランゲージ
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ジェスチャー
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スライド
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動画
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場合によっては、照明や演出効果
スポーツイベントを思い浮かべてください。
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ハーフタイムショーの音楽と花火
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ゴール後に大型スクリーンが映し出す決定的瞬間
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ボクサー入場時の派手な演出
こうした感情を揺さぶる視覚体験が、今や私たちの「基準」になっています。
そして、あなたはその世界と競争しているのです。
ミニまとめ:
現代のプレゼンは、日常的な“超刺激”と比較されている。
なぜ「情報の質」だけでは勝てないのか?
あなたはスライドリモコンを手に、観客の前に立っています。
一方、聴衆はどうでしょうか。
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超リアルなゲーム
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バズる動画
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ライトショー
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高速カット映像
こうした刺激に慣れきっています。
そこで、モノトーンで話し、退屈な態度で、「情報が良いから大丈夫」と考える。
残念ながら、それは過去にも通用しませんでしたし、今は完全に通用しません。
注意されていない情報は、存在しないのと同じです。
ミニまとめ:
注目されなければ、どんな良い情報も価値はゼロ。
なぜ聴衆はすぐスマホに逃げるのか?
私たちは「ディストラクションの時代」に生きています。
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退屈を感じた瞬間
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話が分かりにくいと感じた瞬間
聴衆は迷わずスマートフォンに手を伸ばします。
しかも、テレビを見ながらでもスマホを使う「マルチタスク」が常態化しています。
集中力を奪う存在が、常に手元にあるのです。
ミニまとめ:
聴衆は「退屈への耐性」をすでに失っている。
スライドは「最大の味方」であり「最大の敵」
スライドは便利ですが、常に危険と隣り合わせです。
特にやってはいけないのが、
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事前にスライドを配布すること
あなたが2枚目を説明している間に、聴衆は18枚目を読んでいます。
その瞬間、あなたと聴衆の接続はほぼ切断されます。
スクリーンが主役になり、話し手は背景に追いやられるのです。
ミニまとめ:
スライドを主役にすると、話し手は消える。
動画はなぜ「一瞬しか効かない」のか?
動画は、
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アクション
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ドラマ
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スピード感
を美しく伝えることができます。
しかし、ここで重要な言葉があります。
それは「印象(インプレッション)」。
動画は、短時間だけ注意を独占しますが、持続力はありません。
動画が終われば、聴衆の意識は再びディストラクションへ戻ります。
ミニまとめ:
動画は強力だが、放置すると一過性で終わる。
なぜ動画は「流すだけ」ではダメなのか?
多くのプレゼンターは、動画を完全に放置しています。
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ただ再生する
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ただ終わる
これでは、すべてのシーンが「同じ価値」になってしまいます。
それは、モノトーンで話すのと同じことです。
動画にも“強調”が必要です。
ミニまとめ:
動画も、話し手の意図で制御しなければ意味がない。
動画を「武器」に変えるセットアップの方法
動画を使うなら、必ず イントロ(導入) と アウトロ(回収) を用意します。
イントロ例
「この動画では、チーフサイエンティストのインタビューに注目してください。彼女の一言が、皆さんの視点を大きく変えるかもしれません。」
こう言われた瞬間、聴衆は「何が起きるのか?」と身構えます。
アウトロ例
「今の動画が示しているのは、私たちが選択すれば未来はコントロールできる、という点です。」
こうして、動画を自分のメッセージに回収します。
ミニまとめ:
動画は「前振り」と「回収」で初めて意味を持つ。
視覚要素は「召使い」であって「主人」ではない
最悪の状態はこうです。
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動画が主役
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スライドが主役
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話し手が振り回される
この場合、視覚要素がスピーカーを支配しています。
正解はその逆。
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視覚要素は補助
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主役は常に話し手
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メッセージが中心
ディストラクションの時代は、同時に プレゼンターにとっての破壊の時代でもあります。
だからこそ、視覚要素は必ず制御しなければなりません。
ミニまとめ:
視覚要素は「使うもの」であって「使われるもの」ではない。
まとめ:視覚要素を制する者が、プレゼンを制する
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情報の質だけでは勝てない
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視覚要素は両刃の剣
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スライドと動画は必ず制御する
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主役は常に話し手
視覚要素を召使いにできたとき、あなたのプレゼンは、ディストラクションに打ち勝ち、記憶に残る体験へと進化します。
スライド・動画・視覚演出を 説得力の武器として使いこなしたい方へ。
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