リーダーシップ

組織がバラバラになる理由と解決策 —— 成果を生む8つのアラインメント要素

組織は、多くの「動く部品」でできています。

部署間の対立、エゴ、個人プレー、「うちではそうやらない(Not Invented Here)」症候群——。

さらに、規制変更、競合のM&A、自然災害、市場変動など、外部環境も常に揺れ動いています。
この複雑な状況の中で、組織を一つの方向に揃え続けること は、リーダーの最重要課題の一つです。

では、どうすれば個人と組織を同じ方向にアラインさせ、成果につなげる ことができるのでしょうか。

鍵となるのが、以下の 8つのアラインメント要素 です。

Q1. なぜ組織は「足並みが揃わなくなる」のか?

多くの組織では、

  • 各部署が自分の最適を優先する

  • 個人の評価軸がバラバラ

  • 全体像が見えない

といった理由から、結果として 全体最適が崩れます

リーダーの役割は、この分断を防ぎ、共通のゴールに向かって力を束ねること です。

ミニサマリー
👉 組織の問題の多くは「能力不足」ではなく「方向性の不一致」から生まれます。

Q2. 要素① ビジョンとミッションはなぜ最初に必要なのか?

ビジョン は、組織が向かう「明るい未来像」です。
多くの場合、

  • 会社全体のビジョン(マクロ)

  • 部署・チームのビジョン(ミクロ)

の2層構造になります。

チームのビジョンは、全社ビジョンをどう実行するのか を具体化する役割を持ちます。

一方、ミッション は、「何をするのか」「何をしないのか」を明確にし、判断基準を与えます。

ミニサマリー
👉 ビジョンは「向かう先」、ミッションは「やること・やらないこと」を示します。

Q3. 要素② 価値観(バリュー)はなぜ組織の接着剤なのか?

価値観は、組織文化を形づくる接着剤 です。

共通の価値観がなければ、人は「同じゴール」に向かっても「違うやり方」で動き始めます。

もちろん、個人の価値観は多様です。
だからこそ、「この組織では、どう成果を出すのか」 を明確にする必要があります。

ミニサマリー
👉 価値観が揃わなければ、行動は揃いません。

Q4. 要素③ ポジション目標は、なぜ人を動かすのか?

自分たちのチームは、

  • 業界でどの位置にいるのか

  • 市場シェアを狙うのか

  • 収益性を重視するのか

  • 成長スピードを追うのか

こうした 立ち位置(ポジション) は、特に大組織では強いモチベーション要因になります。

「自分たちの努力が、組織のランキングや評価にどう貢献しているのか」が見えると、仕事は意味を持ち始めます。

ミニサマリー
👉 ポジション目標は、仕事に「誇り」と「意味」を与えます。

Q5. 要素④ KRA(重要成果領域)とは何か?

KRA(Key Result Areas)とは、特に成果を出さなければならない重点領域 のことです。

すべてが同じ重要度ではありません。
優先順位を明確にし、

  • 測定

  • 可視化

  • 共有

を続けることで、組織の集中力が高まります。

ミニサマリー
👉 何を最優先するかが明確でなければ、力は分散します。

Q6. 要素⑤ スタンダード(基準)がないと何が起きるのか?

成果基準とは、「仕事がうまくいった状態」を定義するもの です。

SMART(具体・測定可能・達成可能・関連性・期限)を用いることで、主観ではなく客観で仕事を評価できます。

基準がなければ、

  • 何が良いのか分からない

  • 人によってやり方が違う

  • 一貫性が失われる

という問題が起きます。

ミニサマリー
👉 基準は、仕事と組織に「型」を与えます。

Q7. 要素⑥ 活動は本当に成果につながっているか?

KRAを達成するためには、どんな活動が必要なのか を明確にする必要があります。

忙しさ=成果ではありません。
成果に直結しない「作業」は、船底に付くフジツボのように、スピードを落とします。

ミニサマリー
👉 忙しい組織ほど、「やらなくていい仕事」を見直す必要があります。

Q8. 要素⑦ スキルは足りているのか?

目標達成に必要なスキルが、チームに本当に揃っているかを確認する必要があります。

  • 研修・コーチングで補えるか

  • 人材を追加する必要があるか

日本では人員入れ替えが難しい場合も多いため、育成の重要性はさらに高まります

ミニサマリー
👉 スキル不足のままでは、どんな計画も絵に描いた餅です。

Q9. 要素⑧ 結果から何を学ぶのか?

最後に確認すべきは、

  • 目標は達成できたのか

  • 成果の質はどうだったのか

  • 何を学んだのか

失敗であっても、学びがあれば次の成功への準備になります。

ミニサマリー
👉 結果を振り返らない組織は、成長できません。

要点整理

  • 組織の成果は「アラインメント」で決まる

  • ビジョン・価値観・目標・基準の共有が不可欠

  • 忙しさより「成果に直結する活動」に集中

  • この8要素は、年間を通じたチェックリストとして有効

日々のトラブルや緊急対応に追われると、 リーダーはつい 「本来の重要事項」 から目を離しがちです。

ぜひ、この8つの要素をチェックリストとして使い、
今のチームがどこでズレているのかを確認してみてください。

組織を整えることが、最大の成果創出策です。

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デール・カーネギー・トレーニングは、1912年米国創設以来、リーダーシップ、セールス、プレゼンテーション、エグゼクティブ・コーチング、DEIなど、世界中で100年以上企業と個人を支援してきました。

東京オフィスは1963年設立、日本企業と外資系企業の成長を支え続けています。

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